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知っておきたい!エンジンオイル温度限界のリスクと対策ポイント

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水温計のメーターが上限を指している

エンジンオイルの性能を最大限に発揮させるためには、温度の管理が非常に重要です。

エンジンが稼働する中でオイルは熱を受け、その温度が限界を超えると潤滑性能の低下や劣化が進みます。

そこで本記事では、エンジンオイルの適切な温度範囲や温度限界で起こる現象、そして油温管理のポイントについて詳しく解説し、安心してエンジンを守るための知識をお伝えします。

記事のポイント

エンジンオイルの適正温度は80~100℃が理想的であり性能維持に重要
油温が120℃を超えると、オイル劣化やエンジンへのリスクも
油温100℃は正常範囲であり、乳化防止にも役立つため問題ない
ディーゼル車は、特に油温管理が重要で専用オイルと冷却系点検を
油温を下げるには冷却系整備、運転見直し、高性能オイルの使用を

エンジンオイル温度限界のリスク

エンジンに新品オイルを注入する整備士

エンジンオイルがオーバーヒートする温度は?
車の油温が100度は問題ですか?
エンジンオイルの適切な温度範囲は?
油温を下げる方法は?

「油温が何度になったらアウト」という明確な線引きはありませんが、一般的には80℃~100℃が最適な温度範囲です。
120℃を超えると要注意と考えて良いでしょう。
高速走行時など一時的に110℃程度になる場合は問題ありませんが、継続的に高温の状態が続くのは避けるべきです。

エンジンオイルがオーバーヒートする温度は?

エンジンオイルがオーバーヒートする温度の目安は、一般的に120℃を超えたあたりからオイルの劣化が始まり、本来の潤滑性能が低下し始めるとされています。
エンジンオイルは90℃程度が適温とされますが、120℃以下であればまだ問題ない範囲です。
しかし、120℃を超えると添加剤の成分分解が進み、潤滑能力の低下や油膜切れが起こりやすくなります。

また、オイル温度が高すぎると、エンジン内部での摩擦熱が高まります。
エンジンオイルは冷却作用もあるため、オイルの量不足や潤滑システムの不具合があるとオーバーヒートしやすくなります。
逆にオイルを入れすぎることもクランクシャフトに余計な負荷がかかり、オイル加熱やオーバーヒートの原因となるため注意が必要です。

以上のことから、「エンジンオイルがオーバーヒートする温度」は、約120℃がひとつの注意ポイントになります。
それを超えるとオイルの性能低下や、エンジンのリスクが高まるため、時間を置かずにオイル状態のチェックや交換を行うことが重要です。

車の油温が100度は問題ですか?

車の油温が100度という温度自体は、現代の車であれば特に問題ない範囲とされています。
エンジンオイルの適正温度は通常90度前後が理想ですが、エンジンオイルメーカーは120度程度まで品質を維持できるよう設計しており、100度はその範囲内です。

むしろ油温が100度以上になることで、エンジンオイル内に混入している水分が蒸発し、乳化(オイルが水分と混ざってドレッシングのようになる状態)を防げるため、オイルの劣化やエンジン保護性能の低下を防ぐ働きがあります。
また、油温が一時的に100℃を超えたとしても、それがエンジン自身の設計許容範囲内である限り、大きな懸念はありません。
しかし、油温が持続的に高温域に留まる場合や、急激に温度上昇を繰り返すような状況は注意が必要です。
これはオイルの劣化やエンジンの構造的な問題を示している可能性があるため、早期の点検と対応が重要です。

エンジンオイルの適切な温度範囲は?

一般的に、エンジンオイルの適切な温度範囲は80℃から100℃とされています。
この範囲でオイルは最適な粘度を持ち、エンジン内部の摩擦を効率よく低減します。
適切な潤滑により、エンジンの各部品が円滑に動作し、摩耗を抑制します。

この温度範囲内では、オイルはまた熱を効果的に吸収し、エンジン全体の冷却を補助します。
さらに、オイル内の添加剤が効果的に働くため、酸化や汚れの蓄積を抑えると言われています。

しかし、80℃未満ではオイルの粘度が高くなりすぎ、潤滑の効力が落ちる可能性があります。
一方で、100℃を超えると粘度が低下しすぎ、エンジン保護性能が低下します。
したがって、定期的な車両のメンテナンスとエンジンオイルの交換に加え、エンジン油温の監視も重要です。

油温を下げる方法は?

