ワイパーアームのサビは、見落としがちですが大切なメンテナンスポイントです。
サビが進行すると視界確保に影響し、安全な運転に支障をきたす可能性があります。
本記事では、ワイパーアームのサビを効果的に補修する方法と、日常のケアの重要性について詳しく解説します。安全で快適なドライブのために、ぜひ参考にしてください。
記事のポイント
DIY補修は、サビを削り、脱脂してから塗装するのが基本
仕上がりは下地処理が鍵。サビや油分を完全に除去する
塗装は下地材を塗り、数回に分けて薄く重ね塗りするのがコツ
ワイパーを外さなくても、周囲をマスキングすれば塗装は可能
DIYが難しい場合、業者への依頼や部品交換も選択肢となる
目 次
ワイパーアームのサビを補修したい

セルフでできるワイパーアームの錆補修・塗装のコツ
ワイパーアームの塗装を失敗しないための注意点
ワイパーアームの塗装前の下地処理と剥離方法
ワイパーアームのDIYおすすめ材料
ワイパーアームは外さず塗装できる?
ワイパーアームのサビは見逃しがちですが、安全な視界を確保するためには定期的な点検と補修が欠かせません。サビを自分で補修する場合でも、適切な下地処理や塗装で美しく仕上げることが可能です。
セルフでできるワイパーアームの錆補修・塗装のコツ
まずはワイパーアームを車体から取り外すのが基本です。取り外す際は、取り付け位置に印をつけておくと、再取り付け時に正しい位置に戻せるので安心です。ナットキャップを外し、12mmなど適切なサイズのレンチでナットを緩めます。固くて外れない場合は、浸透潤滑剤を使うとスムーズに作業できます。
錆びた部分は耐水ペーパー(320番から600番程度)やサンドペーパーでしっかりと削り落とします。表面の錆や塗装の剥がれを丁寧に取り除くことで、補修と塗装の仕上がりが格段に良くなります。サビ落としは時間をかけて平らにすることがポイントです。
次に、パーツクリーナーや脱脂用のシートでアームの表面の油分や汚れを完全に拭き取り、塗装の密着を高めます。油分が残ると塗装が剥がれやすくなるため、丁寧な脱脂が重要です。
塗装は、艶消しブラックやボディペンタイプの塗料を使うのが一般的です。まずはサーフェイサー(下地塗装)を薄く塗って乾燥させ、その後に本塗装を均一にスプレーします。表面がムラになるのを防ぐため、数回に分けて薄く塗り重ねることがコツです。裏面まで塗装すると耐久性が増します。
塗装後はよく乾燥させてからワイパーアームを車に戻します。取り付けは印をつけた位置に合わせ、ナットをしっかり締めましょう。
このように、取り外し・錆落とし・脱脂・下地処理・塗装・取り付けの順で丁寧に作業することが、見た目が綺麗で長持ちする補修の秘訣です。初めての方でも用具を揃え、作業手順を守れば、自宅DIYで十分対応可能です。
ワイパーアームの塗装を失敗しないための注意点

ワイパーアームの錆を補修する際、塗装で失敗しないためにはいくつかの重要なポイントがあります。
まず、錆や汚れをしっかり落とすことが大前提です。サンドペーパーや耐水ペーパーを使って錆を根こそぎ除去し、表面を平らに仕上げてください。錆が残ったまま塗装すると、塗膜が浮いたり、短期間で再び錆が発生したりする原因になります。また、塗装前に必ず脱脂剤やシリコンオフなどで油分や汚れを拭き取ることで、塗料の密着性が高まります。
塗装作業は換気の良い場所で行うようにしてください。塗料の揮発成分を吸い込んだり、周囲に飛び散ったりするのを防ぐため、マスクや手袋などの安全装備も忘れずに。
塗装は薄く均等に何度も重ね塗りするのがコツです。一度に厚塗りすると、塗料が垂れたりムラになったりします。前の塗料が十分に乾いたことを確認してから、次の塗装を行うと仕上がりがきれいです。塗装後は表面がしっかり乾燥するまで触らないようにし、ベタベタ感が完全に抜けるまで待ちましょう。
