近年、自動車愛好者の間で話題となっているリアワイパーレススタイル。
デザインの洗練を追求する一方で、一部からは「ダサい」との声も上がっています。
リアワイパーは本来、泥はねや雨水で後方視界を確保するための重要な装備です。
あえてリアワイパーを省くことでリアまわりがすっきり見え、スタイリッシュに見せられるなどのメリットがある一方で、使い勝手や安全面、さらには車検の通過について賛否両論もあります。
果たして、このカスタムは単なる流行に過ぎないのでしょうか?
リアワイパーを外す選択の背景に迫ります。
近年、自動車愛好者の間で話題となっているリアワイパーレススタイル。
デザインの洗練を追求する一方で、一部からは「ダサい」との声も上がっています。
リアワイパーは本来、泥はねや雨水で後方視界を確保するための重要な装備です。
あえてリアワイパーを省くことでリアまわりがすっきり見え、スタイリッシュに見せられるなどのメリットがある一方で、使い勝手や安全面、さらには車検の通過について賛否両論もあります。
果たして、このカスタムは単なる流行に過ぎないのでしょうか?
リアワイパーを外す選択の背景に迫ります。
記事のポイント
メリットは見た目向上、デメリットは悪天候時の視界不良
車検はグレーゾーンで、検査官の判断により合否が分かれる
即違反ではないが、悪天候時や事故の際に不利になる恐れも
取り外し跡は、キャップやデザイン性カバーで対策が必要
リアガラスの空力形状により、元々装備されない車種も
目 次
わざと外すリアワイパーレスはなぜダサい?

リアワイパーレスはカスタムの一つとして楽しむには注意が必要で、見た目を追求するあまり実用性や法的側面を軽視しないことが重要です。
リアワイパーを外す理由は?
カスタムカーや一部のドライバーの間でリアワイパーを「わざと外す」行為が見られます。
なぜ、安全装備ともいえるリアワイパーを外してしまうのか?
その理由は多岐にわたります。
見た目のすっきり感を重視したいから
多くの場合、リアワイパーは「ノーマル感」や「ごちゃっ」とした印象を与えやすい装備です。
特にカスタムカー愛好家は、個性やスタイルを強調するために、必要最低限のパーツ以外は極力取り外す傾向があります。
リアワイパーがあると「カッコ悪い」「ダサい」と感じ、外すことでリアまわりのスッキリ感やクールな雰囲気を得たいという声が根強いです。
残った取り付け部の穴は、専用キャップやマスコットでカバーし、さらにオリジナリティを出す人もいます。
そもそも使う機会が少ないから
リアワイパーは「滅多に使わない」「拭き取り範囲が狭すぎて実用的ではない」と感じるドライバーも少なくありません。
特にセダンはリアガラスの傾斜が大きく、雨が自然に流れ落ちやすいため、ワイパー自体が装備されていない車種も多いです。
ミニバンやハッチバックでも「ほとんど使っていなかった」という理由で外すケースが見られます。
洗車やメンテナンスのしやすさを重視して
リアワイパーがあると、ガラス表面の拭き取りやワックスがけの際に邪魔になることも。
洗車好きや細かなメンテナンスを好む人にとっては、ストレスを感じる要素の一つとなり得ます。
法律面での制約が少ないから
リアワイパーは、法律(道路運送車両法)で必須装備とはされていません。
そのため、取り外しても車検自体には支障がなく、「合法カスタム」として受け入れやすい面もあります。
ただし、取り外し跡の処理が不十分だと、車検で不適合と判断されるケースもあるので注意が必要です。
このような理由から、一部のユーザーはあえてリアワイパーを外して「すっきり感」「個性的な見た目」を重視する選択をしています。
しかし、リアワイパーは「視界確保」という安全面での役割も持ち合わせており、外した場合のデメリットも無視できません。
外すか否かは、ファッションと実用性のバランスを考えるドライバーのセンスが問われるところです。
リアワイパーレスのメリットは?
リアワイパーをあえて外すことで得られる最大のメリットは、リアビューのすっきりとした見た目の向上です。
ワイパーが無いことでリアガラス周りに余計なパーツがなくなり、洗練された印象を与えやすくなります。
また、リアワイパーがないことで洗車がしやすくなるという利便性も挙げられます。
ワイパーの存在が洗車時に邪魔になったり、周辺に汚れや水垢が溜まりやすい問題が解消されるため、手入れが楽になるのです。
さらに、リアワイパーを取り外すことで車両重量がわずかに軽くなり、燃費や走行性能に若干の好影響が期待できる場合もあります。
これはスポーツカーや軽量化を重視するカスタムカーでは、意外と見逃せないメリットです。
また、近年ではバックカメラの普及により、後方視界をリアワイパーで補助する必要性が薄れつつあります。
これに伴い、リアワイパーの機能的価値が相対的に低下していることも一因です。
実際にトヨタ「プリウス」や日産「フェアレディZ」など、モデルチェンジでリアワイパーを省いた例も存在し、メーカー側もリアワイパーレスを容認する流れになっています。
リアワイパーレスのデメリットは?

