車の雑学

坂道発進でアクセルを踏みすぎる方へ!AT・MT別、苦手克服ガイド

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峠の坂道で渋滞している

免許を取得したばかりの方や、ひさしぶりにMT車にのるドライバーにとって、坂道発進は最大の難所といえるでしょう。

「うしろにさがってしまうかも」という恐怖心から、ついついアクセルを踏みすぎてしまい、エンジンの爆音にあせった経験はありませんか?
坂道発進の失敗のおおくは技術不足だけでなく、心理的な緊張による操作のみだれが原因なのです。

この記事では、坂道発進が苦手な方にむけて、わかりやすく解説します。
この記事を読みおえるころには、あの苦手な坂道が、自分の上達を実感できる場所に変わっているはずです。

記事のポイント

アクセルを2000回転前後にたもち、パワー不足のエンストを回避
サイドブレーキ解除時にクラッチをうごかさず両足を保持する
AT車は勾配におうじ、Lや2レンジを使いわけ後退を防止
落ちついて「アクセル→半クラ→サイドブレーキ解除」の順で操作

坂道発進のときアクセルを踏みすぎてしまう│マニュアル車

マニュアルミッションレバーを操作する

マニュアル車(MT車)の坂道発進でアクセルを踏みすぎてしまう最大の要因は、ドライバーの心理的な「後退への恐怖」と「パワー不足によるエンストへの過度な警戒」にあります。

坂道では重力によって車が後ろにひきもどされるため、平地よりもおおきな駆動力が必要です。1500〜2000回転ていどをキープする「アクセルをいつもよりおおめに踏むこと」が理想とされています。

しかし、この「おおめに」という感覚をコントロールできず、タコメーターがはねあがりエンジン音がひびいてしまうのは、右足のふみこみ量と左足のクラッチミートのタイミングが同期していないことが原因です。

対策として、「アクセルを一定に保つ」→「半クラッチを作る」→「サイドブレーキを解除する」という正しい順序を体に染みこませてください。

坂道発進がトラウマになっている
なぜMT車は坂道発進が難しいのでしょうか?
坂道発進で半クラが維持できない原因は?
坂道発進のアクセル量は?
エンストの主な原因と対策
サイドブレーキの下ろし方
マニュアル車で坂道発進のコツは?

坂道発進がトラウマになっている

「後ろの車にぶつかってしまうかも」という恐怖心は、おおくのドライバーが免許取得時に経験する道です。

教習データによれば、仮免試験でのエンスト率は約29%に達しており、坂道発進のミスがおおきな心理的障壁となっています。
しかし、坂道発進がトラウマになる最大の理由は「車の挙動を制御できていない」という感覚にあります。

実は、坂道発進を克服することはたんに坂をのぼれるようになるだけでなく、平地での発進技術を飛躍的に向上させるメリットがあります。この技術をマスターすれば、今まで苦労していた平地での操作がおどろくほど「楽勝」に感じられるはずです。

まずは「逆行をおそれない」というポジティブなマインドをもちましょう。MT車でわずかに後退するのは、「やむおえないことだ」と開き直るくらいが丁度いいのです。

なぜMT車は坂道発進が難しいのでしょうか?

運転に不安を感じてる男

MT車の坂道発進がむずかしいのは、重力という目に見えない力がつねに車をうしろへひきもどそうとしているからです。

平地では「クラッチをつなぐ」という一段階の操作ですみますが、坂道では「後退をふせぐブレーキ」「動力をつたえるクラッチ」「パワーをうみだすアクセル」の3要素を、かぎられた時間内でバランスよく連携させなければなりません。

とくに、運転に不慣れなドライバーは後退をおそれるあまり、クラッチをはなすタイミングが早すぎてエンストしたり、逆に慎重になりすぎてアクセルが不足したりするジレンマにおちいります。
この「重力との戦い」を制するためには、車両の挙動を足のウラでかんじとる繊細な感覚が必要となります。

坂道発進で半クラが維持できない原因は?

