ドライブの途中でガス欠…
そんなドライバーの不安を解消してくれるのが携行缶ですが、ガソリンスタンドで携行缶は貸し出ししてもらえるのでしょうか?
京都放火事件以降、ガソリンスタンドでのガソリンの取り扱いは、安全面の観点から特に厳格に管理されています。
そのため、携行缶の貸し出しについては、多くのスタンドで非対応の姿勢です。
しかし、ガソリンスタンドによって対応できるところも存在するため、事前に確認しておくことが肝心です。
この記事では、ガソリンスタンドにおける携行缶の貸し出しについて解説します。
記事のポイント
京都放火事件以降、ガソリンスタンドでのガソリンの取り扱いは、特に厳格になっている
ほとんどのガソリンスタンドでは、携行缶へのガソリン給油を断られる
フルサービスのガソリンスタンドでは、携行缶への給油をやってくれるところもある
携行缶を借りる場合は、免許証の提示と補償金が必要
ガソリンの携行缶給油は、本人確認と使用目的の確認が義務付けられている
目 次
ガソリンスタンドで携行缶は貸し出してくれる?

ほとんどのガソリンスタンドで、携行缶へのガソリン給油は断わられます。
これは京都放火事件以降、ガソリンの管理意識が格段に高まったためです。
ガス欠のときガソリンスタンドで携行缶に入れてくれますか?
ガス欠、ドライバーなら誰もが避けたいトラブルです。
高速道路上や人里離れた場所で発生すると、非常に厄介な状況に陥ってしまいます。
そんな時、頭に浮かぶのは近くのガソリンスタンドに駆け込んで、携行缶にガソリンを入れてもらうことではないでしょうか。
しかし、現実はそれほど簡単ではありません。
結論から言うと、ほとんどのガソリンスタンドでは、携行缶へのガソリン給油を断られます。
これは、消防法で定められた危険物取扱いの規定によるものです。
ガソリンは揮発性が高く、引火しやすい危険物です。
携行缶への給油は、ガソリンの漏洩や、静電気による引火などのリスクが高いため、厳格な安全管理が求められます。
セルフサービスのガソリンスタンドでは、従業員が常時監視できない状況での携行缶への給油は、安全確保の観点から特に困難です。
また、万が一、携行缶に給油したガソリンが原因で事故が発生した場合、ガソリンスタンドの責任が問われる可能性があります。
そのため、多くのガソリンスタンドでは、リスク回避のために携行缶への給油を禁止しているのです。
では、ガス欠になったらどうすれば良いのでしょうか?
- JAFなどのロードサービスを呼ぶ
ガス欠対応サービスを提供しているロードサービスに連絡するのが最も確実な方法です。
少量のガソリンを届けてもらい、最寄りのガソリンスタンドまで運転することが可能です。 - ガソリンスタンドに相談する
基本的に、ガソリンスタンドでは携行缶への給油は可能ですが、貸し出しや給油できる時間が限定されており、また店舗ごとにルールが異なります。
特にセルフサービスのスタンドでは、携行缶の貸し出しや給油は営業時間内、例えば10時~19時の間に限られるケースが多いです。
深夜や早朝は貸し出し不可の店がほとんどで、安全面や従業員の人数の関係から制限されています。
ごく稀に、携行缶への給油に対応してくれるガソリンスタンドもあります。
ただし、安全上の理由から、携行缶の材質や状態によっては断られる場合もあります。
事前に電話で確認することをお勧めします。
セルフスタンドで携行缶に給油できますか?