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エンジンオイルの温度が高すぎる場合、エンジンの性能や寿命に悪影響を及ぼす可能性があります。
油温を効果的に下げる方法をいくつか紹介します。

  1. 冷却システムのメンテナンス
    定期的なラジエーターや冷却ファンの点検、クーラントの交換は、エンジン全体の冷却効率を向上させます。
    これにより、オイル温度も安定させることができます。
  2. 運転スタイルの見直し
    急加速や高回転での長時間の運転を避けることで、エンジン負荷を減少させ、油温の上昇を抑えられます。
  3. 適切なエアフローの確保
    車のフロント部分に適切なエアフローを確保することで、エンジンの冷却性能を向上させることができます。
    これには、エアロダイナミクスの改善や不要な遮蔽物の除去が含まれます。
  4. 高性能オイルの使用
    高性能オイルは、高温下でも安定した性能を発揮するように設計されています。
    通常よりも高価ですが、油温上昇が気になる場合は検討してみましょう。
  5. エンジンオイルクーラーの設置
    スポーツ走行など、エンジンに高負荷をかけることが多い場合は、オイルクーラーを増設することで油温を安定させることができます。
    オイルクーラーはオイルを循環させる過程で冷却し、その結果エンジン全体を冷却します。

エンジンオイル温度限界のリスク│ディーゼル車、水温管理

エンジンオイルを下抜きで排出する

ディーゼルエンジンオイルの温度は?
冷却水(水温)の「適温」とは?
水温安定の鍵:サーモスタットの働きと構造
効率的な水温冷却術:ラジエーターと効果的な空気の流れ
総括│エンジンオイル温度限界のリスク

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンでは違いがあるものの、適切なオイルと水温管理を確保することが不可欠です。
サーモスタットとラジエーターの機能や空気の流れを最適化することで、エンジンの安定したパフォーマンスを維持します。

ディーゼルエンジンオイルの温度は?

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べて、燃焼温度が高く、より過酷な環境で使用されるため、エンジンオイルにも高い性能が求められます。
そのため、ディーゼルエンジンオイルの温度管理は、エンジンの寿命と性能維持に非常に重要です。

ディーゼルエンジンオイルの適切な温度範囲は、ガソリンエンジンとほぼ同じで、80℃~100℃が理想的です。
この温度帯では、オイルの粘度が最適化され、エンジン内部の潤滑、冷却、密封、洗浄といった機能を効率的に行うことができます。

しかし、ディーゼルエンジンは高負荷運転が多いことから、油温が上がりやすい傾向にあります。
110℃程度までは多くのディーゼルエンジンオイルで問題なく性能を発揮できますが、120℃を超えると注意が必要です。
継続的な高温状態はオイルの酸化劣化を促進し、スラッジの発生や油膜切れを引き起こすこともあります。

特に、ターボチャージャー付きのディーゼルエンジンは、ターボの回転によって発生する高温の影響も受けるため、より油温管理に気を配る必要があります。

ディーゼルエンジンオイルの温度管理で重要なポイントは下記の通りです。

  • 定期的なオイル&オイルフィルター交換
    ディーゼルエンジンはススなどの汚れが発生しやすいため、定期的なオイル交換が重要です。
    オイルフィルターも同時に交換することで、オイルの清浄性を保ち、油温上昇を抑えることができます。
  • ディーゼル車専用オイルの使用
    ディーゼルエンジンオイルは、ガソリンエンジンオイルと比べて、すすによる汚れや酸化劣化に強い添加剤が配合されています。
    必ずディーゼル車専用のオイルを使用しましょう。
    取扱説明書に推奨されているオイル粘度グレードを守ることが大切です。
  • 冷却系の点検
    ラジエーター、冷却ファン、サーモスタット、ウォーターポンプなどの冷却系部品の点検を行い、正常に機能しているか確認しましょう。
    冷却系の不具合は、油温上昇の大きな原因となります。
  • 負荷の少ない運転を心がける
    急加速や急ブレーキを避け、スムーズな運転を心がけることで、エンジンへの負荷を軽減し、油温上昇を抑えることができます。

ディーゼルエンジンは頑丈で長寿命と言われていますが、適切なオイル管理なしにその性能を維持することはできません。
油温計がない車両も多いですが、冷却水の温度計を常に確認し、異常がないか注意しましょう。

冷却水(水温)の「適温」とは?

故障した車を車載車に積み込む

エンジンオイルの温度管理と並んで重要なのが、冷却水の温度管理です。
冷却水はエンジンを冷却し、最適な温度で稼働させるために不可欠な役割を果たしています。
では、冷却水の適温とは何度くらいなのでしょうか?