坂道発進において半クラッチが維持できない最大の原因は、操作の連動ミス、とくに左手と左足の「つられ」にあります。

坂道では後退をふせぐためにサイドブレーキ(ハンドブレーキ)を使用しますが、このレバーをおろす際に、左手に連動して左足のクラッチペダルまで無意識にうごかしてしまうケースがおおいのです。

サイドブレーキを解除するタイミングでクラッチがうごいてしまうと、せっかく作ったミートポイントがズレてしまい、エンストや逆行をまねく結果となります。これを克服するには、左手でサイドブレーキを操作しているあいだも、両足をしっかりと「保持(キープ)」する独立した意識が不可欠です。

また、エンジン音や振動といった「車両からのサイン」を見おとしていることも、半クラッチを維持できないおおきな要因です。半クラッチを成功させるためには、アクセルをいつもよりおおめにふんだ状態をキープし、そこからクラッチをスッとあげていく必要があります。

しかし、あまりに慎重になりすぎてゆっくりクラッチをあげすぎると、エンジン音の変化(音がひくくなるポイント)に気づきにくくなってしまいます。その結果、ミートポイントがあいまいなままサイドブレーキをはなしてしまい、パワー不足で車がさがったり、あわてて足をはなしてエンストしたりする悪循環におちいるのです。

さらに、車がうごきだした瞬間の「油断」も無視できません。おおくのドライバーは、サイドブレーキをおろして車がすこしでも前進しはじめると、安心感からすぐにクラッチを完全にはなしてしまいます。

しかし、坂道ではうごきだした直後にクラッチをあげてしまうと、まだ十分に加速していないエンジンに負荷がかかりすぎてエンストしてしまいます。逆に、車がうごいたことに驚いてクラッチをふみこんでしまえば、動力が切れ逆行がはじまります。

ロボ太くん
ロボ太くん

坂道の半クラッチ発進は、ヒール&トゥーに並ぶ難しいテクニックだね!

坂道発進のアクセル量は?

マニュアル車を操作する足元

坂道発進におけるアクセル操作は、スムーズな発進とエンスト防止を左右する重要な要素です。

坂道では平地よりも「多めにふむ」ことが鉄則です。具体的な数値としては、エンジン回転数をタコメーターで1500〜2000回転前後に維持することをめやすにしてください。坂道では、重力によって車を後退させようとする力が常にはたらいています。

平地とおなじ感覚のアクセル量ではエンジンパワーが重力に負けてしまい、クラッチをつないだ瞬間に回転数が落ちこんでエンストをまねくリスクがたかまるからです。

とくにマニュアル車(MT車)のばあい、アクセル不足はエンストの最大の原因となります。アクセルをふみすぎてエンジン音がおおきくなると「周囲にうるさいと思われないか」「車が暴走しないか」と不安になるかもしれませんが、気にしすぎる必要はありません。音がすこしたかまり、パワーが十分にたまっている状態を右足でしっかりキープしたまま、左足のクラッチを半クラッチの位置までスッとあげていくことが成功のポイントです。

あまりに慎重すぎてゆっくりクラッチをあげすぎると、エンジン音の変化に気づきにくくなり、結果として適切なミートポイントをのがしてしまうことがあるため、メリハリのある操作がもとめられます。

エンストの主な原因と対策

坂道におけるエンストの最大の原因は、圧倒的な「アクセル不足」にあります。

平地での発進になれてくると、無意識にアクセルをおさえてクラッチ操作だけで発進しようとしがちですが、のぼり坂では重力という強力な負荷がかかるため、平地とおなじパワーではエンジンが耐えきれずにとまってしまいます。

とくに初心者のばあい、エンジン音がおおきくなることへの抵抗感からアクセルをゆるめてしまいがちですが、これがパワー不足をまねき、クラッチをつないだ瞬間に回転数がおちこんでエンストをひきおこすのです。対策としては、まずアクセルをいつもよりおおめにふみこみ、エンジンが力づよくまわっている状態を右足でしっかりと「保持(キープ)」することが不可欠です。

クラッチ操作のタイミングもエンストを左右する重要な要素です。サイドブレーキを解除する際、緊張から左足が一緒にうごいてしまい、意図せずクラッチを急にあげてしまうことが失敗の典型例です。

また、エンストを恐れるあまりクラッチをはなすのがおそすぎると、今度はブレーキが効きすぎてエンジンがとまることもあります。適切な対策は、タコメーターを活用してエンジン回転数を2000回転前後に安定させ、車体がわずかに震えはじめるミートポイントを正確につかむことです。

あせらずに「アクセル→半クラッチ→サイドブレーキ解除」というただしい順番をおちついて守ることで、エンジンのねばり強さをひきだし、エンストのリスクを最小限におさえることができます。