セルフ式のガソリンスタンドは、人件費を抑え、比較的安価に給油できるため、多くのドライバーに利用されています。
では、セルフスタンドで携行缶にガソリンを入れることはできるのでしょうか?
現実は、セルフスタンドで携行缶に給油することは、ほぼ不可能と考えてください。
これは、フルサービスのガソリンスタンド以上に、安全管理上の問題が大きいからです。
セルフスタンドでは、従業員が常時すべての給油状況を監視することはできません。
そのため、携行缶への給油中にガソリンが漏れたり、静電気による引火事故が発生した場合、迅速な対応が難しく、大きな事故につながる危険性があります。
また、セルフスタンドでは、利用者が危険物取扱者ではないことが前提となっています。
そのため、携行缶への給油という作業を、一般のドライバーに許可することは、安全管理上、非常にリスクが高いと言えます。
どうしても携行缶にガソリンが必要な場合はどうすれば良いのでしょうか?
セルフスタンドでの携行缶への給油は諦め、以下の方法を検討してください。
- フルサービスのガソリンスタンドに相談する
セルフスタンドに比べて、従業員が常駐しているフルサービスのガソリンスタンドの方が、携行缶への給油に対応してくれる可能性は高くなります。
ただし、前述の通り、多くのガソリンスタンドでは携行缶への給油を断られるため、事前に電話で確認し、携行缶の材質や状態を伝えることが重要です。
JAF会員証の提示についても併せて確認してみましょう。 - ホームセンターなどで金属製の携行缶を購入し、ガソリンスタンドで給油してもらう。
あらかじめ適切な金属製携行缶を用意しておき、必要に応じてガソリンスタンドで給油してもらう方法もあります。
ただし、この場合も、ガソリンスタンドに事前に確認が必要です。

ガス欠したとき携行缶のレンタルはできますか?
ガス欠してしまった!
そんな緊急時に、「ガソリンスタンドで携行缶をレンタルできれば…」と考えるドライバーも多いでしょう。
しかし、残念ながらガソリンスタンドで携行缶をレンタルできることは、ほぼありません。
理由はいくつかあります。
- 安全管理の難しさ
ガソリンスタンドは、危険物であるガソリンを扱うため、厳格な安全管理が求められています。
レンタルの場合、携行缶の状態や使用方法をガソリンスタンド側で完全に管理することは難しく、万が一事故が発生した場合、責任の所在が曖昧になる可能性があります。 - 携行缶のメンテナンス
繰り返し使用されるレンタル用の携行缶は、適切なメンテナンスが必要です。
パッキンの劣化や缶本体の損傷など、小さな不備が見落とされれば、ガソリン漏れや事故につながる危険性があります。
すべてのレンタル用携行缶を常に完璧な状態で維持管理するのは、ガソリンスタンドにとって大きな負担となります。 - 需要の少なさ
ガス欠はドライバーにとって緊急事態ですが、発生頻度はそれほど高くありません。
そのため、携行缶レンタルの需要は限られており、専用の設備や人員を配置するコストに見合わないと判断するガソリンスタンドがほとんどです。
ガソリンスタンドで携行缶は貸し出してくれる?│対処法や消防法

携行缶へ給油できるスタンドは、セルフサービス店よりもフルサービス店が一般的です。
法律による使用目的の確認や、記録作成が義務付けられます。
また、携行缶の貸し出しには、身分証明書の提示と補償金が必要です。
携行缶に給油してもらえるスタンドが見つかったら
- 携行缶購入・給油時の本人確認と販売記録
ガソリンを携行缶に給油してもらえるスタンドが見つかった場合、本人確認と使用目的の確認が義務付けられており、店舗側は販売記録の作成が必要です。
身分証明書の提示(運転免許証など顔写真付きのものが一般的)が求められることが多く、支払い方法も本人確認の一環としてクレジットカードのみの店舗もあります。
携行缶を購入する、または借りる場合は、免許証の提示と補償金(例えば3000円デポジット)が必要です。 - 運搬時の注意
他の車でガス欠した車まで携行缶を運搬する際は、倒れないようにしっかりと固定しましょう。 - ガソリン携行缶を使った給油手順
応急処置としてガソリン携行缶で給油する際は、まず携行缶のノズルをセットし、車の給油口を開けてキャップを取り外します。
携行缶を持ち上げてノズルを給油口に差し込み給油しますが、この時エア抜きコックを徐々に開けると空気が抜けやすくなり給油しやすくなります。
給油が終わったら、キャップと給油口を閉めます。 - 給油後のエンジン始動について
一度ガス欠を起こすと、ガソリンがエンジンに送られる燃料ポンプやインジェクターまでの燃料通路が空になっているため、給油してもすぐにエンジンは始動しません。
燃料通路にガソリンが満たされるまで、長くクランキング(スターターを回す)する必要があります。
ガソリン携帯缶は違法ですか?

