ユーザー車検で不合格になるケースは意外と多く、落ちやすい特定の項目を知っておくことが合格への近道です。
特に、ロービーム検査が導入されたことによるヘッドライトの光軸ズレや光量不足(ライトカバーの曇り)が多いです。
また、タイヤの溝不足、ブレーキの効き不良、オイル漏れといった項目も頻出しています。
これらは日常点検で見落とされやすく、車検場での操作ミスも加わるとさらにリスクが高まります。
本記事では、ユーザー車検を50回ほど通してきた筆者が、ユーザー車検での落ちやすい項目と対策を詳しく解説します。
記事のポイント
ユーザー車検で最も落ちやすいのは、ヘッドライトの光軸ズレ
書類不備や操作ミスなど、ユーザー自身の問題でも不合格になる
タイヤの溝不足やオイル漏れなど、日頃の点検不足が原因のことも
不合格でも当日は2回まで無料、15日以内なら再検査が可能
予備検査場(テスター屋)で事前調整すれば安心
目 次
ユーザー車検で落ちやすい項目はどこ?

最も落とされやすい項目は、ロービーム検査が導入されたヘッドライトの光軸ズレや光量不足です。次にストップランプやウィンカーなどの電灯類の故障といった項目も、落とされやすい項目です。
ユーザー車検で不合格になる理由は何ですか?
ユーザー車検で不合格になる理由は、大きく分けて「ユーザー側の問題」と「車の整備状態の問題」の2つに分類されます。
- ユーザー側の問題
まず重要なのは書類の不備です。必要な書類が揃っていなかったり、駐車違反などの未納反則金がある場合は車検に合格することができません。(納税証明書は不要)
また、ユーザー車検では自分で車を操作しながら検査ラインを進むため、操作ミスによる不合格も見られます。
例えば、外観検査でのホイールキャップ外し忘れ、ウォッシャー液がカラっぽ、スリップ検査でハンドルを動かしてしまった、ブレーキ検査でペダルの踏み方が不適当、といったことです。初めてユーザー車検を受験する方に特に多いミスとなっています。 - 車の整備状態に関する問題
最も落とされやすいのはヘッドライトです。光軸がズレていたり、ライトの光量が基準に達していないと不合格になります。最近ではロービーム検査が導入され、不合格になることが多く見られます。
またタイヤも重要で、溝が1.6mm未満の状態、ひび割れや劣化したタイヤは検査に通りません。ブレーキも検査場のブレーキテスターで数値が基準に満たないと不合格となります。
その他にも、ストップランプやテールランプなどの電灯類の故障、クラクションが鳴らない、または音量が基準に満たない場合も合格できません。マフラーやフレームの破損、エンジンオイル漏れ、発炎筒の不備、ワイパーゴムの劣化、ウォッシャー液の不足なども不合格の原因となります。さらに、期限切れのダイヤルステッカーを貼ったままにしていることも見落としやすいポイントです。
ユーザー車検は費用を抑えられる便利な制度ですが、準備不足だと不合格になるリスクが高くなります。検査前には十分な点検と準備が欠かせません。
ユーザー車検は難しいですか?

ユーザー車検の難易度についてですが、「準備次第で難易度は大きく変わる」というのが実際のところです。
ユーザー車検が難しいと言われる最大の理由は、書類の記入と実際の検査という2つの大きな課題があるためです。書類の記入に関しましては、車検証に記載されている事項を写すだけですので、そこまで難しくはありません。しかし車の点検・整備に関する専門的知識が必要になることと、検査場での操作ミスが障壁となります。
具体的には、検査官の指示に従って車のさまざまな操作をしなければなりませんが、車検に慣れていないと操作ミスをして、車は保安基準に適合していても不合格になってしまう可能性があります。
ただし、事前にしっかりと予習をしている人であれば、問題なくクリアできるでしょう。日頃から点検・整備に慣れておくことで、ユーザー車検にも挑戦しやすくなります。具体的には、事前に整備したり車検場の下見をしたりすれば、初めてのユーザー車検でも合格できる可能性は十分にあります。
ユーザー車検は「自動車の状態をしっかり把握しており、かつ失敗した際の手間を厭わない人」には向いています。
車検に通らない車の特徴は?