サイドブレーキの下ろし方

サイドブレーキを持つ手

サイドブレーキ(ハンドブレーキ)の操作は、坂道発進の成否をわける重要なステップです。

おおくの初心者がおちいるワナとして、「レバーを下に押しさげようとしてもびくともしない」という現象があります。これは、サイドブレーキが「ラチェット機構」という構造を採用しているためです。
力まかせにさげようとするのではなく、まずはボタンを押しながら「グイッと一瞬レバーをうえにひきあげる」動作を意識してください。これによりラチェットのかみあわわせがはずれ、スムーズにレバーをおろすことが可能になります。

また、レバーを下ろすタイミングと手順にもコツがあります。MT車のばあい、アクセルをおおめにふみこみ、クラッチを半クラッチの状態まであげてエンジン音が変化した(低くなった)ことを確認してからサイドブレーキを解除します。

この際、注意すべきなのは「レバーを下げきるまでボタンをはなさない」ことです。レバーが完全におりるまえにボタンをはなしてしまうと、途中でふたたびラチェットがかんでしまい、ブレーキが完全には解除されずスムーズな発進のさまたげになります。ボタンはレバーを最後までおしさげるまで、親指でしっかりとおしつづけてください。

サイドブレーキ警告灯が消えるのを目視で確認し、車体が前進しはじめるのを感じたら、あせらずにつぎの加速動作へとうつりましょう。この一連の動作をおちついておこなうことが、後退をふせぎ、坂道発進を成功させるための近道となります。

マニュアル車で坂道発進のコツは?

マニュアル車(MT車)における坂道発進を成功させるコツは、操作の優先順位を「右足(アクセル)→左足(半クラッチ)→左手(サイドブレーキ解除)」と徹底し、それぞれの動作を独立して正確におこなうことです。

まず、坂道では平地よりもおおきなパワーが必要になるため、アクセルをいつもよりおおめにふみこみ、エンジン回転数を1500〜2000回転ていどで一定にたもつことが不可欠です。この際、「エンジン音がうるさくなるのではないか」という不安をすて、しっかりとパワーをためる状態を維持してください。アクセルがよわいことは、坂道におけるエンストのもっともおおきな原因となります。

つぎに、アクセルを固定したままクラッチを「スッ」とミートポイントまであげていきます。車体がわずかにふるえ、前にすすもうとする力がサイドブレーキの制動力にまさりはじめたと感じたら、サイドブレーキを解除します。

ここで重要なのは、サイドブレーキをおろす瞬間に、左手に連動して左足のクラッチがうごかないよう「両足をしっかり保持(キープ)」することです。おおくの失敗は、ブレーキ解除の瞬間に無意識に左足うごいてしまい、半クラッチの状態がくずれることで発生します。

坂道発進のときアクセルを踏みすぎてしまう│AT車

峠道で渋滞している

オートマチック車(AT車)においてアクセルを踏みすぎてしまう現象は、エンジンのダイレクトな反応に足がついていっていない証拠です。

AT車はクリープ現象によってブレーキを離すだけで前進しようとする力が働きますが 、急な坂道ではその力だけでは足りず、一瞬車が後退することがあります。この「わずかな後退」にあわててしまい、反射的にアクセルをふかく踏みこんでしまうことが、坂道発進を苦手にしてしまうおもな要因です。

具体的なアクセルワークとしては、アクセルを「一気にふむ」のではなく、クリープ現象の力をおぎなうていどの「添えるようなふみこみ」からはじめることが鉄則です。
車体の挙動を足のウラで感じとりながら、必要最小限のパワーをひきだす意識をもちましょう。

急な坂道発進はオートマ車でどうすればいいですか?
坂道発進はオートマではBポジションがいい?
坂道発進するときのオートマ車の手順は?
AT車で坂道発進するときのクリープ現象の活用
AT車で坂道発進するときアクセルワークの注意
坂道発進のときアクセルを踏みすぎてしまう│総括

急な坂道発進はオートマ車でどうすればいいですか?