下地処理も大切です。サビがひどい場合は、プライマーやサビ止め処理を施してから本塗装に行うと耐久性が増します。
最後に、塗装が終わったらワイパーアームをすぐに動かさず、十分に乾燥させましょう。塗料が剥がれたり、ワイパーの動きが悪くなったりするのを防げます。
これらの注意点を守ることで、見栄えが良く、長持ちする仕上がりになります。焦らず丁寧にひと工程ずつ進めましょう。
ワイパーアームの塗装前の下地処理と剥離方法
ワイパーアームの塗装を美しく長持ちさせるポイントは、丁寧な下地処理にあります。まずはワイパーアームに発生している錆を完全に除去することが最優先です。320番から600番程度の耐水サンドペーパーやサンドペーパーを使用し、錆や劣化した旧塗膜を削り落として表面を平滑に整えましょう。錆だけでなく、塗装の浮きや剥がれも丁寧に削ることで仕上がりが格段に良くなります。
錆落としにはワイヤーブラシや錆取り剤を併用するのも効果的です。錆の除去が難しい場合は、錆取りクリームや化学的に錆を溶かす薬剤を使うと効率が上がります。
次に、錆を除去した金属地肌に付着している油分や汚れを取り除くために、シリコンオフや脱脂剤をたっぷりスプレーし、きれいな布で拭き取って完全に脱脂してください。油分が残ると塗装の密着性が悪くなり剥がれやすくなるため、この脱脂作業は非常に重要です。
剥離作業が完了したら、錆や塗装の浮いた部分を防錆効果のあるプライマー(サーフェイサー)で処理します。プライマーは塗料の密着を良くし、錆の再発を防ぐ効果があるため、必ず塗布しましょう。塗布後は十分に乾燥させてから、塗装に入るのが理想的です。
また、下地処理の段階でできるだけ均一な表面に仕上げるため、必要に応じて1500番以上の細かい耐水ペーパーで軽く磨き、塗装面を整えるとさらに仕上がりが良くなります。
これらの手順を踏むことで、ワイパーアームの塗装が剥がれにくく、見栄えよく仕上げることが可能です。焦らず丁寧に下地処理・剥離を行うことが、DIY補修成功のカギとなります。
ワイパーアームのDIYおすすめ材料
ワイパーアームのサビ補修や塗装をDIYで行う際に、おすすめの材料と道具を具体的にご紹介します。
サビ落とし・下地処理用
- サンドペーパー(耐水ペーパー):320番~600番程度の目の細かいものを用意します。サビや旧塗装をしっかり削り、表面を平らに整えます。
- ワイヤーブラシやディスクグラインダー:ひどいサビや古い塗装を削る場合は、ワイヤーブラシやディスクグラインダー(電動工具)も便利です。
- パーツクリーナーやシリコンオフ(脱脂剤):サビ取り後、塗装前に油分や汚れをきれいに拭き取るために必須です。クルマ専用のパーツクリーナーや脱脂剤がおすすめ。
- プライマー(下地塗装):サビ止めや塗装の密着性アップのために、鉄材用のプライマーを使うとより耐久性が高まります。
塗装用
- 高耐久ラッカースプレー(艶消しブラック):ワイパーアーム用には、紫外線や雨、サビに強い高耐久タイプのラッカースプレーがおすすめです。例として「アサヒペン 高耐久ラッカースプレー」や「ロックペイント 艶消しブラック」などがあります。黒がよく馴染み、見た目も美しく仕上がります。
- 塗装用マスキングテープ:塗装したくない部分(ワイパーブレードの取り付け部やガラス周り)への飛散防止に使います。
- 筆や小刷毛(こはけ):細かい部分をきれいに塗る場合に便利です。
作業環境・安全確保
- マスク・手袋・ゴーグル:サビや塗料の粉を吸い込んだり、肌や目に付着しないための保護具も忘れずに。
- 新聞紙や養生シート:周囲を汚さないようにします。
これらの材料・道具を使い、丁寧に下地処理と塗装を行うことで、プロに近い仕上がりを実現できます。コストも抑えつつ、愛車のワイパーアームを新品同様に甦らせてみてください。
ワイパーアームは外さず塗装できる?

