高齢者の親が車を購入しようとしている場合、判断に迷うことが多いでしょう。
年齢を重ねるごとに運転能力に変化が生じることもあり、その購入を阻止すべきか悩むかもしれません。しかし、単純に年齢だけで判断するのではなく、ドライバーとしての健康状態や安全性をしっかり確認する必要があります。
本記事では、高齢者と車購入の関係について、考慮すべきポイントを詳しく解説します。
記事のポイント
高齢者の車購入は、年齢でなく安全運転できるかで判断
親の運転をやめさせるには、第三者を交えた話し合いが有効
80代の車選びは、安全装備と運転のしやすさを最優先する
高齢者のローン購入は困難、現金購入は家族の立ち会いが必須
安全性を最優先するなら、中古車より最新装備の新車が優位
目 次
高齢者の車購入は阻止した方がいい?

重要なのは、ご本人が「今、本当に安全に運転できる状態にあるのか」ということに尽きます。
最近増えた車体の傷、ヒヤリ-ハットの具体的な状況などを説明する、タクシーなど代替案を具体的に提示する、かかりつけ医など専門家の力を借りて総合的に判断することが重要です。
高齢者の運転をやめさせたいのですが、どうしたらよいですか?
高齢者の運転をやめさせたい場合、家族が感情的に説得するのではなく、信頼できる第三者を巻き込み、リスクとメリットを丁寧に伝えることが効果的です。
まず、家族自身が運転をやめてほしい理由を素直に伝えましょう。例えば、「最近の運転で心配な点があったので、安全のために一緒に考えたいです」と具体的なエピソードを交えて話します。頭ごなしに禁止せず、本人の尊厳を尊重しながら進めます。
次に、高齢者の友人や知人、近所の方に協力を依頼します。家族の言葉が届きにくい場合、信頼する人からの「もう運転は控えよう」という声が説得力を持ちます。遠くに住む家族なら、車に傷がないか日常的にチェックしてもらうのも有効です。
医師や医療関係者に相談するのもおすすめです。75歳以上の免許更新時には認知機能検査が義務付けられており、医師の診断書があれば運転継続が難しくなります。
また、事故リスクや運転継続のデメリットをデータで示すのも有効です。例えば、反射神経の衰えによる踏み間違い事故の事例を挙げ、「大切な人を守るために免許返納を」と訴えます。一方、返納のメリットとして、自治体のタクシー券やバス割引などの特典を紹介します。
車がなくなった後の代替手段を必ず提案しましょう。巡回バス、訪問スーパー、家族の送迎、または自動ブレーキ搭載のサポートカー限定免許を検討し、「移動の自由は失われません」と安心させます。強引に進めず、じっくり話し合いを繰り返すことが成功の鍵です。
80代で車買い替えで重要なポイントは?

80代で車を買い替える場合、安全装備の充実と運転・乗降のしやすさを最優先に選びましょう。
まず、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱防止などの先進安全装備が標準搭載されたモデルを選びます。これらの機能が踏み間違いや衝突リスクを大幅に低減します。
次に、コンパクトサイズで小回りが利く車を推奨します。細い道路や駐車場での操作がしやすく、注意力の低下を補います。運転席に座って全方位の視界を確認し、フロントガラスが大きく死角の少ないものを試乗します。
乗り降りのしやすさも欠かせません。低床フロアや電動スライドドア付きで、腰を掛けるように座れる高さを選びます。車高が高すぎると膝や腰に負担がかかります。
さらに、燃費の良さと維持費を考慮します。軽自動車は自動車税が安く、ガソリン高騰時でも経済的です。年間燃料代・保険料・税金を事前に計算し、中古車なら年式の新しい安全装備付きを選ぶようにしましょう。
ディーラーで高齢者は車を買える?

ディーラーで高齢者が車を購入することは可能ですが、ローン審査の観点から見るとハードルが高くなります。
- ローン購入の年齢制限
ディーラーローンでは、申し込み時の年齢上限を65歳以上に設定しており、審査通過が厳しい傾向にあります。多くのディーラーローンは「完済時65歳未満」を条件としているため、70歳を超えた方がローンを組むことはほぼ不可能です。例えば、68歳で3年ローンを申し込むと、完済時は71歳となり、ほとんどのディーラーの基準を超えてしまいます。 - 現金購入なら可能
ローンではなく現金で購入すれば、年齢制限はありません。しかし、80代の親が現金で高額な車を購入することは、詐欺や悪質業者の標的になるリスクがあるため注意が必要です。家族が立ち合い、契約内容を十分に確認することが重要です。 - ディーラーに販売自粛を依頼
親が無理に車を購入しようとした場合、家族は直接ディーラーに「高齢者への販売を控えてほしい」と依頼することが効果的です。信頼できるディーラーであれば、高齢運転者の安全リスクを理解し、販売を自粛する場合があります。
高齢者の車購入は阻止した方がいい?│年齢上限、中古より新車など

