愛車のエンジンルームから「キーン」という甲高い異音が聞こえてきたら、要注意!
それはウォーターポンプからの悲鳴かもしれません。
ウォーターポンプはエンジンの冷却水を循環させる重要な部品ですが、そのウォーターポンプから異音が発生するということは、故障の前兆である可能性が高いのです。
「キーン」という音以外にも、「キュルキュル」や「ゴロゴロ」といった異音が発生することもあります。
これらの異音を放置すると、オーバーヒートやエンジンブローといった深刻なトラブルに発展し、多額の修理費用がかかることも。
この記事では、ウォーターポンプから異音が聞こえる原因や対処法について詳しく解説します。
愛車の異音に気づいたら、ぜひこの記事を参考にして、適切な対応をとってください。
記事のポイント
ウォーターポンプは冷却水を循環させ、エンジンを適切に冷やす役割
「キーン」という異音は、ベアリング摩耗、冷却水不足、ベルト滑りが原因
「キュルキュル」音はベルト緩み、劣化、プーリー損傷が原因
異音放置は、オーバーヒートやエンジン破損など大トラブルに
一般的な修理費用は、車種によるが約2~5万円が目安
目 次
ウォーターポンプの異音対策、キーン音のリスク

ウォーターポンプから「キーン」といった異音が聞こえるのは、深刻なエンジントラブルの前兆かもしれません。
この異音は、ウォーターポンプ内部のベアリング摩耗や、駆動ベルトの劣化、冷却水の不足など、様々な原因によって引き起こされます。
ポンプからキーンという音がするのはなぜですか?
ウォーターポンプから聞こえる「キーン」という異音は、放っておくと大きなトラブルに繋がる可能性のある危険信号です。
この音は、ポンプ内部の部品の摩耗や劣化、冷却水の不足、あるいはベルトの滑りなど、いくつかの原因によって発生します。
- ベアリングの摩耗
ウォーターポンプの心臓部であるベアリングが摩耗すると、回転時に金属同士が擦れ合うことで高音の「キーン」という音が発生します。
これは最も一般的な原因で、長期間の使用や劣化した冷却水を使用することでベアリングが錆びたり、潤滑不足に陥ったりすることで起こります。 - インペラーの損傷
ウォーターポンプ内部の羽根車であるインペラーが損傷したり、異物が噛み込んだりした場合も、異音が発生することがあります。
特に、冷却水に錆や異物が混入していると、インペラーを傷つけ、キーン音やその他の異音の原因となる可能性があります。 - 冷却水の不足
冷却水が不足すると、ポンプ内部の潤滑が不十分になり、ベアリングやインペラーに過剰な負荷がかかります。
これにより、摩耗が促進され、「キーン」という異音につながることがあります。
また、冷却水の不足はオーバーヒートを引き起こし、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。 - ベルトの滑り
ウォーターポンプを駆動するベルトが緩んでいる、もしくは劣化している場合、ベルトが滑って「キュルキュル」もしくは「キーン」といった高音の異音が発生することがあります。
ベルトの滑りは、ポンプの回転効率を低下させ、冷却性能の低下に繋がるため注意が必要です。
ウォーターポンプのキュルキュル音の原因は?
ウォーターポンプから「キュルキュル」という音が聞こえる場合、多くのケースで駆動ベルトに関連する問題が考えられます。
ウォーターポンプはエンジンによって駆動されており、その動力伝達を担っているのがベルトです。
このベルトに何らかの問題が発生すると、キュルキュル音をはじめとする異音が発生するのです。
具体的には、以下の原因が考えられます。
- ベルトの緩み
ベルトが適切な張力を保っていないと、プーリーとの間で滑りが発生し、「キュルキュル」という音が発生します。
これは最も一般的な原因であり、比較的簡単な調整で改善できる場合が多いです。 - ベルトの劣化
ベルトはゴム製のため、経年劣化によってひび割れや硬化が起こります。
劣化が進むと、プーリーとの摩擦力が低下し、滑りが発生しやすくなります。
ひび割れや硬化が確認できる場合は、ベルトの交換が必要です。 - プーリーの摩耗や損傷
ベルトを駆動するプーリー(滑車)が摩耗したり、損傷したりしている場合も、ベルトの滑りを引き起こし、「キュルキュル」音の原因となります。
プーリーの表面に傷や変形が見られる場合は、交換が必要となるでしょう。 - ベルトテンショナーの不良
ベルトの張りを自動的に調整するベルトテンショナーが故障すると、ベルトが緩み、滑りが発生する可能性があります。
テンショナーの動作不良や異音が確認できる場合は、交換が必要です。 - ウォーターポンププーリーの焼き付き
稀なケースですが、ウォーターポンプ側のプーリーのベアリングが焼き付いてしまい、プーリーが正常に回転しなくなると、ベルトが滑り「キュルキュル」という音が発生することがあります。
この場合はウォーターポンプの交換が必要です。
これらの原因以外にも、ベルトに付着した油脂や冷却水、あるいは寒冷時など特定の条件下でのみ音が発生する場合もあります。
ウォーターポンプから異音がするのはなぜですか?