一般的に、冷却水の適温は80℃~95℃と言われています。
この温度範囲内であれば、エンジンは効率よく燃焼し、出力や燃費の向上に繋がります。

水温計の針が中央付近にあれば、適温で冷却水が循環していると考えて良いでしょう。
ただし、車種やエンジン、外気温などによって多少の変動はあります。

■水温が低すぎる場合
水温が低すぎると、燃料の燃焼効率が悪くなり、燃費が悪化したり、排気ガスが増加したりする可能性があります。
また、エンジン内部に結露が発生しやすくなります。
特に冬場など、外気温が低い時期は水温が上がりづらく、オーバークール気味になる場合があるので注意が必要です。

■水温が高すぎる場合
水温が高すぎると、オーバーヒートにつながります。
水温計の針が上がり始めたら、すぐに車を安全な場所に停止させ、エンジンを冷ます必要があります。

■水温を適切に保つためには

  • 冷却水の量をチェック
    冷却水は、時間とともに減少していくため、定期的に量をチェックし、必要に応じて補充しましょう。
  • ラジエーターの点検
    ラジエーターフィンにゴミや虫などが詰まっていると、冷却効率が低下します。
    定期的に清掃を行いましょう。
  • サーモスタット、ウォーターポンプの点検
    これらの部品が正常に作動しないと、冷却水が適切に循環せず、水温が不安定になる可能性があります。
  • 冷却ファンの点検
    冷却ファンが正常に作動しているか確認しましょう。

水温安定の鍵:サーモスタットの働きと構造

新品のサーモスタット

冷却水の温度管理で重要な役割を担っているのが、サーモスタットです。
一見地味な部品ですが、エンジンの安定稼働に欠かせない、縁の下の力持ち的な存在なのです。

サーモスタットの働き

サーモスタットは、冷却水の温度に応じて開閉するバルブのようなものです。
エンジンが冷えている時はバルブを閉じ、冷却水がエンジン内部を循環しないようにすることで、エンジンの暖機を促進します。
逆に、エンジンが温まってくるとバルブを開き、冷却水がラジエーターへと流れ、エンジンを冷却します。

つまり、サーモスタットは冷却水の温度を常に最適な範囲に保つ、いわば「水温の自動調整弁」と言えるでしょう。

サーモスタットの構造

サーモスタットの内部には、温度変化に反応する特殊なワックスが封入されています。
エンジンが冷えている時はワックスが固体でバルブを閉じている状態です。
エンジンが温まり、冷却水の温度が上がってくると、ワックスが溶けて膨張し、バルブを押し開きます。
この仕組みによって、冷却水の循環を制御しているのです。

サーモスタットの不具合で起こること

サーモスタットが故障すると、以下の様な問題が発生する可能性があります。

  • バルブが開きっぱなし
    エンジンが温まりにくくなり、燃費が悪化したり、暖房の効きが悪くなったりします。
    また、オーバークールによりエンジン内部に結露が発生し、錆や腐食の原因となる可能性も。
  • バルブが閉じっぱなし
    冷却水が循環しなくなり、オーバーヒートにつながります。
  • バルブの開閉が不完全
    水温が不安定になり、エンジンのパフォーマンスが低下する可能性があります。

サーモスタットの交換時期

サーモスタットは消耗品であり、経年劣化によって正常に機能しなくなる可能性があります。
一般的には、2~3年または4万~5万km毎の交換が推奨されています。

効率的な水温冷却術:ラジエーターと効果的な空気の流れ

ラジエーターは、エンジンの熱を散逸させる中心的な役割を担っています。
エンジンからラジエーターに流れ込んだ冷却水は、フィンとチューブの複雑な構造を通過することで空気に熱を放散し、冷却されます。
実際には83℃ほどで戻ってきた冷却水の温度を、3℃程度下げるだけで十分な効果があります。
その後、再びエンジンに戻ることで、エンジン全体を冷却します。

しかし、ラジエーターの効果を最大限に引き出すには、十分な空気の流れが必要です。
車両の設計や走行中の速度によって、空気がラジエーターに効率的に取り込まれることが促進されます。
また、電動ファンやベルト駆動ファンも、低速や停止中の状況で強制的に空気を送り込み、冷却を補助します。

効果的な空気の流れを確保するためには、ラジエーターの前の障害物を除去し、通気性を良くしておくことが大切です。
また、ラジエーター本体やフィンに汚れや詰まりがないよう、定期的な清掃と点検が必要です。

これらの対策を取ることで、ラジエーターと空気の流れが最適に機能し、エンジンの水温が安定します。
長期的なエンジンの健康維持と、車両性能の最大化に繋がります。

総括│エンジンオイル温度限界のリスク

エンジンオイルの温度管理は、エンジンの性能維持と寿命延長に非常に重要です。

適正な油温はおおむね90℃前後で、120℃まではオイルの性能が維持されるとされています。
低すぎる油温ではオイルと水分が混ざって乳化し、潤滑性能が下がるため注意が必要です。
一方で120℃を超えるとオイルの劣化が加速するため、早めのオイル交換や冷却対策が必要になります。

油温は水温と密接に関連し、水温が上がると油温も上昇するため、冷却系統の点検やオイルクーラーの活用、適切な運転方法も大切です。

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