サイドミラーが動かない!こんな経験はありませんか?
特に電動で格納・展開するタイプのサイドミラーは、モーターの故障をはじめ様々な原因で不具合を起こしやすいものです。
自分でサイドミラーの修理、特にモーターを直したいと考えている方もいるかもしれません。
この記事では、サイドミラーのよくあるトラブルとその原因、そして修理費用や注意点まで、サイドミラー修理に関する情報を解説します。
記事のポイント
サイドミラーのモーター故障は、摩耗や接触不良が多い
ヒューズ切れや配線不良など電気系統トラブルが原因になる
グリス切れや経年劣化もミラー不具合の原因になる
修理費用はモーター交換で1~3万円、全体交換で2~5万円程度が目安
サイドミラー故障時の運転は危険で違法となる場合も
目 次
サイドミラー修理ガイド:モーター故障

サイドミラーのモーター修理は、動作不良や異音の原因を的確に見極めることから始まります。
故障の多くはモーター内部やギアの摩耗、配線の接触不良に起因します。
サイドミラーが機能しない主な理由
サイドミラー不具合の原因が単独で発生する場合もあれば、複数の要因が重なって不具合を引き起こす場合もあります。
正確な原因を特定するためには、専門家による点検が必要です。
- 電気系統のトラブル
- ヒューズ切れ
サイドミラーのモーターは比較的少ない電流で動作しますが、過電流が流れた場合、ヒューズが切れて機能しなくなります。
他の電装品とヒューズを共有している場合もあるので、サイドミラー以外の電装品に異常がないか確認することも重要です。 - 配線不良
サイドミラー内部の配線が断線、ショート、またはコネクタの接触不良を起こしている可能性があります。
衝撃や振動、経年劣化によって配線が損傷することがあります。 - スイッチの故障
サイドミラーを操作するスイッチ自体が故障している場合、信号がモーターに伝わらなくなり、動作不良を起こします。
スイッチの接触不良や、内部部品の破損などが考えられます。 - モーターへの電力供給不足
バッテリーの電圧低下や、オルタネーターの不具合などにより、モーターに十分な電力が供給されていない場合も、動作が不安定になったり、全く動かなくなったりします。
2. 機械的な故障
- モーターの故障
サイドミラーを動かすモーター自体が焼き付いたり、内部のギアが破損したりすることで、動作しなくなることがあります。
異音や振動を伴う場合は、モーターの故障が疑われます。 - ギアの破損
モーターの回転をミラーに伝えるギアが破損している場合、モーターは動いていてもミラーが動きません。
こちらも異音が発生することがあります。 - ミラーの固定部の破損
事故や強い衝撃により、ミラーの固定部分が破損すると、ミラーがぐらついたり、正常な位置に固定されなくなったりします。
3. 経年劣化
- グリス切れ
可動部分のグリスが劣化したり、減少したりすると、動きが鈍くなったり、異音が発生したりします。 - 配線の劣化
時間の経過とともに配線が劣化し、断線やショートを起こしやすくなります。 - モーターのブラシの摩耗
モーター内部のブラシが摩耗すると、モーターの性能が低下し、最終的には動作しなくなります。
サイドミラーの特定の症状から原因を探る

サイドミラーの不具合は様々な症状で現れます。
それぞれの症状から原因を絞り込むことで、効率的な修理に繋がります。
- ミラーが全く動かない
- 考えられる原因
ヒューズ切れ、配線不良(断線、ショート、接触不良)、スイッチの故障、モーターの故障、モーターへの電力供給不足。 - 確認事項
まずヒューズを確認し、切れていれば交換します。
次に、テスターを用いてスイッチやモーターへの通電、配線の導通を確認します。
モーターに直接電圧をかけても動かない場合は、モーターの故障が濃厚です。
2. ミラーの動きが遅い、ぎこちない
- 考えられる原因
グリス切れ、配線不良(接触不良)、モーターのブラシの摩耗、ギアの破損。 - 確認事項
ミラーの可動部分にグリスアップを行い、改善するか確認します。
配線の接触不良も疑われるため、コネクタの接続状態を確認します。
モーターのブラシの摩耗やギアの破損は、モーター自体を分解点検する必要があります。
3. ミラーが特定の方向にしか動かない
- 考えられる原因
スイッチの故障、配線不良。
スイッチの各操作で正しく信号が出ているかテスターで確認します。
特定の配線が断線している可能性もあるため、配線の導通チェックが必要です。
4. ミラーがガタガタする、振動する
- 考えられる原因
ミラーの固定部の破損、ギアの破損。
ミラーを手で動かしてみて、ガタツキの程度や異音を確認します。
ミラーの固定部に破損が見られる場合は、交換が必要になります。
5. 格納/展開ができない
- 考えられる原因
モーターの故障、ギアの破損、配線不良、スイッチの故障。
ミラーが全く動かない場合と同様に、ヒューズ、スイッチ、配線、モーターを順に確認していきます。
格納/展開機構に特化した部品の故障も考えられます。
サイドミラーの修理が不可欠となる状況
サイドミラーは安全運転に不可欠な装置です。
そのため、以下のような状況では、速やかに修理を行う必要があります。
- 車検に通らない場合
ミラーが破損していたり、全く動作しない場合は車検に通らない可能性があります。
保安基準に適合するよう、修理または交換が必要です。
特に、電動格納式ミラーが正常に動作しない場合は、車検不合格となる可能性が高いです。 - 視界確保が困難な場合
ミラーの角度調整ができない、ミラーが振動して後方確認が難しい、ミラーレンズが破損して視界が遮られているなど、安全な運転に必要な視界が確保できない場合は、すぐに修理が必要です。
事故のリスクを低減するために、早急な対応が重要です。 - ミラーがぐらついたり、脱落しそうになっている場合
ミラーの固定部分が破損している場合は、走行中にミラーが脱落する危険性があります。
後続車に危険を及ぼすだけでなく、自身も視界を失うリスクがあります。
早急に修理または交換が必要です。 - 電動格納が正常に動作しない場合
電動格納ミラーが正常に格納/展開しない場合は、狭い場所での駐車に支障をきたします。
また、洗車機を使用できなかったり、開閉時に他の車両や壁に接触するリスクがあります。
サイドミラーを自力で試せる応急処置は?