携行缶へのガソリン給油に関して様々な制約があるため、「そもそもガソリン携行缶を持つこと自体が違法なのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ガソリン携行缶を所有すること自体は違法ではありませんが、保管方法や使用用途によっては、消防法などの法律に抵触する可能性があります。
ガソリンは消防法で危険物第4類に指定されており、その運搬や貯蔵には規定があります。
携行缶自体が違法なのではなく、規定に適合しない携行缶の使用や、規定量以上のガソリンの貯蔵が違法となるのです。
具体的には、以下の点に注意が必要です。
- 携行缶の材質と規格
消防法に適合した、金属製または樹脂製の携行缶を使用する必要があります。
適合しない容器(例えば、ペットボトルやガラス瓶)にガソリンを保管することは非常に危険であり、違法です。
金属製携行缶の場合、赤い塗装と「危険物」の表示、UN規格(国連勧告)の表示が必要です。 - ガソリンの貯蔵量
消防法では、一般家庭でガソリンを貯蔵できる量に制限があります。
ガソリンの場合は40リットルを超えてガソリンを貯蔵することは、スペースの確保や、建築物の設備といった制限があるので、注意が必要です。 - 保管場所
直射日光の当たる場所や高温になる場所、火気の近くなど、危険な場所に携行缶を保管することは避けるべきです。
また、子供の手の届かない場所に保管することも重要です。
【携行缶を使用する際の注意点】
- 定期的な点検
携行缶は経年劣化により、錆や亀裂が生じる可能性があります。
定期的に点検し、異常があれば使用を中止し、新しい携行缶に交換しましょう。
ガス欠を避けるための予防策と車両への影響

- 定期的な燃料残量の確認と経路計画の重要性
ガス欠を防ぐには、常にガソリンの残量を適切にチェックすることが不可欠です。
特に長距離運転や山道走行の際は、出発前に十分な燃料があるか確認し、ドライブルート上のガソリンスタンドの位置を事前に調べておくことが大切です。
山道などでは長距離にわたりガソリンスタンドがない区間もあるため、最終のガソリンスタンドの位置を把握しておくことでガス欠を回避できます。 - ガス欠が車両部品に与える悪影響
ガス欠は単に車が動かなくなるだけでなく、繰り返すことで車両に深刻なダメージを与える可能性があります。
ガソリンがない状態でエンジンを空回しすることは、燃料ポンプやバッテリーなどの部品を損傷させる原因となります。
ガソリンが不足した状態で無理にエンジンを動かしたり、ガソリン補充後も燃料がエンジンに届くまでの空回しを繰り返したりすると、これらの部品の寿命が短くなり、通常の寿命よりも早く交換が必要になる場合があります。 - エンプティランプ点灯時の対応
「エンプティランプが点灯してから何キロ走れるか」という話はよく聞かれますが、車種や燃費、走行状況によって異なるため、安易に判断することは非常に危険です。
例えば、車体が傾いている場合、燃料タンクの吸い口からガソリンを吸えずに想定より早くガス欠になることもあります。
エンプティランプが点灯した際は、「まだ大丈夫」と考えるのではなく、すぐに最寄りのガソリンスタンドを探して給油することが重要です。
総括│ガソリンスタンドで携行缶は貸し出してくれる?
ガソリンスタンドでの携行缶の貸し出しに関しては、原則としてほとんどのスタンドが貸し出しを行っていません。
安全性や規制の観点から、携行缶は利用者自身が用意する必要があります。
ただし、具体的なルールは地域や店舗によって異なる場合があるため、事前に確認することをお勧めします。
安全に取り扱うためのポイントや、代替案についても考慮しておきましょう。
ガソリンスタンドで携行缶の貸し出しは、基本的に行われていません。
消防法により、ガソリンの販売には厳しいルールがあり、身元確認や使用目的の確認が義務付けられています。
そのため、持ち込みの携行缶への給油も、これらの確認が済んだ場合に限られます。
もしガソリンが必要で携行缶をお持ちでない場合は、スタンドによっては販売している場合もあります。
ガソリンの取り扱いには危険が伴うため、法令を遵守し、安全に留意しましょう。