リアワイパーをあえて外すリアワイパーレスには見た目のすっきり感などメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
まず最大のデメリットは、雨天時や雪など悪天候時にリアガラスの視界が著しく悪化する可能性があることです。
リアワイパーがないと水滴や汚れを拭き取れず、後方確認が困難になる場合があります。
特にミニバンやハッチバックのように、リアガラスが垂直に近い車種では視界確保の役割が重要で、リアワイパーの除去は安全性の低下を招きやすいです。
また、リアワイパーを外すと元のワイパー取り付け部に突起物が残るケースが多いため、そのままにしておくと歩行者への危険や車検不合格の原因になることがあります。
取り付け部を保護するキャップなどで処理しないと、車検時に検査員から指摘されることがあるため注意が必要です。
さらに、リアワイパーレスは法的にはグレーゾーンであり、車検に通る場合がほとんどですが、検査員によって判断が分かれることもあるため車検時に問題となるリスクもあります。
検査場所や担当者の主観によっては、リアワイパーなしの状態を不適合とされることもあるため、万が一に備え車検前は元に戻しておくのが安心です。
リアワイパーのない車の実用的な対策

リアワイパーを外した際、残る突起は見た目や安全性において気になるポイントです。ここでは、その処理に関するいくつかの実用的な対策をご紹介します。
- 専用キャップの使用
リアワイパーを取り外した後に残るネジ穴や突起部分には、専用のキャップがあります。
これらは、車の外観をスッキリと仕上げ、雨水や汚れの侵入を防ぐ効果があります。
多くの場合、素材は防水性の高いプラスチックやゴム製であり、簡単に装着できます。 - デザイン性のあるカバー
リアワイパーレス仕様を意識してデザインされたアクセントカバーを選ぶこともできます。
これにより、カスタムデザインを強調しつつ、実用性を兼ね備えることが可能です。
カバーには多くの色やデザインがあり、車体のスタイルと調和させる選択肢があります。 - 防錆処理
突起部にキャップを装着することで、防錆効果も期待できます。
長期間使用しない場合でも、サビによるダメージを防ぐための基本的なメンテナンスが可能です。
特に冬季や雨季に車を使用する場合には有効です。 - 専門業者による施工
確実な防水や美観を求める場合、専門業者に薄板加工を依頼することも選択肢です。
プロの手で仕上げられた処理は、見た目の美しさと耐久性を両立させることができます。
これらの対策によって、リアワイパーを外した際のデメリットを補い、車の外観と機能性を保つことが可能です。
選択肢にはそれぞれの利点がありますので、自分のスタイルや使用条件に合わせた対策を施すことが望ましいでしょう。
わざと外すリアワイパーレスはなぜダサい?│車検、違反など

リアワイパーレスは見た目のすっきり感や洗車のしやすさ、軽量化といったメリットを求めて行うユーザーが多い一方で、安全面や車検面、法的な面でのデメリットも無視できません。
リアワイパーレスは車検に通る?
実際の車検場では、以下のようなケースに分かれることが多いです。
1.アームとブレードのみを取り外し、モーターの軸が残っている場合
この状態は「ワイパーが故障している」または「整備不良」と判断されることがあります。
検査官によっては「本来の機能を有していない」として不合格とされる場合があります。
一方で、「軸が残っており、アームとブレードを取り付ければ機能する」と解釈され、そのまま合格となるケースもあり、判断が分かれる典型的な例です。
2.ワイパーユニット一式を取り外し、キャップで穴を塞いでいる場合
こちらも判断が難しいケースです。
キャップで綺麗に処理されているため、「ワイパーの装備そのものがない」と見なされ、指摘されないこともあります。
しかし、厳格な検査官であれば、車両の型式から標準装備であることを確認し、「本来あるべき保安部品が取り外されている」として不合格と判断する可能性があります。
3.板金塗装で穴を完全に埋める「スムージング」を施した場合
外観上、ワイパーがあった痕跡が全くないため、検査官がその車両の標準装備を熟知していない限り、そのまま合格となる可能性が最も高いです。
しかし、これも厳密に言えば、本来の仕様から変更されていることに変わりはありません。
- ディーラー車検は特に厳しい傾向
特に注意が必要なのが、メーカー系のディーラーで行う車検です。
ディーラーはメーカーの看板を背負っているため、コンプライアンス(法令遵守)を非常に重視します。
そのため、純正の状態から少しでも外れる改造に対しては、たとえ民間車検場で合格するような内容であっても、厳しく「NG」と判断する傾向が強いです。
リアワイパーレスの状態でディーラーに入庫した場合、車検の前に「純正状態に戻すこと」を求められるのが一般的です。 - 結論
このように、リアワイパーレスの車検合否は、法律の解釈と現場の判断に大きく左右される不安定な状態にあります。
もしこのカスタムを施すのであれば、「車検時には純正状態に戻す」という前提で考えるのが、最も賢明で確実な方法です
リアワイパーが無い車は違反ですか?