サイドミラーの不具合の中には、自身でできる応急処置で改善する場合もあります。
安全に作業を行い、無理な場合はすぐに専門業者に依頼しましょう。
- ミラーの角度調整ができない場合
ミラーの付け根部分を手で優しく動かしてみて、スムーズに動くか確認します。
固着している場合は、無理に動かすと破損する可能性があるので、潤滑剤を少量吹き付けて様子を見ましょう。 - ミラーがガタガタする場合
ミラーの付け根や固定部分に緩みがないか確認し、増し締めできる場合は工具を使って締め付けます。 - 電動格納がスムーズにいかない場合
格納/展開時に異音がする場合は、可動部分に潤滑剤を少量吹き付けて様子を見ます。
グリス切れが原因で動きが悪くなっている場合に有効です。 - ヒューズが切れている場合
サイドミラーのヒューズが切れている場合は、同じアンペア数の新しいヒューズと交換します。
ヒューズボックスの位置や、サイドミラーのヒューズがどれかは、車の取扱説明書を確認してください。
サイドミラーの修理にかかる費用の目安
サイドミラーの修理費用は、不具合の箇所や程度、車種、交換部品の種類などによって大きく異なります。
以下は一般的な費用の目安であり、実際の費用は整備工場やディーラーによって異なる場合があります。
- モーターの交換 : 10,000円~30,000円程度
モーター交換の場合は、部品代に加えて工賃も発生します。
電動格納機能付きミラーの場合、モーター交換が必要になるケースが多いです。 - 配線修理 : 5,000円~20,000円程度
配線の断線やショートなどの修理費用は、損傷の範囲によって大きく変動します。 - ミラー全体の交換 : 15,000円~50,000円程度
ミラー全体の交換は、部品代が高額になるため、修理費用も高くなります。
特に、先進安全機能が搭載されたミラーは高額になる傾向があります。 - 工賃 : 5,000円~15,000円程度
作業内容によって工賃は変動します。
ミラーレンズ交換のような簡単な作業であれば工賃は比較的安価ですが、モーター交換や配線修理など、複雑な作業の場合は高額になる傾向があります。 - その他
輸入車の場合は、国産車に比べて部品代が高額になる傾向があります。
サイドミラー修理ガイド:モーター故障│影響と法的要件

モーター音が継続する状態はバッテリー上がりのリスクも高まるため、早めの点検・修理が安全です。
サイドミラーは運転の安全確保に不可欠な装置であり、故障したままの運転は法的にも禁止されているため、問題があれば速やかに修理対応することが重要です。
サイドミラーの安全性と法的要件
サイドミラーは、運転者が左右後方の状況を的確に確認するために欠かせない安全装置であり、法律上も設置と機能保持が義務付けられています。
具体的には、道路運送車両の保安基準第44条により、サイドミラーは次の基準を満たす必要があります。
- 車体から250mm以上はみ出さず、運転席から左右外側線の後方50メートルまでが見える位置に設置されていること
- 走行中にミラーが落下しないよう確実に取り付けられていること
- 方向調節が可能で、一度設定した角度を保てること
- 歩行者と接触した際に衝撃を和らげる構造であること
- ミラー面に割れ、ひずみ、曇りがないこと
これらを満たさないサイドミラーは車検に通りません。
サイドミラーが壊れたまま運転してもいいですか?

サイドミラーが壊れたまま運転することは危険であり、法律違反にもなる可能性があります。
サイドミラーは後方と側方の視界を確保し、安全な運転を行うために不可欠な装置です。
壊れたまま運転すると、以下のリスクがあります。
- 死角の増加による事故の危険性
サイドミラーがない、もしくは機能していないと死角が大幅に増え、車線変更時や合流時などに他の車両や歩行者を見落とす可能性が高くなります。 - 後方確認の困難さ
壊れたミラーでは、後方車両の接近速度や距離を正確に把握することが難しくなります。 - 法律違反
道路運送車両の保安基準では、サイドミラーの設置と正常な機能が義務付けられています。
壊れたまま運転すると、整備不良車両として道路交通法違反となり、罰則が科せられる可能性があります。
サイドミラーのモーター音が続くとバッテリー上がる?
サイドミラーのモーター音が続く状態は、モーターや配線の異常が原因で起こることが多く、バッテリー上がりのリスクが高まります。
通常、サイドミラーのモーターはスイッチの操作に応じて動き、動作後は電力消費が停止しますが、内部の配線ショートやスイッチの誤作動でモーターが動き続けると、常に電流を消費し続ける状態になります。
このように無駄な電力消費が続くと、バッテリーの電力がどんどん減少してしまいます。
特に、エンジン停止中にモーター音が途切れず聞こえる場合は、早急な点検が必要です。
総括│サイドミラー修理ガイド:モーター故障
サイドミラーは安全運転に欠かせない重要な装備であり、そのモーターが故障した際には迅速な対応が必要です。
本記事では、モーターの不具合から原因、応急処置、修理にかかる費用、安全性や法的要件まで包括的に解説しました。
サイドミラーが正常に機能しないと視界が制限され、運転に支障をきたします。
異常を感じたら、早急に専門家に相談し、必要な修理を行いましょう。