メンテナンス

エンジンオイルの粘度は夏と冬でどう選ぶ?知っておきたい「硬さ」の知識

*本ページはプロモーションが含まれています       

エンジンの前でオイルを垂らして粘度を見ている

車のコンディションを左右するエンジンオイル。かつては、気温の変化に合わせてオイルの種類を使い分けるのが一般的でしたが、近年のオイル性能向上により「本当に夏と冬で使い分ける必要があるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。

日本の厳しい夏場や氷点下の冬、それぞれの環境下でエンジンオイルが果たす役割を正しく理解することは、愛車を長持ちさせるだけでなく、燃費向上にも繋がります。

今回は、季節ごとの粘度選びの基準や、交換の必要性について詳しく解説します。

記事のポイント

現代のマルチグレードオイルは年間を通して使用可能
冬は「W」前の数値が小さいオイルで始動性を高める
寒冷地の短距離走行は「乳化」や「希釈」に注意が必要
夏や過酷な走行条件では、高温粘度の高いオイルが保護に有利
季節ごとの使い分けより、定期的な点検と交換が最も重要

エンジンオイルは夏と冬は変えるべき?

大手カーショップのオイルコーナーでオイルを選ぶ男

現在の主流は「マルチグレード」と呼ばれるオイルで、外気温に左右されず幅広い温度域で性能を発揮できるよう設計されているため、年間を通して同じ粘度のオイルを使用しても問題ありません。
しかし、過酷な環境下では使い分けが有効なケースもあります。

エンジンオイルは季節によって交換するものですか?
冬のエンジンオイルの硬さは?
エンジンオイルの冬のおすすめは?
エンジンオイルは寒いと固まる?
冬にエンジンオイルが減る原因は?

エンジンオイルは季節によって交換するものですか?

現在の日本において、季節が変わるたびに必ずオイルの種類を変える必要はほとんどありません。かつてのエンジンオイルは、温度変化に弱く、冬はサラサラの低粘度、夏はドロドロの高粘度と使い分けるのが一般的でした。しかし、現在のオイルは「マルチグレード」と呼ばれ、冬の低温時から夏の高温時まで幅広く対応できるよう設計されています。

ただし、走行距離や期間による定期的な交換は必須です。適切なメンテナンスが車両の安全と環境性能の維持に不可欠であり、シビアコンディション(極端な寒冷地での短距離走行や、夏の渋滞など)で車を使用する場合は、季節の変わり目に合わせて点検・交換を行うことで、エンジンのコンディションをより最適に保つことができます。

冬のエンジンオイルの硬さは?

0w-20、0w-40のオイルボトル

冬場に重要となるのは、オイル缶に記載された「0W-20」などの数値のうち、左側の「0W」の部分です。「W」はWinter(冬)を意味し、この数字が小さいほど、低温時でもオイルが硬くならず、サラサラした状態を保てることを示しています。

冬の冷え切ったエンジン内部では、オイルが蜂蜜のようにドロドロに固まりやすくなります。オイルが硬すぎると、始動時にエンジン各部へオイルが行き渡るのに時間がかかり、金属同士が擦れて摩耗する原因になります。そのため、氷点下になるような地域では「0W」や「5W」といった、低温流動性に優れたオイルが推奨されます。これにより、マイナス数十度の環境でもスムーズなエンジン始動が可能となります。

エンジンオイルの冬のおすすめは?

0w-20と5w-40のオイルの粘度の見比べ

冬場におすすめなのは、自動車メーカーが指定する粘度範囲の中で、左側の数値(低温粘度)が低いオイルです。例えば、メーカー指定が「5W-30」であれば、「0W-30」を選択することで、より冬場の始動性が向上し、燃費の悪化を抑えることができます。

特にハイブリッド車やアイドリングストップ車は、エンジンの停止と再始動を繰り返すため、低温でもすぐに潤滑を始める「0W-16」や「0W-20」といった超低粘度オイルが指定されていることが多いです。ご自身の車の指定粘度は、車に備え付けの取扱説明書で確認できます。冬の燃費低下が気になる方は、低フリクションな低粘度オイルを選んでみてください。

エンジンオイルは寒いと固まる?

エンジンオイルは、厳密にはカチカチに凍るわけではありませんが、温度が下がるにつれて粘度が増し、非常に「硬く」なります。これを「低温流動性の低下」と呼びます。オイルが硬くなると、エンジンを始動させるスターターモーターの負荷が大きくなり、バッテリー上がりを起こしやすくなるという悪影響もあります。

また、冬場はエンジン内部と外気の温度差により結露が発生しやすく、オイルに水分が混ざる「乳化」という現象が起きることがあります。オイルキャップの裏に白いマヨネーズ状の付着物がある場合は注意が必要です。こうしたトラブルを防ぐためにも、冬場であっても時々は中長距離を走行し、エンジン温度をしっかり上げて水分を飛ばすことが、オイルの寿命を延ばすコツとなります。

冬にエンジンオイルが減る原因は?

