ハンドルを切ったときに「キュルキュル」という気になる音が聞こえることはありませんか?
この音は、車の異常を知らせるサインの一つです。特に、エンジンをかけた直後やハンドルを大きく切ったときに「キュルキュル」と鳴く場合は、車の補機類やステアリング周りに何らかのトラブルが起きている可能性があります。
この記事では、その原因と対処法について詳しく解説します。
記事のポイント
ハンドルの異音は、主にゴムベルトの劣化やすべりが原因
異音は車のSOSサイン。放置せずにプロの整備工場へ相談を
原因はベルト以外に、グリス切れやオイル不足なども考えられる
修理費は数千円から、原因により十万円を超える高額な場合も
修理費が高額な場合は、車の年式を考慮し買い替えも選択肢
目 次
ハンドルを切るとキュルキュル音がするのはナゼ?

ハンドルを切った際の「キュルキュル」という異音の原因は、パワーステアリングベルトの劣化や緩み、オイル不足など様々です。簡単な調整で直ることもあれば、重要な部品が消耗しているサインである可能性も否定できません。
ハンドルを切るとキュルキュル言う原因は何ですか?
一番多い原因は、エンジンの力をハンドル操作の装置に伝える「ゴムのベルト」がすべっていることです。
このベルトはゴムでできているので、長く使っているとカチコチに硬くなって、キュルキュルとすべりやすくなります。
それに、ゴムが伸びてたるんでくると、プーリーという車輪にうまく力が伝わらなくなって、音が出ることもあります。
雨の日や寒い日の朝だけ音が鳴るのは、ベルトが冷えたり濡れたりして、いつもよりすべりやすくなっているからです。
放置せずに、早めにプロに見てもらいましょう。
ハンドルがキーキー鳴る原因は?

ハンドルがキーキー鳴く場合、まずはパワーステアリングのベルトが緩んでいないか確認しましょう。ハンドルを切ったときに負荷がかかり、ベルトが滑ることで音が発生します。
次に考えられるのは、ステアリングシャフトのブーツ内のグリス不足です。グリスが減ると金属同士が直接ぶつかり、キーキーという高い音が出てきます。
また、タイロッドエンドのグリス切れも原因として多いです。この部品がすり減ると、ハンドル操作時に摩擦が増えてキーキーやギリギリという音が鳴ります。
さらに、油圧ポンプ自体に異常がある可能性もあります。パワーステアリングフルードの量が不足していないか、ポンプに破損がないかも確認が必要です。
タイヤの空気圧が低すぎる場合も、スキール音として音が発生することがあります。まずはタイヤの空気圧を確認することから始めるのがおすすめです。
ハンドルを切ると音が鳴る場合の治し方は?