ウォーターポンプから異音がする場合、いくつかの原因が考えられます。
主な原因の一つは、ベアリングの劣化です。
ウォーターポンプ内のベアリングが摩耗すると、軸の回転がスムーズに行えなくなり、カラカラという高い音やゴロゴロとした異音が発生します。
これは通常、長期間の使用や強い負荷がかかった場合に起こります。
さらに、シールの損傷も音の原因です。
シールはポンプ内部のクーラントを封じ込め、漏れを防ぎますが、これが劣化すると潤滑不足となり、道具部品同士の摩擦が増え異音につながります。
ベルトの問題も考慮すべきです。
ベルトが緩んでいたり、摩耗して滑る場合、ウォーターポンプのプーリーに適切な力が伝わらず、異音が発生する可能性があります。
また、プーリー自体が歪んでいると、ベルトの接触に影響を与え、音を立てることがあります。
ウォーターポンプの異音が温まると消える!?

ウォーターポンプから異音がするのに、エンジンが温まると音が消える、という経験をされた方もいるかもしれません。
一見すると問題は解決したように思えますが、異音が消えたからといって安心せず、根本原因を突き止めることが重要です。
なぜ温まると異音が消えることがあるのでしょうか?
考えられる原因をいくつかご紹介します。
- 冷間時のベルトの滑り
エンジンが冷えている時は、ベルトの張力が低くなったり、ベルト自体が硬化しているため、プーリーとの摩擦が少なくなり滑りやすくなります。
これが「キュルキュル」といった異音の原因となります。
エンジンが温まるとベルトの張力が適正化し、材質も柔らかくなるため、滑りが解消され異音が消えることがあります。
しかし、これはベルト、テンショナー、プーリーなどに問題がある可能性を示唆しており、放置するとベルトの切断に繋がる恐れがあります。 - ウォーターポンプのベアリングの初期摩耗
冷間時は、ウォーターポンプ内部のベアリングのグリスが固まっているため、回転抵抗が大きくなり「キーン」「ゴロゴロ」といった異音が発生しやすくなります。
エンジンが温まるとグリスが柔らかくなり、回転がスムーズになるため異音が消えることがあります。
しかし、これはベアリングの摩耗が始まっているサインであり、将来的にベアリングが完全に破損する可能性が高いです。 - 冷却水の粘度変化
寒冷時など、冷却水の温度が低い時は粘度が高くなります。
そのため、ウォーターポンプの回転抵抗が大きくなり異音が発生しやすくなります。
エンジンが温まり冷却水の温度が上がると粘度が下がり、抵抗が小さくなるため異音が消える場合があります。
しかし、これはあくまで一時的な現象であり、根本的な解決にはなりません。
アクセルを踏むと異音がキーンとするのは?
アクセルを踏むと「キーン」という高い異音が聞こえる場合、いくつかの原因が考えられます。
ウォーターポンプもエンジン回転数に連動して回転するため、関連する部品に問題がある可能性が高いと言えるでしょう。
ウォーターポンプ以外にも、エンジン回転数に連動して動作する補機類は複数存在します。
オルタネーター、パワステポンプ、エアコンコンプレッサーなど、他の補機類の不具合が生じている場合も、アクセルを踏むと異音が発生することがあります。
ウォーターポンプ以外の補機類のベアリング摩耗、プーリーの損傷なども疑ってみる必要があります。
ウォーターポンプの異音対策、キーン音のリスク│前兆や修理費用

