車の安全をまもるうえで重要な役割をはたすブレーキ。
その動作状態を後続車につたえるブレーキランプが正常に機能しているかは、安全運転に不可欠です。
しかし、ブレーキペダルをふんでいないにもかかわらず、ブレーキランプがつきっぱなしになっている、というトラブルを経験したことはありませんか?
いっけん、ちいさな問題のようにおもえるかもしれませんが、ブレーキランプがつきっぱなしになっている状態は、後続車の誤認をまねくなどの危険性をたかめます。
また、バッテリーあがりにもつあがりかねない、けっして軽視できない故障なのです。
この記事ではブレーキランプがつきっぱなしになる原因や、そのさいの対処法、修理費用などについて解説していきます。
安全で快適なドライブをまもるためにも、ぜひ最後までお読みください。
記事のポイント
バッテリーあがりの原因になるだけでなく、周囲を誤解させてしまう
もっともおおい原因はストッパーゴムの劣化・損傷
コントロールユニット、ブレーキスイッチの故障、調整不良が原因になることも
修理費用は原因箇所によってもことなり、5,000円~数万円ていど
ブレーキランプつきっぱなしのチェックポイント

ブレーキペダルをふんでいない状態でランプがつきっぱなしになると、交通安全に影響をあたえます。
また、法令違反にもなりえますので、ブレーキランプやランプの故障は、そうきゅうに修理が必要です。
ブレーキランプの役割や、つきっぱなしの原因などについて、解説していきます。
ブレーキランプの基礎知識と役割
ブレーキランプは、車両の安全運転をささえる重要な灯火器です。
その役割をただしく理解することで、あんしんして運転することができます。
【 ブレーキランプの役割 】
- 減速や停止を通知
ブレーキランプは、ドライバーがブレーキペダルをふんださいに点灯します。
これにより、後続車に減速や停止の意図を明確にしらせます。 - 悪天候時の視認性向上
雨やキリなど視界がわるい状況で、ブレーキランプが後方車両に自車の位置とうごきをしめし、追突防止に貢献します。
【 点灯しっぱなしの影響 】
- 誤解をあたえる
常時点灯していると、ブレーキのタイミングが正確につたわらず、後続車両に誤解をあたえる可能性があります。
【 メンテナンスの重要性 】
- 定期的な点検
ブレーキランプが正常に機能するか、定期的に確認することが不可欠です。
球切れや異常があれば早期に対応しましょう。 - 異常時の対応
異常がみられるばあいは迅速に専門家の点検をうけ、安全な状態をいじすることが重要です。
保安基準に定められた仕様と重要性

ブレーキランプは、道路運送車両の保安基準により詳細な仕様がさだめられており、その目的は安全運転の確保にあります。
以下に、その具体的な仕様と重要性について説明します。
【 保安基準による仕様 】
- 配置と数
ブレーキランプは通常、車両の後部に左右対称でとりつけられます。
おおくの車両には、中央にもハイマウントストップランプが設置されています。 - ライトの光度
点灯時の明るさは、後続車からの視認性を確保するために十分な光度がもとめられます。
これは、晴天時や悪天候時をとわず効果的にはたらくよう規定されています。 - 即時応答性
ブレーキペダルをふんだ瞬間にそくざに点灯することがもとめられ、遅延がないよう設計されています。
【 重要性 】
- 交通安全の確保
ブレーキランプは、減速や停止の意図を後続車につたえることで、交通事故の未然防止にきよします。 - 法的遵守
保安基準に適合していないばあいは、整備不良とされ、車検にとおらないこともあります。
適切な整備と点検が必要です。 - 車両の信頼性向上
正常に動作するブレーキランプは、車両の性能と信頼性をたかめ、あんしんして運転できる環境を提供します。 - 過失割合に悪影響
昨今の車はドライブレコーダー装着車が増加しているため、事故時に過失割合に悪影響がでる可能性があります。
ブレーキランプをつけっぱなしにするのは違法ですか?