ハンドルから音が鳴っているときは、まずは原因をしっかり診断することが大切です。自分で判断せずに、整備工場に持ち込んで点検を受けることをおすすめします。
- グリス不足が原因の場合
ステアリングシャフトのブーツ内やタイロッドエンドのグリスが足りないときは、グリスを追加で塗布することで改善できます。この場合の修理費用は数千円から一万円程度で、作業時間も三十分から一時間ほどで完了することが多いです。 - ベルト緩みが原因の場合
パワーステアリングのベルトが緩んでいるときは、ベルトの張りを調整するか、必要に応じてベルトを交換します。ベルトに目立つ摩耗やひび割れがないかをまず確認することが重要です。 - 油圧ポンプの異常が原因の場合
油圧ポンプそのものが壊れているときは、ポンプ交換が必要になり、費用がかかります。オイル不足が原因のときは、リザーバタンクにオイルを足す応急処置がありますが、漏れている箇所を修理しないと直りません。 - タイロッドエンド交換が必要な場合
グリス給油で一時的に対応できますが、基本的にはタイロッドエンドの交換が必要です。この箇所の修理は放置せずに、早急に対応してください。 - 応急処置について
市販のグリススプレーをジョイント部分に吹きかけることで一時的に音が軽減されることもあります。ただし、内部の摩耗を直す効果はないため、あくまで応急処置だと考えてください。
ハンドルを切ったらベルトが鳴くのはなぜですか?
ハンドルを大きく切ったときにキュルキュル音が鳴くのは、パワーステアリングベルトに大きな負荷がかかるからです。ハンドル操作によってパワステポンプへの負荷が急に増すと、ベルトが緩く滑ってしまいます。
- ベルトが緩んでいる場合
パワーステアリングベルトが緩んでいると、ハンドルを回すときにキーキー音やキュルキュル音が出やすくなります。ベルトの張りが不足していると、プーリーとの接触時に適切な摩擦が得られず、結果としてベルトが滑ってしまうのです。 - ベルトが経年劣化している場合
ベルトの材質はゴム製のため、時間がたつにつれて摩耗や硬化が進みます。ベルト表面のゴムが平滑性を失うと、ハンドル操作時に引っかかったり滑ったりしてキュルキュル音が発生します。 - 長距離走行でベルトが伸びている場合
数万キロ以上走行すると、ベルトが少しずつ伸びる症状が発生することがあります。ベルトが伸びきるとプーリーとの間に滑りが生じ、ハンドル切り込み時に特に音が鳴りやすくなります。 - エアコン使用時の影響
ハンドルを切ってエアコンをつけると、パワステポンプとコンプレッサーの両方に負荷がかかります。このように複数の機械が同時に動くと、ベルトへの負荷がさらに大きくなり、キュルキュル音が鳴りやすくなります。 - 油分や水分の影響
オイル漏れや雨水でベルトが濡れたり油を帯びたりすると、正常な摩擦が得られなくなります。ベルトとプーリーの間の接触性が低下し、異音が発生しやすくなります。
ハンドルを切るとキュルキュル音がするのはナゼ?│異音の発生源や修理費用など

異音の発生源は、大きく分けて運転席内部から聞こえる音と、エンジンルームやタイヤ付近から聞こえる音です。
原因箇所によっては高額な修理費用になりますので、買い替えの選択肢も考えられます。
ステアリング操作時の異音の主な発生源はどこ?
ハンドルを切ったときに鳴る異音は、大きく分けて二つの場所から聞こえます。一つは運転席内部から聞こえる音で、もう一つはエンジンルームやタイヤ付近から聞こえる音です。
運転席内部から聞こえる異音
運転席ダッシュボードの下にあるステアリングシャフトから異音が発生することが最も多いです。このシャフトのジョイント部分やブーツ内のグリスが不足すると、金属が擦れてキーキーやコトコトという音が出ます。ステアリングシャフトはハンドルと車体下部のステアリングラックを接続する重要な部品です。
エンジンルームから聞こえる異音
エンジンルーム内のパワーステアリングベルトが緩んでいるときに、キュルキュルという音が発生します。ハンドル操作によってパワステポンプへの負荷が増すと、ベルトが緩く滑ってしまい異音が出るのです。油圧ポンプそのものが壊れている場合も、エンジンルームから異音がします。
タイヤ付近やサスペンション周辺から聞こえる異音
タイロッドエンドはハンドル操作をタイヤに伝える重要な部品です。この部品のグリスが不足したり摩耗したりすると、ギギギやガタガタという異音が発生します。ロアアームやボールジョイントなどサスペンション部品の劣化も、ハンドル切り込み時の異音につながります。
異音の具体的な修理方法と費用の目安