オートマチック車(AT車)で急な坂道をスムーズに発進させるためには、まず適切なギアの選択が不可欠です。

通常、おおくのドライバーは「D(ドライブ)レンジ」のまま走行しますが、勾配が非常に急な坂道では、エンジンにたかい負荷がかかります。このような場面では、チェンジレバーを「L(ロー)レンジ」や「2(セカンド)レンジ」にきりかえることが推奨されます。

低速ギアを使用することで、車はより力づよいパワーを発揮できるようになり、後退のリスクをおさえながら余裕をもって登坂を開始することが可能になります。

つぎに重要となるのが、アクセルワークとブレーキ操作の連携です。AT車特有の性質として、アクセルをふまなくても車がゆっくりとうごきだす「クリープ現象」がありますが、急な坂道ではこの力だけでは重力に負けて車がさがってしまいます。

後退をふせぐためのテクニックとして、ブレーキペダルからアクセルペダルへすばやく足をうごかすことはもちろん、ばあいによっては「左足でブレーキをふみながら、右足でわずかにアクセルを先にふみこむ」というテクニックも有効です。
車が前にすすもうとする挙動を感じた瞬間にブレーキをリリースすることで、急発進や逆行をふせぎ、なめらかなスタートをきることができます。

さらに、アクセルのふみこみ加減にも細心の注意をはらいましょう。後退をおそれるあまりアクセルをつよくふみこみすぎると、車が予期せず急発進したり、とくに雨天時などではタイヤが空転(スピン)して路面との摩擦をうしなったりするリスクが生じます。

逆にふみこみがよわすぎたり、操作がおくれたりすれば、車は後退をはじめてしまいます。つねに車体の挙動を感じとり、クリープ現象を補助するように「じわっと」かつ的確にアクセルをあけていく感覚をやしなうことが、急な坂道を攻略する最大のポイントです。
発進前にはかならずミラーや目視で後方および左右の安全を確保し、おちついて一連の動作をおこなうよう心がけてください。

坂道発進はオートマではBポジションがいい?

ATミッションのLレンジ

一般的なオートマチック車(AT車)において、上り坂での発進時に「Bポジション」を選択することはかならずしも最適解ではありません。

おおくのドライバーが「B(Brake)」をパワーモードのようなものと誤解しがちですが、このポジションの本来の役割は、おもにくだり坂でエンジンブレーキをきかせることにあります。

のぼり坂の発進時にBポジションにいれても、車によっては1速に固定されるため力づよく感じることもあります。しかし、基本的にはくだり坂でのフェード現象(ブレーキの効きがわるくなる現象)をふせぐための安全装置としての側面がつよいのです。

急なのぼり坂でよりおおきな駆動力(トルク)を必要とするばあいには、Bポジションよりも「L(ロー)レンジ」や「2(セカンド)レンジ」を活用するのが正攻法です。これらのギアを選択することで、低速域でたかいエンジン回転数を維持し、重力にまけない強力な登坂性能をひきだすことが可能になります。

また、ハイブリッド車などで通常の上り坂をのぼる際、あえて「Bポジション」を使用しなくても「D(ドライブ)レンジ」のまま、クリープ現象と適切なアクセルワークをくみあわせるだけで十分スムーズに発進できます。

もしDレンジでパワー不足を感じるような激坂をまえにしたとき、「Bポジション」ではなく、トルクに特化した「Lレンジ」や「1速(またはマニュアルモードの1速)」を選択し、確実なトラクションをかくほするようにしましょう。

安全運転の観点からも、のぼり坂では駆動力を、くだり坂ではエンジンブレーキ(Bポジションなど)を、というつかいわけを理解しておくことが重要です。

各ポジションの役割をただしく把握し、「ギアの力」を賢くつかいわけることが、坂道発進克服への第一歩といえるでしょう。

坂道発進するときのオートマ車の手順は?

オートマチック車(AT車)での坂道発進は、MT車にくらべれば操作が簡略化されているものの、安全に車体をうごかすための正確な手順がもとめられます。

まず基本となるのは、坂道で停車した際にブレーキペダルを力づよくふみこみ、車両を完全に固定することです。
実際の発進動作にうつる際は、まず周囲の安全をミラーと目視で徹底的に確認してください。つぎに、ブレーキペダルからアクセルペダルへ足を素早く、かつ慎重にふみかえます。このふみかえの瞬間にわずかに車が後退することがありますが、あせってアクセルを急激にふみこむのは禁物です。

後退を最小限にするための高度なテクニックとして、ハンドブレーキ(サイドブレーキ)を併用する方法があります。サイドブレーキをひき、完全に車両がとまっていることを確認した状態でアクセルをかるくふみこみ、車が前にすすもうとする手応えを感じてから、サイドブレーキをなめらかに解除します。これにより、ずり下がりを一切おこさずにスムーズな発進が可能となります。