ブレーキランプは、基本的にはブレーキペダルをふんだときにのみ点灯するよう設計されています。
しかし、これが故障などにより、つきっぱなしになっているとき、法的な問題が発生する可能性があります。
- 道路交通法 第52条(車両等の灯火)
この条文では、夜間における灯火の使用や、状況におうじた適切な灯火の使用についてさだめられています。
ブレーキランプをつけっぱなしにすることで、後続車はブレーキ操作の有無をただしく判断できなくなり、危険性がたかまります。
これは、安全な交通の確保に支障をきたすこういとして、道路交通法違反とみなされる可能性があります。 - 道路運送車両の保安基準
ブレーキランプの性能や、使用方法にかんする具体的な基準がさだめられています。
たとえば、ブレーキペダルをふんださいに確実に点灯すること、ペダルをはなしたさいにすみやかに消灯することなどが規定されています。
ブレーキランプが常時点灯している状態は、この保安基準に適合していない状態であり、整備不良として扱われるリスクがあります。 - 車検不適合
ブレーキランプの故障や異常は、車検において不適合の原因となります。
とくに「ブレーキランプがつきっぱなし」のような状態は、保安基準に適合しないため、検査に合格できません。
道路運送車両法では、すべてのブレーキランプが正常に点灯し、かつ不要なときは消灯していることがもとめられています。
ブレーキランプが不適切に点灯しつづけると、後続車への誤信号となるため、車検できびしくチェックされるのです。
ブレーキランプがつきっぱなしの原因は?

ブレーキランプがつきっぱなしになっていると、後続車に誤解をあたる可能性があります。
また、バッテリーあがりの原因にもなりますので、はやめの対処が必要です。
つきっぱなしの原因としては、おおきくわけて以下がかんがえられます。
- ストッパーゴムの劣化・損傷が最多の原因
ブレーキランプがつきっぱなしになる原因でもっともおおいのが、ブレーキペダルとブレーキランプスイッチの間にあるストッパーゴムの劣化・損傷です。
このストッパーゴムは、ブレーキペダルをふんでいない状態ではブレーキランプスイッチがオフになるよう、適切な間隔をたもつ役割をはたしています。
しかし、経年劣化や使用頻度によって、ストッパーゴムがつぶれたり、われたり、脱落したりすることがあります。
ストッパーゴムが劣化・損傷すると、ブレーキペダルをはなしてもスイッチがおされた状態のままになり、ブレーキランプがつきっぱなしの状態になってしまいます。
- ブレーキスイッチの故障・調整不良
もっともおおい原因はブレーキスイッチの故障、もしくは調整不良です。
ブレーキペダルをふむと、ブレーキスイッチがおされてブレーキランプが点灯するしくみになっています。
このスイッチがこわれたり、ペダルとの間隔がずれてつねにおされた状態になっていると、ブレーキランプがつきっぱなしになります。
経年劣化や、ペダルまわりの異物などが原因でおこりえます。 - ブレーキペダルの戻り不良
ブレーキペダルがもどりきらず、ブレーキスイッチをおしつづけているばあいもブレーキランプがつきっぱなしになります。
ペダルのリンケージ部のサビやよごれ、ブレーキフルードの劣化、ブレーキパッドの摩耗などが原因としてかんがえられます。
まれに、フロアマットがペダルのしたにはさまっているといった単純な原因のばあいもありますので、まずはマットの位置を確認してみましょう。 - 配線のショート
ブレーキランプの配線がショートしていると、つねに電流がながれブレーキランプが点灯しっぱなしになります。
配線の被覆が劣化してショートしたり、どこかで断線してほかの配線と接触することでおこります。
振動や熱の影響をうけやすいエンジンルーム付近で発生しやすいので、配線の状態を点検する必要があります。 - ヒューズの接触不良
まれなケースですが、ブレーキランプのヒューズの接触不良も原因の一つです。
ヒューズがただしく装着されていない、もしくはヒューズボックスの端子が腐食しているなどがかんがえられます。
ヒューズが原因のばあいは、ほかの電装品にも不具合がでている可能性があるので、あわせて確認しましょう。 - コンピュータ(コントロールユニット)の不具合
現代の車両では、コンピューターがブレーキランプの制御におおきく関与しています。
コンピューターの不具合によって、ブレーキランプがつきっぱなしになることがあります。
これは、コンピューターが正常にシグナルを処理できないためです。
上記以外にも原因がかんがえられますが、ブレーキ系統は安全に直結する重要な部分です。
ご自身で修理をこころみるよりも、まずは専門家である整備工場に相談することをおすすめします。
ブレーキランプつきっぱなしのチェックポイント│応急処置、修理代など

ブレーキをふんでいない状態でランプが点灯しつづけることは、交通安全に影響をあたえます。
ブレーキランプがつきっぱなしになるトラブルがバッテリーにあたえる影響、そして修理にかかる費用について説明しました。
ブレーキランプが消えないときの応急処置は?