法律や年齢という画一的な基準ではなく、本人の運転意思の確認、第三者や医者を交えた客観的な安全状況で判断することが大切です。
また購する際は、最新安全機能、安全性の面で中古車より新車の方が優位です。
車を買い替える年齢の上限は?
車を買い替える際の年齢の上限は、一概に決めることはできませんが、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。
年齢そのものよりも、ドライバーの健康状態や運転技術、認知機能が重要です。特に高齢者においては、交通ルールの更新や認知機能検査が定期的に行われますが、これらは最低限の基準を確認するものです。
一般的に、70歳を超えたあたりから運転能力の変化が見られることが多いですが、個人差があります。それぞれの高齢者が自分の運転能力を正確に自己評価できるかが大切です。また、家族も積極的に関与し、状況を見守ることが大切です。自動車メーカーも高齢者向けの安全機能を搭載した車を提供しているので、それらを活用することもおすすめします。
最も重要なのは、安全に運転を続けられるかどうかです。医師の診断や家族の意見も参考にし、運転を続けるかどうかを慎重に判断することが求められます。車を買い替えること自体に年齢制限はありませんが、安全性を最優先に考えましょう。
高齢者は中古より新車購入の方がいい?

高齢者の車購入では、新車が中古車よりも優れているという判断が一般的です。安全性能の最新技術が搭載されていることが、高齢ドライバーにとって最大のメリットになります。その理由を解説します。
- 最先端の安全装備が標準搭載
新車には、最新の先進安全技術が搭載されています。これらの装備は踏み間違い防止や衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱防止など、高齢運転者に多い事故パターンを防ぐ機能が充実しています。 - 視認性と乗降性の設計
新車は「見やすさ」と「運転のしやすさ」を軸に設計されていて、高齢者も運転しやすくなってます。360°モニターやパノラミックビューカメラによる死角の少ない視界、低いステップ高と大開口ドアによる乗降サポートなど、加齢に伴う身体的な変化に対応したモデルが多くなっています。 - 中古車は安全装備の年式による性能差がある
中古車でも最新の安全装備が付いた車は存在しますが、年式による性能差は顕著です。2018年以降であれば衝突被害軽減ブレーキ(AEB)、車線逸脱警報、踏み間違い防止などが標準搭載されている可能性が高いものの、「歩行者夜間検知」や「交差点右折支援」といった最新機能は2025年型などの新しいモデルにしか期待できません。 - 中古車購入時の確認負担
中古車購入では、搭載装備の確認と年式比較が必須になります。AEB、車線逸脱警報、踏み間違い防止の有無を明確に確認し、当該年式の安全評価をJNCAPで調べるなど、購入前の調査に時間と手間がかかります。 - 新車購入、中古車購入の比較
新車は最先端の安全装備がついている可能性が高く、燃費がよく維持費が抑えられるケースが多いのが利点です。一方、中古車は車両費用が安く納車が早いメリットがありますが、経済性よりも安全性を優先すべき高齢者向けとしては、新車購入が望ましいです。
認知症の高齢者への車販売は許されるの?

日本では、認知症の高齢者に対する車の販売を法的に禁止する明確な規定はありませんが、ディーラー側の実務ではリスクを考慮した対応が広がっています。
道路交通法では、75歳以上の高齢者に対し認知症の疑いがある場合に医師の診断を義務づけ、発症が確認されれば免許の停止や取り消しが可能となります。しかしこれは運転免許に関するもので、車の購入・販売そのものを直接規制するものではありません。
ディーラーによっては、75歳以上のお客様が単独で新車契約を結ぶ場合、近親者に本人の意思を確認する独自のルールを設けています。これは過去に認知症の高齢者が徘徊中に契約し、家族からトラブルになった事例を教訓とした措置です。
一方、明らかに意思能力に欠けていると判断される場合、ディーラーは販売を拒否できる可能性があります。しかし本人が正常に会話できれば法的には契約有効とみなされやすく、単独での拒否は難しいのが現状です。
家族からの「販売自粛依頼」はディーラーで受け付け可能で、クレジットやローンの制限も検討されますが、高齢者の車購入に家族同意を義務づける法律はありません。
結果として、販売は許容されますが、ディーラーや家族の判断でトラブルを未然に防ぐ取り組みが必要です。
高齢者の車購入は阻止した方がいい?│総括
高齢者の車購入は法的に制限されていません。
しかし、運転免許の更新要件、ローン審査の年齢上限(多くが65〜70歳前後)、ディーラーのリスク判断といった実務的ハードルが立ちはだかります。
一方で、認知機能が正常で安定収入があれば可能ですが、家族としては意思確認や販売自粛依頼を活用し、事故リスクを未然に防ぐことが可能です。
最終的には本人の運転能力と家族の対話を基に判断し、安全第一で検討することをおすすめします。