ウォーターポンプの異音問題は、放置するとオーバーヒートやエンジンブローといった重大な故障に繋がり、高額な修理費用が発生するリスクがあります。
ウォーターポンプとは?
ウォーターポンプは、エンジンの冷却システムにおいて心臓部と言えるほど重要な役割を担っています。
エンジンは燃焼によって莫大な熱を発生させますが、この熱を適切に冷却しないと、オーバーヒートを起こして深刻な損傷を引き起こす可能性があります。
ウォーターポンプは、この熱を効率的に逃がすために、冷却水を循環させるポンプの役割を果たしているのです。
【 エンジンの冷却における重要性 】
ウォーターポンプは、エンジンにとって必要不可欠な部品であり、その正常な動作はエンジンの寿命と性能に大きく影響します。
- 冷却水の循環
ウォーターポンプは、エンジン内部の冷却通路やラジエーターに冷却水を循環させることで、エンジンから発生した熱を吸収します。
冷却水は、ウォーターポンプの回転によって強制的に循環させられるため、エンジン全体を均一に冷却することができます。 - オーバーヒートの防止
エンジンがオーバーヒートすると、金属部品の膨張や変形、最悪の場合は焼き付きを起こし、エンジンが停止してしまう可能性があります。
ウォーターポンプは冷却水を循環させることで、エンジンの温度を適切な範囲に保ち、オーバーヒートを防止します。 - エンジンの性能維持
エンジンは、最適な温度範囲で動作するように設計されています。
ウォーターポンプが正常に機能することで、エンジンは常に最適な温度で動作し、本来の性能を維持することができます。 - 燃費の向上
エンジンが適切な温度で動作することで、燃料の燃焼効率が向上し、燃費の向上にも貢献します。
ウォーターポンプの故障の前兆は?
ウォーターポンプが故障する前には、注意すべきいくつかの前兆があります。
これらを早期に察知することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
- 異音の発生
キーンやグラグラという異音は、ウォーターポンプのベアリングや他の内部部品の摩耗を示しています。
特にアクセルを踏んだときに音が大きくなる場合は、緊急の点検が必要です。 - クーラントの漏れ
車の下に緑色や赤色の液体が溜まっている場合、クーラントの漏れが疑われます。
これはウォーターポンプのシールの劣化や亀裂によるもので、直ちに修理が必要です。 - エンジンのオーバーヒート
温度計が通常より高くなったり、警告灯が点灯する場合、ウォーターポンプの機能が低下し、冷却が不十分となっている可能性があります。 - クーラントの泡立ちや汚れ
クーラントが泡立ったり汚れている場合、ウォーターポンプの故障やラジエター機能の低下が考えられます。 - エンジン警告灯の点灯
車種によっては、冷却システムに異常が発生した場合、エンジン警告灯が点灯することがあります。
異常音を放置した場合の深刻なリスク

ウォーターポンプから異音が聞こえるにも関わらず、それを放置すると、様々なリスクが生じます。
具体的に、ウォーターポンプの異音を放置した場合、以下のようなリスクが考えられます。
- オーバーヒート
ウォーターポンプが正常に機能しないと、冷却水の循環が滞り、エンジンがオーバーヒートします。
オーバーヒートは、エンジン部品の変形や損傷、最悪の場合はエンジンの焼き付きを引き起こし、走行不能になる可能性があります。
修理には多大な費用と時間がかかるため、大きな損失に繋がります。 - エンジンブロー
オーバーヒートがさらに進行すると、エンジンブロー、つまりエンジンが破損する可能性があります。
エンジンブローは、エンジン全体の交換が必要になるケースもあり、非常に高額な修理費用が発生します。 - ベルトの切断
ウォーターポンプの異音がベルトの滑りによるものである場合、放置するとベルトが切断される可能性があります。
ベルトが切断されると、ウォーターポンプだけでなく、オルタネーターやパワーステアリングポンプなどの他の補機類も機能しなくなり、走行不能になる危険性があります。 - 思わぬ故障箇所の拡大
ウォーターポンプの不調を放置することで、他の部品にも悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、オーバーヒートによってラジエーターやホースが損傷したり、エンジンの内部部品にダメージが及ぶこともあります。
結果的に、修理範囲が拡大し、費用もかさむことになります。 - 事故のリスク
走行中にオーバーヒートやベルトの切断などが発生すると、車両のコントロールを失い、事故に繋がる危険性があります。
自分自身の安全だけでなく、周囲の安全も脅かす可能性があるため、異音を放置することは非常に危険です。
ウォーターポンプ修理の概算費用
ウォーターポンプの修理や交換にかかる概算費用は、車種や修理業者によって異なりますが、一般的には2万円から5万円程度が目安となります。
具体的には、ウォーターポンプ本体の部品代が1万円前後で、これに交換工賃が1万円から3万円程度加わるため、合計で約2万円~5万円が相場です。
ただし、ウォーターポンプはタイミングベルトやファンベルトなどの他の部品と連動しているため、周辺パーツの劣化や故障が見つかると、同時交換が必要になり費用がさらに高くなるケースがあります。
特にタイミングベルトとセットで交換する場合は、交換費用が10万円を超えることも珍しくありません。
総じて、ウォーターポンプの異音を感じたら早めに修理・交換することが、エンジンの重大故障を防ぎ、結果的に高額な修理費を抑えることにつながります。
総括│ウォーターポンプの異音対策、キーン音のリスク
ウォーターポンプからの異音、特にキーンという音は、車の冷却システムにとって重要なサインです。
ベアリングの摩耗やベルトの問題、シールの劣化が原因であることが多く、これらを放置するとエンジンのオーバーヒートや深刻な損傷につながります。
異音を早期に察知し、適切に対処することが、エンジンを長持ちさせる鍵です。
ウォーターポンプの問題は、早めの点検と修理で修理費用を抑えることができ、安全で快適なドライブを続けるために不可欠です。