ワイパーアームのサビ補修や塗装は、パーツを車から外して行うのが確実な方法ですが、必ずしも外さなければならないわけではありません。外さずに塗装する方法も一般的に行われており、十分にきれいに仕上げることも可能**です。
まず、塗装前に必要なのはマスキングです。塗料がガラスや他のパーツにつかないよう、塗装しない箇所にマスキングテープをしっかり貼りましょう。これで作業中の塗料飛散を防げます。
次に、サビや汚れを効率的に取り除くため、サンドペーパーやワイヤーブラシで磨きます。この際、周囲を汚さないよう注意してください。その後、パーツクリーナーや脱脂シートなどで油分や汚れをしっかり拭き取ります。
塗装はエアスプレー方式やブラシタイプの塗料を使うと便利です。スプレー缶の場合は、塗料が他の部分に飛ばないよう、手元に新聞紙や養生シートを敷くと安心。塗料が垂れないように薄く、何度か重ね塗りするのがコツです。ブラシやペンタイプの塗料なら、より繊細な工程で仕上げられます。
色あせや白化が気になる場合は、リターンブラックなどの専用コーティング剤を使う方法もあります。スポンジに染み込ませて塗るだけで、取り外し不要かつ簡単に黒艶を復活させられます。
ただし、パーツを外さない場合、ジョイントや根元などの死角部分や、フロントガラスに近い箇所は手が届きにくいというデメリットもあります。ご自身の車の構造やワイパーの状態によっては、取り外しが必要な場合もあるので、作業前に全体をよく点検してください。
ワイパーアームのサビを補修したい│業者依頼、交換費用

業者に塗装を依頼する場合の費用相場は、一般的に5,000円から15,000円程度、交換費用は、部品代と作業工賃を合わせておおよそ30,000円前後(左右2本)が一般的な相場です。
塗装を業者に頼んだ場合の費用相場
ワイパーアームのサビ補修や塗装を業者に依頼する場合の費用相場は、一般的に5,000円から15,000円程度が目安となります。これは大手カー用品店や板金塗装業者などでの施工料金で、店舗やワイパーアームの状態によって変動しますので、事前に確認されることをおすすめします。
費用を抑えたい場合はDIYで塗装する方法もありますが、プロに任せることで仕上がりの美しさや耐久性が格段に向上します。ご予算や補修の程度に応じて、塗装か交換かを選択されるのが良いでしょう。
不明点や見積もりが必要な際は、最寄りの整備工場やカー用品店などに問い合わせて相談されることをおすすめいたします。
ワイパーの錆対策は?