ブレーキランプが消えない状況にそうぐうしたとき、迅速な対応がもとめられます。
しかし、整備工場にすぐにもちこめないばあいもありますので、そんなときにできる応急処置をご紹介します。
ただし、これらはあくまで一時的な対策であり、根本的な解決には整備工場での点検が必要です。
- ブレーキペダルスイッチの確認と調整
ブレーキランプがきえないおもな原因がブレーキペダルスイッチにあるばあいがおおいため、まずスイッチの位置を確認してみてください。
スイッチがおされたままの状態になっていないかをチェックし、必要であれば手で調整して正常な位置にもどしてみましょう。 - バッテリーの端子をはずす
かんたんにできる方法として、一時的にバッテリーのマイナス端子をはずすことがあります。
これにより電力供給を遮断し、ブレーキランプをけすことが可能です。
ただし、車の電子機器のリセットがかかるばあいがあるので注意が必要です。 - ヒューズの確認
ブレーキランプの回路と関係のあるヒューズに、問題があるかもしれません。
車のマニュアルを参照して、該当するヒューズを確認し、異常があれば交換してみてください。 - 一時的なテープどめ
緊急時には、ブレーキスイッチの位置がずれているばあい、スイッチに一時的にテープをまくことでペダルからのおしこみを解除し、ランプをけせることがあります。
これらの応急処置をおこないながら、はやめに信頼できる自動車整備工場での点検と修理をおこなうことが重要です。
安全の確保と車の健全性をたもつために、専門家の判断をあおぐことをおすすめします。
硬貨を使った応急処置の方法
ブレーキランプがきえないときの応急処置として、硬貨を使用した方法があります。
シンプルな方法で、以下のものを準備してください
- 硬貨(10円玉2枚が推奨されています)
- テープ(セロハンテープ、ガムテープ、またはクッションテープなど)
- ドライバーなどの工具(ブレーキペダル周辺を確認するため)
ステップ1:ストッパーゴムの位置を確認する
まず、運転席にすわり、ブレーキペダルの根元をのぞきこんでください。ブレーキペダルの奥底には、ペダルをおしていないときにブレーキスイッチをおさえているゴム製のストッパーが本来装着されています。このストッパーが破損していたり、完全に脱落していることが原因です。
ステップ2:硬貨を積み重ねて厚みをだす
硬貨(推奨は10円玉)を2枚用意して、かさねます。この時点で、もとのストッパーゴムとおなじていどの厚みが必要です。硬貨がかさねられたら、その状態をテープで一時的に固定して、ずれないようにしておきます。
ステップ3:消灯を確認する
かさねた硬貨をストッパーゴムがあった場所におき、ブレーキペダルをふまない状態で、硬貨がブレーキスイッチをおすことができているかを確認します。このとき、ブレーキランプが消灯していることを確認してください。これが確認できないばあいは、硬貨の厚みが不足している可能性があります。
ステップ4:点灯を確認する
つぎに、ブレーキペダルをふんでください。ブレーキペダルをふむと、硬貨がさらにおされ、ブレーキスイッチが完全に作動し、ブレーキランプが点灯することを確認してください。この確認は非常に重要です。点灯・消灯が正常にきりかわっていることで、応急処置が成功しているかどうかが判断できます。
ステップ5:硬貨を固定する
消灯・点灯の両方が確認できたら、硬貨をセロハンテープ、ガムテープ、またはクッションテープでしっかりと固定します。重要なのは、硬貨がおちてこないこと、そして固定されたときに厚みがかわらないことです。硬貨が落下してしまうと、ふたたびブレーキランプがつきっぱなしになってしまいます。
ブレーキランプがつきっぱなしでバッテリーは大丈夫?