ハンドルの異音は、原因に応じて修理方法や費用が変わります。まずは点検でどこから音がしているかをしっかり確認しましょう。
- グリス不足の場合
ステアリングシャフトやタイロッドエンドにグリスを補充します。費用は五千円から一万円ほどで、作業時間も短く済みます。 - ベルトの調整や交換
パワーステアリングベルトが緩んでいたら調整します。調整だけなら三千円から五千円、交換なら七千円から一万円ほどです。 - タイロッドエンド交換
タイロッドエンドが摩耗しているときは交換が必要です。費用は一万円から三万円ほどで、安全のために早めの対応が大切です。 - 油圧ポンプやステアリングラック交換
ポンプやステアリングラックが壊れているときは、交換が必要です。費用は三万円から十五万円ほどかかります。 - スタビライザーリンクやブーツ交換
スタビライザーリンクやブーツが劣化している場合も交換します。費用は一万円前後で、左右セットで交換することが多いです。
異音トラブルを防ぐための点検と運転習慣
ハンドルの異音を未然に防ぐためには、日頃からの定期的な点検が何よりも重要です。早めに異常を発見することで、大きな故障を避けることができます。
- 定期的な視覚検査
エンジンをオフにしてステアリングシステム全体を目視で確認し、液漏れや部品の劣化をチェックしましょう。ボンネットを開けてステアリングシャフトやラック周辺のブーツに亀裂やグリース漏れがないか観察することが大切です。 - パワーステアリング液の確認
油圧式パワーステアリング車の場合、ボンネット内のリザーバータンクでオイルの量を定期的に点検します。規定量より低い場合はオイル不足が音の原因になっている可能性があります。劣化しているオイルは交換が必要です。 - ブーツとベアリングの点検
タイロッドエンドやステアリング部品のゴムブーツに亀裂やグリース漏れがないか確認しましょう。早めに補修や交換することで、異音を防ぐことができます。 - 駐車場での動作確認
駐車場でゆっくりとハンドルを左右に切り、異音が発生するかどうかを確認します。音の有無やその種類に着目することで、故障箇所を特定しやすくなります。 - 正しい運転習慣
ハンドルを限界まで切り込む動作は部品に負担をかけるため、なるべく避けてください。大きな切り返しをせず、スムーズな操作を心がけることが大切です。
異音が出るということは部品に劣化や不具合が起きている証拠です。応急処置で音が収まっても根本原因は解消されないため、早めに整備工場で点検を受けましょう。
高額修理となったら車の買い替えも検討すべき

ハンドルの異音が発生した場合、原因によって修理費用は大きく異なります。ステアリングギアボックスやステアリングラックの交換が必要になると、十万円を超える高額な修理費がかかることもあります。
- 修理費が高額になるケース
パワーステアリングポンプやステアリングシャフトの交換が必要な場合、部品代だけで五万円から十万円程度かかります。工賃を含めると総額が二十万円近くになることもあり、かなりの負担になります。 - 車の年式と修理費を比較する必要性
十年以上前の古い車の場合、修理費がその時点での車両価値に迫ることもあります。高額な修理をしても、数年後に別の故障が発生する可能性も高いため、修理の判断は慎重に行う必要があります。 - 買い替えを検討するタイミング
修理費が二十万円を超える場合は、車の買い替えも視野に入れることをおすすめします。特に走行距離が十万キロを超えている車の場合、修理後も次々と故障が起きるリスクがあります。 - 中古車購入とのコスト比較
修理に二十万円かけるなら、その予算で状態の良い中古車を購入できる可能性があります。同じ予算なら、より新しく走行距離が少ない車が手に入ることもあります。 - 修理か買い替えかの判断基準
車の走行距離、年式、これまでの修理履歴を総合的に判断しましょう。十万円を超える修理が必要な場合は、修理工場で買い替えの相談もしてみることをおすすめします。 - 長期的な視点を持つ重要性
高額修理をしても、その後の安全性や信頼性が完全に戻るわけではありません。今後も修理費がかかる可能性を考えると、新しい車への買い替えが経済的に有利になることもあります。
ハンドルを切るとキュルキュル音がするのはナゼ?│総括
ハンドルを切ると「キュルキュル」という異音がする原因は、主にパワーステアリングベルトの緩みや劣化、油圧ポンプやパワステフルードの異常、ステアリングシャフトやジョイント部分のグリス切れなどが考えられます。
また、タイロッドエンドやボールジョイントの摩耗、タイヤの空気圧不足なども原因となることがあります。
これらの症状は、初期段階では軽微なトラブルですが、異音が気になる場合は、早めに専門の整備工場で点検・修理を受けることをおすすめします。