リアワイパーが無いこと自体が、直ちに交通違反(いわゆる青切符)として検挙されるケースは稀です。
しかし、それは「完全に合法で問題ない」という意味では決してありません。
そこには、車検と日常の交通違反との、少し複雑な関係が存在します。
- 「整備不良」という違反項目
道路交通法には「整備不良車両の運転の禁止」という規定があります。
これは、ブレーキが効かない、ライトが点灯しないといった、保安基準に適合しない状態で車両を運転してはならない、という法律です。
警察官は、走行中の車両が明らかに整備不良であると判断した場合、車両を停止させ、点検することができます。
では、リアワイパーレスがこの「整備不良」に該当するのでしょうか。
ここが難しいポイントです。
前述の通り、リアワイパーは車検(道路運送車両の保安基準)においてグレーゾーンの存在です。
そのため、現場の警察官がリアワイパーが無いことだけを理由に、明確な「整備不良」として積極的に取り締まることは、現実的には少ないようです。
- 違反となる可能性が高まる状況がある
ただし、これは「絶対に大丈夫」という保証ではありません。
違反として指摘される可能性が高まる状況が存在します。
それは、悪天候時です。
例えば、大雨や降雪時に、泥水で汚れたリアガラスのまま走行しているとしましょう。
後方視界が著しく悪い状態であることは誰の目にも明らかです。
このような状況で警察官に停止を求められた場合、「安全な運転に必要な視界を確保できていない」という理由から、整備不良を指摘される可能性は十分に考えられます。
これは単にリアワイパーの有無だけでなく、「安全運転義務違反」(-2点)という、より広い解釈で指導を受ける可能性も示唆しています。
警察官の職務は交通の安全を守ることであり、危険な状態を看過することはできません。
リアワイパーレスという「原因」そのものよりも、それによって引き起こされる「危険な結果(視界不良)」が問題視されるのです。
- 覚えておくべきリスク
日常の走行で検挙される可能性は低いとしても、覚えておくべきリスクは「事故発生時の不利な扱い」です。
万が一、後方車両との追突事故や、車線変更時の接触事故などを起こしてしまった場合、保険会社や警察の調査でリアワイパーが取り外されていることが発覚すればどうなるでしょうか。
「後方確認が不十分だった原因の一つとして、本来あるべき安全装備を意図的に取り外していた」と判断され、事故の過失割合において、あなたが不利になる可能性は否定できません。
これは、金銭的な負担が増えるだけでなく、法的な責任も重くなることを意味します。
結論として、リアワイパーレスが即座に交通違反となる可能性は低いものの、それは常に「保安基準不適合」および「整備不良」と見なされるリスクを内包した状態です。
そのリスクを承知の上でスタイルを追求するのか、それとも安全とコンプライアンスを優先するのか。
この問いに対する答えは、ドライバー一人ひとりの見識と責任感に委ねられています。
リヤワイパーレスの車があるのはなぜ?
リアワイパーが付いていないモデルが存在する理由は、主に車のボディ形状と空力特性に大きく関係しています。
特にセダンタイプの車にはリアワイパーが装着されていないことが多いですが、それはリアガラスの傾斜と気流の流れが、雨や汚れを自然に落としやすい構造になっているからです。
セダンのリアウインドウはルーフからトランクへかけて滑らかに流れる形状で、走行中の空気の流れによって水滴が飛ばされやすく、泥や汚れもつきにくいのが特徴です。
そのため、視界確保のためにリアワイパーを必要としない場合が多いのです。
一方、SUVやミニバンなどの2ボックスタイプの車種は、背が高くリアガラスが垂直に近い形状になっていることが多く、ここに泥や雨水が溜まりやすいためリアワイパーの装着が一般的です。
こうした車は、リアワイパーによって後方視界を確保する必要性が高いためです。
また、近年の車ではデザイン性や空力性能を重視する傾向が強まり、リアワイパーをあえて省略してスッキリとしたリアビューを実現するモデルも増えています。
具体例としては、2022年の新型プリウス(6代目)がリアワイパーを搭載せず、空力やスタイリングを優先した設計となっていることが挙げられます。
このように、リアワイパーレスのモデルは車の形状や機能要求、デザイン戦略に基づいて設定されているためであり、単に装備を省いただけではありません。
リアワイパーの装着・非装着は「必要かどうか」の判断に基づいた合理的な選択なのです。
総括│わざと外すリアワイパーレスはなぜダサい?
リアワイパーをあえて外すことには、デザインの洗練や空力性能向上といったメリットがあります。
しかし、それが「ダサい」と思われるかどうかは、個々の価値観や優先順位に依存します。
安全性や快適性が犠牲になる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
実用的な対策や法規制に関する確認を怠らず、自分のライフスタイルや運転環境に合わせた選択を行うことが求められます。
最終的に、リアワイパーを外すかどうかは、個性の表現と実用性をどのようにバランスさせるかにかかっています。
ぜひ、自分自身のスタイルに合った車のあり方を見つけてください。