また、発進直後はエンジンの回転数を適切に管理することが重要です 。アクセルをふみすぎて急発進したり、タイヤを空転(スピン)させたりしないよう、車体の挙動を感じとりながら「じわっと」加速させていくのがコツです。

逆にふみこみがよわすぎると、エンジン回転数が不足してふたたび後退するリスクがたかまります。あせらずおちついて操作をおこなうことが、たしかな運転技術の習得と安全運転への第一歩となります。

AT車で坂道発進するときのクリープ現象の活用

ブレーキを踏む足

オートマチック車(AT車)において、坂道発進をスムーズにおこなうための最大の味方は「クリープ現象」です。

クリープ現象とは、アクセルペダルを一切ふまなくても、エンジンがアイドリング状態でギアが走行レンジ(D、2、Lなど)にはいっていれば、車両がじわりとうごきだす特性のことです。

坂道発進の際、この現象をただしく理解し活用することで、精神的な余裕をもって発進操作にのぞむことができます。とくに初心者がおちいりがちな「ブレーキをはなした瞬間に車がさがってしまうのではないか」という恐怖心にたいし、クリープ現象による「前進しようとする力」は心理的なサポートとなります。

具体的な活用法としては、まずブレーキペダルからアクセルペダルへ足を移動させる際、その「一瞬の間」をクリープ現象にまかせるイメージをもつことが重要です。勾配がゆるやかな坂道であれば、クリープ現象の力だけで車がその場にとどまったり、ゆっくりと前進を開始したりするため、あわててアクセルをふみこむ必要はありません。

この特性を利用して、まずは車がわずかに前進しようとする挙動(トルクがタイヤに伝わっている感覚)を感じとりましょう。車がわずかにうごきだすのを確認してから、不足しているパワーをおぎなうようにアクセルをやさしく付けくわえていくのが、もっとも安全でスマートな発進手順です。

注意点として、急な坂道ではクリープ現象の力だけでは車両の重さに勝てず、ブレーキをはなした瞬間に後退してしまうケースがあります。このような激坂においては、ギアを「L(ロー)レンジ」にいれることでクリープ現象のトルクをより強力にひきだしたり、サイドブレーキを併用して後退を遮断したりする工夫が必要です。

クリープ現象は万能ではありませんが、車の「みずから進もうとする性質」を信じて、アクセル操作の始動をワンテンポおくらせるくらいのおちつきをもつことが、AT車における坂道発進克服のおおきなカギとなります。

AT車で坂道発進するときアクセルワークの注意

アクセルを踏む足

オートマチック車(AT車)の坂道発進で神経を使うべきポイントは、アクセルワークのさじ加減です。

AT車はMT車に比べてエンストのリスクこそひくいものの、アクセルのふみこみ加減一つで車両の安定性がおおきく左右されます。上り坂では重力の影響で平地よりもエンジンにおおきな負荷がかかり、いつもよりおおめのパワーが必要になります。ここで「後退への恐怖」からアクセルを一気にふみこみすぎてしまうのが初心者にありがちな失敗パターンです。

アクセルをつよくふみこみすぎると、車が予期せぬ勢いでとびだす「急発進」をまねき、車両のコントロールを失うリスクが生じます。
逆に、慎重になりすぎてアクセルのふみこみがよわすぎたり、ふみはじめるタイミングが遅れたりすることもさけるべきです。

坂道発進時のアクセルワークの基本は、車体の挙動を感じとりながら「じわっと」ふみこみ、不足しているパワーを正確におぎなっていく感覚をやしなうことにあります。

さらに、急な坂道では「アクセルのふみはじめ」と「ブレーキのリリース」の同期が重要です。ブレーキから足をはなす直前に、スムーズに移行できるよう準備しておきましょう。

発進前にはかならず目視やミラーで後方と左右の安全を確保したうえで、車が進みはじめる最小限のアクセル量を見極める練習をかさねてください。

坂道発進のときアクセルを踏みすぎてしまう│総括

坂道発進をスムーズにこなすカギは、力ずくの操作ではなく、重力と対話するような繊細なバランス感覚にあります。

ついついアクセルを踏みすぎてしまうのは、あなたが安全に発進しようと一生懸命になっている証拠でもあります。
少しの知識とコツがあれば、その力みはすぐに解消されます。

坂道発進を克服できれば、平地での運転はおどろくほど楽になり、あなたのドライバーとしてのレベルは確実に一段階ひきあげられます。
あせらず、楽しみながら練習をつづけていきましょう。

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