車検に通らない車には、いくつかの特徴があります。それらは主にメンテナンス不足や放置された劣化が原因です。
まず、ライト類の故障や光軸のズレです。ヘッドライトの光量不足や角度不良、ストップランプ・テールランプの切れ球などが代表的で、バルブの劣化が放置された車に共通します。最近ではロービーム検査が採用され、不合格になる車が多くなっています。
次に、タイヤの劣化です。溝が1.6mm以下になっていたり、スリップサインが出ていたり、ひび割れや偏摩耗が激しい場合は不合格となります。日常的にタイヤの状態をチェックしていない車でよく見られます。また、スタッドレスタイヤでの受験も大丈夫です。
マフラーの破損や排気音の異常も特徴的です。穴あきや錆びによる破損の場合、不合格となります。
さらに、オイル漏れが見られる車は要注意です。エンジンやミッションからの漏れは、保安基準に適合しません。パッキンの劣化が長引いた結果です。
クラクション(ホーン)の不具合も頻出で、鳴らない・音量不足の場合に落ちます。普段使わないため見落とされやすい特徴です。
その他、ブレーキの不良、チェックランプの点灯(特にエアバッグ・ABS警告灯)、ウィンドウフィルムの透過率70%以下、フレーム破損、発炎筒の欠如なども車検落ちになります。これらは低年式・過走行車や改造車に多いです。
こうした特徴を持つ車は、日頃の点検を怠ったものがほとんどです。ユーザー車検を検討する際は、事前の徹底点検をおすすめします。
ユーザー車検で落ちやすい項目はどこ?│事前準備、不合格後の対処など

合格するためのポイントとして、事前の予備検査(テスター屋での検査)でライトの光軸調整やブレーキ性能といった、落ちやすい項目を確認することが有効です。
もし不合格になった場合でも、当日であれば2回まで無料で再検査を受けられ、15日以内であれば追加費用なしで再検査に臨めるという制度上のメリットがあります。
ユーザー車検に行く前にすることは?

ユーザー車検を受検する前には、必要書類の準備と車両の事前点検という2つの重要な準備が不可欠です。
まずは、運輸支局または軽自動車検査協会への予約を忘れてはいけません。ユーザー車検の予約は検査を受ける日の2週間前から可能ですので、早めに予約を入れておくことが大切です。
必要書類の準備について、まず最優先で確認すべきは、自動車検査証(車検証)、自賠責保険証明書が必要です。このうち自賠責保険証明書については、次の車検期間分を満たしたものであることを確認してください。
点検整備記録簿については任意ですが、事前に点検を実施した場合は用意してください。
車両の事前点検について、ユーザー車検を受ける前に必ず実施すべき項目があります。特に重要なのは、ライトの光軸検査、サイドスリップ検査、各四輪のブレーキ検査、スピードメーター検査、排気ガス検査などです。これらは検査ラインで実際に測定される項目なので、事前に民間の予備検査場(テスター屋)で確認・調整しておくことで不合格を防ぐことができます。
当日の流れを事前に把握しておくことも重要です。外回り検査、サイドスリップ検査、排気ガス検査、ブレーキ検査、スピードメーター検査、ヘッドライト検査、下回り検査という検査項目を順番に受検することになります。
このように、予約の確認、必要書類の完全な準備と車両の事前点検と流れの確認という3つのステップをしっかりと実施することで、ユーザー車検での合格率を大幅に高めることができます。
ユーザー車検でブレーキ検査で落ちる場合とは