冬にオイルが減る主な原因の一つに「オイル下がり」があります。エンジンが冷え切っている状態では、金属部品がわずかに収縮しており、バルブシールなどのゴム部品も硬くなっています。この隙間からオイルが燃焼室に入り込み、ガソリンと一緒に燃えてしまうのです。

また、寒冷地での短距離走行を繰り返すと、エンジンが温まりきらずに未燃焼のガソリンがオイルに混ざり、一見するとオイル量が増えたように見える「希釈」が起こることもあります。その後、長距離走行で混入したガソリンが蒸発すると、急にオイルが減ったように感じることがあります。日常点検の一環として、オイルレベルゲージでのこまめな確認が推奨されます。

エンジンオイルは夏と冬は変えるべき?│夏場や粘り気の高いオイル

エンジンにオイルポットからオイルを入れる

真夏の渋滞路や長距離の高速走行では、エンジンオイルが熱によってサラサラになりすぎ、金属表面を保護する「油膜」が薄くなるリスクがあります。
スポーツ走行を楽しむ方や、重い荷物を積む機会が多い方は、夏場に合わせて少し硬めのオイルを選ぶのがおすすめです。

エンジンオイルの夏の粘度について
エンジンオイル0W-20は夏でも大丈夫?
5W-30と5W-40のエンジンオイルのどちらがよいですか?
エンジンオイルは夏と冬は変えるべき?│総括

エンジンオイルの夏の粘度について

夏のエンジンオイル管理で注目すべきは、右側の数値(高温粘度)です。例えば「5W-30」の「30」の部分です。夏場は外気温が高いうえ、渋滞やエアコンの使用でエンジンルームが酷熱状態になります。オイルは熱くなると水のようにシャバシャバになる性質があるため、あまりに粘度が低いと、金属表面を守る「油膜」が切れてしまう恐れがあります。

そのため、スポーツ走行をする場合や重い荷物を積んで坂道を登るような状況では、右側の数値が高い(例:40や50)オイルを使用することで、過酷な熱環境下でもしっかりエンジンを保護できます。一方で、最近のエコカーは内部の隙間が極めて狭く設計されているため、夏場であってもメーカー指定の低粘度オイルを使用することが、最も効率的かつ安全であるとされています。

エンジンオイル0W-20は夏でも大丈夫?

0w-20と5w-40のオイルボトル

「0W-20のようなサラサラしたオイルは、夏の暑さで油膜切れを起こさないか?」という不安を抱く方は多いですが、結論から言えば、メーカー指定が0W-20であれば夏でも全く問題ありません。近年のエンジンは加工精度が非常に高く、低粘度オイルでも十分な潤滑性能が発揮できるよう設計されています。

ただし、10万キロを超える多走行車や、空冷エンジンの旧車などの場合は注意が必要です。部品の摩耗により隙間が広がっている場合、0W-20では油膜保持が不十分になり、異音やオイル消費の原因になることがあります。自分の車の状態に合わせて、夏場だけ少し粘度の高い「5W-30」に上げるといった調整は、エンジンの静粛性や保護の観点から有効な手段となります。

5W-30と5W-40のエンジンオイルのどちらがよいですか?

ボンネットを開けてエンジンオイルを入れる整備士

この二つの違いは「高温時の粘り強さ」です。「5W-40」の方が熱に強く、過酷な状況でもエンジンの金属部分を強力に守ります。一方、「5W-30」は粘り気が少ない分、エンジンの回転抵抗が小さくなり、燃費が良くなる傾向があります。

どちらが良いかは、車の使い方次第です。街乗りが中心で燃費を重視するなら「5W-30」が適しています。逆に、高速道路を頻繁に利用する、山道をよく走る、あるいは走行距離が伸びてエンジン音が大きくなってきたと感じる場合は、「5W-40」を選ぶと保護性能が高まり、エンジンの振動やノイズが抑えられるメリットがあります。オイル選びに迷った際は、APIマーク等を参考にしつつ、自身の走行スタイルに合わせて選択しましょう。

エンジンオイルは夏と冬は変えるべき?│総括

エンジンオイルは、車の心臓部を守る重要な血液のような存在です。

技術の進歩により、基本的には「夏と冬で必ずしも銘柄を変える必要はない」時代になりましたが、気温の極端な変化はオイルの劣化や性能に影響を与えます。
特に「冬の始動性」や「夏の保護性能」を重視したい場合は、それぞれの季節の特性に合わせた粘度調整を検討してみるのも良いでしょう。

何よりも大切なのは、季節の変わり目にオイルの量や汚れを点検し、メーカーの推奨するサイクルで確実に交換することです。

-メンテナンス