ワイパーアームの錆を防ぐための対策を施すことで、長く快適に使用することができます。以下に、効果的な錆対策をご紹介いたします。
- 定期的な清掃
定期的にワイパーアームを清掃し、汚れや塩分を取り除くことが重要です。特に海沿いや降雪地域では、錆の原因となる塩分が付着しやすいので、こまめに水洗いしましょう。 - 防錆スプレーの使用
防錆効果のあるスプレーを定期的に吹きかけることで、錆の発生を防ぐことができます。施工する際は、清掃後にしっかり乾燥させてからスプレーを使用してください。 - ワックスや保護剤の塗布
ワイパーアームに専用のワックスや保護剤を塗布することも効果的です。これにより、表面に保護膜を作り、錆の発生を防ぎます。 - 錆が見つかったら早めに対応
錆を早期に発見した場合、すぐにサビ取り剤やサンドペーパーで対応することが大切です。放置すると錆が進行し、取り返しがつかなくなることがあります。
これらの対策を実施することで、ワイパーアームを長持ちさせ、美しい状態を保つことができます。定期的なメンテナンスを心がけ、自動車のパーツを大切に扱いましょう。
ワイパーの劣化サインと交換のタイミングについて

ワイパーはフロントガラスの視界を守る重要な安全部品であり、定期的な点検と交換が必要です。ここでは、交換を検討すべき代表的な劣化サインと、交換のベストなタイミングについて詳しくご説明します。
ワイパーゴムの劣化サイン
- 「スジ状の跡」や「拭きムラ」「水のにじみ」が発生する:ガラスの拭き残しやムラはゴムが劣化している証拠です。運転中の視認性が低下し、雨天時の走行が危険になります。
- ゴム部にひび割れや欠け、変形、硬化が見られる:乾燥や紫外線、寒暖差などでゴムが硬くなり、ひび割れや欠けが発生するとガラスを傷つける恐れがあります。
- ワイパー作動時のビビリ音や異音:「ガタガタ」「キュキュ」といった音がする場合もゴムやブレードの劣化が進んでいるサインです。
- 金属部分のサビやがたつき:ワイパーアームフレームがサビていたり、がたついている場合は、全体の交換も検討しましょう。
ワイパーゴム・ブレードの交換目安
- ワイパーゴムは「半年~1年」に1回:紫外線や温度変化、擦れなどで劣化しやすいため、ゴム部分の交換は半年~1年に一度が目安です。
- ワイパーブレードは「数年」ごと:ゴムを支える金属のブレードも、経年劣化や変形を起こしやすく、数年ごとの交換がおすすめです。
- 梅雨時期や冬季の前がおすすめ:特に視界が重要になる雨期や雪期(年2回)の前に点検・交換を行うと安心です。
- 日常の視認・音のチェックも重要:運転中に拭き跡や異音を感じたら、余裕を持って早めに交換しましょう。
交換を促すその他の要因
- 保管環境や使用頻度による劣化の違い:屋外駐車や頻繁な高速走行、寒冷地・積雪地域では、劣化スピードが早まります。状況によっては通常より早めの交換が必要です。
- ゴムやブレードが着脱できない一体型ワイパーは、全体交換:最近の車種はワイパーゴムだけの交換が難しい場合があり、その場合はワイパーブレードやアームごとの交換となります。
ワイパーアームの交換コストの目安
ワイパーアームの交換費用は、部品代と作業工賃を合わせておおよそ30,000円前後が一般的な相場です。この価格は車種や交換する箇所、業者によって変動しますが、一般的な国産車の場合、左右セットでの交換費用として目安になります。
部品代の単価はワイパーアーム単体で数千円から一万円程度が多いですが、純正部品や輸入車の場合はさらに高額になることもあります。また、業者の工賃は概ね1万円前後かかる場合が多く、丁寧な取り外しや再調整の作業を含みます。
ワイパーアームは重要な視界確保部品ですので、サビの進行や変形が認められたら早めの交換をおすすめいたします。コストを抑えたい場合は、まずは錆びた部分の補修や塗装による延命を検討し、症状が重い場合に交換を選ぶと良いでしょう。
また、ワイパーゴムやブレードの交換に比べると、アーム交換はやや高額になるため、予算や愛車の状態に応じて整備工場やカー用品店に相談しながら、適切な対応をされることをおすすめします。
総括│ワイパーアームのサビを補修したい
ワイパーアームのサビ補修は、サンドペーパーやワイヤーブラシでしっかり錆を落とし、脱脂材で汚れや油分を除去した後に塗装するのが基本です。
サビが軽い場合はリペインペンや専用補修剤でも十分修復できますが、サビが根深い場合や見た目を重視するときは、アームを外して丁寧にサーフェイサーや艶消し塗料を塗装する方法がベストです。DIYでも簡単に美しく仕上がりますが、日頃の点検やこまめな手入れが再錆を防ぐためにも大切です。
万が一、補修が難しかったり、アームの耐久性に不安がある場合は、交換もご検討ください。ワイパーアームの劣化を取り除くことで、愛車の美観と安全運転の両方が保てます。