ブレーキランプがつきっぱなしになっている状態は、バッテリーにとって非常に負担がおおきいといえます。
通常、ブレーキランプは点灯時にそれほどおおきな電力を消費しませんが、点灯しつづけることでバッテリーの電力を消費しつづけることになります。
そこで、ブレーキランプのつきっぱなしがバッテリーにあたえる影響についてみていきましょう。
- バッテリーあがりのリスク
もっとも直接的な影響は、バッテリーあがりです。
長時間車を駐車している状態でランプがつきっぱなしだと、バッテリーが完全に放電しエンジンがかからなくなるおそれがあります。
とくに夜間や休日に駐車したばあいは、気づくのがおくれるため注意が必要です。 - バッテリーの劣化をはやめる
バッテリーあがりをさけるために頻繁にエンジンをかけたり、バッテリーをチャージしたりすることがつづくと、バッテリーじたいの劣化をはやめることになります。
これによりバッテリーの寿命がみじかくなる可能性があります。
【具体的な影響としては】
・エンジン始動不能
バッテリーがあがるとセルモーターがまわらず、エンジンがかかりません。
・セキュリティシステムの誤作動
バッテリーの電圧低下により、セキュリティシステムが誤作動をおこす可能性があります。
・カーナビやオーディオの不調
電源供給が不安定になると、カーナビやオーディオが正常に動作しなくなることがあります。
・その他電装品の不具合
パワーウィンドウや電動ミラーなども、バッテリーあがりの影響をうけ動作不良をおこす可能性があります。
ブレーキランプの不具合がみつかったばあい、そうきゅうに対応することが重要です。
応急措置として、電力の消費をおさえるためにバッテリーの端子をはずすか、車両のヒューズを確認することもできますが、最終的には専門の整備士による修理が必要です。
ブレーキランプが消えない故障の修理代は?
ブレーキランプがきえないばあいの修理費用は、原因や車種、修理をおこなう工場によってことなります。
以下に一般的なケース、およびそれにともなうおおよその費用を説明します。
1.ストッパーゴムの交換
ストッパーゴムの劣化・損傷が最多の原因で、ストッパーゴムじたいは500円以下、交換工賃をふくめても2,000円以下であるばあいがほとんどです。
そのためこの症状の故障は、おおくのばあいで比較的安価に解決できます。
- ブレーキスイッチの交換
もっともおおい原因であるブレーキスイッチの交換は、比較的簡単な作業ですみます。
部品代と工賃をあわせて、5,000円~15,000円ていどが目安です。
車種やスイッチの種類によっては、もうすこしたかくなるばあいもあります。 - ブレーキペダルの調整・修理
ブレーキペダルのもどり不良が原因のばあいは、調整や修理が必要になります。
ペダルのリンケージ部の清掃・給油ですむばあいもありますが、部品交換が必要なばあいは10,000円~30,000円ていどかかることもあります。 - 配線の修理
配線のショートや断線が原因のばあいは、修理箇所や範囲によって費用がおおきく変動します。
断線箇所の特定や配線交換など、比較的手間のかかる作業となるため、5,000円~数万円かかるばあいもあります。 - ヒューズの交換
ヒューズの交換は、部品代も数百円ていどと安価で、作業もかんたんです。
おおくのばあい、1,000円~2,000円ていどですみます。
ただし、ヒューズがきれた原因がほかにひそんでいるばあいは、その原因究明と修理が必要になります。 - その他
上記以外にも、ブレーキランプユニットじたいの故障や、複雑な電気系統のトラブルが原因となっているばあいもあります。
このようなばあいは、より高度な診断と修理が必要となるため、費用も高額になる傾向があります。
上記はあくまでも一般的なケースのめやすです。
実際の修理費用は、車種や故障状況、使用する部品、工賃などによってことなります。
総括│ブレーキランプつきっぱなしのチェックポイント
ブレーキランプがつきっぱなしになるのは、たんなる電球ぎれとはことなり、安全運転に影響をおよぼす故障です。
後続車に誤解をあたえるだけでなく、バッテリーあがりをひきおこし、おもわぬトラブルにつながる可能性もあります。
この記事では、ブレーキランプがつきっぱなしになるおもな原因として、ストッパーゴムの劣化・損傷、ブレーキスイッチの故障、ペダルのもどり不良、配線のショート、ヒューズの接触不良などをあげました。
そして、それぞれの原因におうじた修理費用や応急処置の方法を解説しました。
ブレーキランプの不点灯とどうように、常時点灯も道路交通法違反にとわれる可能性があります。
すこしでも異常に気づいたら、自己判断で修理しようとせず、すみやかに最寄りの整備工場に相談することをおすすめします。