ユーザー車検のブレーキ検査で不合格になるケースは、主に操作ミスとブレーキ自体の性能不良の2つに分かれます。
操作ミスによる不合格が最も多く、いきなりガッツリ強くブレーキを踏み込むか、踏み方が甘く弱い場合に発生します。検査ラインの電光板に「ゆっくりブレーキをかけてください」と表示されますが、無視して急ブレーキをかけると×判定となり、制動力が正しく測定されません。また、踏み込みが浅い、ゆっくり踏みすぎて速度が遅い、フルブレーキまで踏み切らずに止めてしまう場合もブレーキ力が弱いと判断され、不合格となります。
また、フットブレーキだけでなく、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)でも引き方や踏み方が弱いと同様に落ちます。
ブレーキ性能不良による不合格の場合、ブレーキパッドやライニングの摩耗、ドラムブレーキの調整不足、左右の制動力に差がある状態が代表的です。車検場のブレーキテスターで数値が保安基準を下回るとNG判定となります。こうした状態は、長期間メンテナンスを怠った車でよく見られます。
ブレーキ検査はローラー上にタイヤを乗せて行われ、電子表示の指示に従って強く踏むのが正しい操作です。不合格時は再検査で対応しますが、事前の予備検査で踏み方を練習しておくと安心です。コツは、最初ゆっくりと踏み、その後奥まで踏み込むと合格しやすいです。
ユーザー車検では操作に慣れていない方が多いため、こうしたブレーキ検査のミスを防ぐ準備が合格のカギとなります。
ユーザー車検に落ちたらどうすればいい?

ユーザー車検で不合格になってしまった場合でも、焦る必要はありません。適切な対処方法を知っていれば、合格までの道のりはそれほど困難ではありません。
- 当日中の再検査
最も重要なポイントは検査当日であれば2回まで無料で再検査を受けられるということです。申請書類などを新たに提出する必要もなく、検査員に再検査希望を伝えるだけで対応してもらえます。この当日再検査は、ユーザー車検の大きなメリットです。
不合格の原因が操作ミスの場合、すぐに対処が可能です。例えば、サイドスリップ検査でハンドルを誤操作してしまった、ブレーキ検査での踏み方が不十分だった、といった場合は修理や調整の必要がありません。次の検査では検査員の指示をよく聞いて、注意深く操作を行えば合格できるでしょう。
不合格の原因が車の整備不良の場合、状況に応じた対応が必要です。ヘッドライトの角度調整やブレーキランプの電球交換など、簡単に修理できる不具合であれば、当日中に修理して再検査に臨むことが可能です。テスター屋や整備工場に相談すれば、当日中に対応してくれることも多くあります。
- 当日中に対処できない場合
窓口で「限定自動車検査証」を発行してもらってください。この限定自動車検査証があれば、不合格の状態であっても公道を走ることが許可されます。そして、この検査証の発行日を含めて15日以内に不適合部分を修理し、再度検査場に持ち込めば追加手数料なしで再検査を受けられるます。
修理が自分でできない場合、指定整備工場または認証整備工場に車両を持ち込むことをお勧めします。特に指定整備工場であれば、自動車整備士が不適合部分を適切に整備するだけでなく、その場で車検も実施してくれて、合格時には保安基準適合証を発行してくれます。その後、運輸支局に必要書類を持参すれば、新しい車検証の交付を受けられます。
認証整備工場でも整備は行ってくれますが、整備後に運輸支局の検査場で改めて再検査を受ける必要があります。
- 期限を守ることが重要
15日以内に修理して再検査を受けることで、ユーザー車検の手続きを完結させることができます。しかし、この期限を過ぎてしまうと、ユーザー車検の手続きは最初からやり直しとなってしまいます。
当日の再検査でも不合格が続く場合は、整備工場に依頼して根本的な原因を解決してもらうことで、確実に合格に近づけます。
ユーザー車検で落ちやすい項目はどこ?│総括
ここまで、ユーザー車検で落ちやすい項目と対策について詳しく解説しました。
ライトの不具合やタイヤの状態、ブレーキ性能や排気ガス基準など、見落としがちなポイントがあることをお伝えしました。
また、ユーザー側の操作不慣れによる不合格についても解説しました。
ユーザー車検にスムーズに合格するためには、事前の確認と適切な整備が不可欠です。検査に落ちた場合も、落ち着いて問題を特定し、速やかに対策を行うことで再挑戦が可能です。