運転中にアクセルを踏んでないのに回転数が上がる…
こんな不思議な現象を経験したことはありませんか?
アイドリングストップ機能のない車で、信号待ちをしている時などに、エンジン回転数が異常に高い状態が続くのは正常ではありません。
この一見小さな不具合が、実は大きなトラブルの予兆である可能性も。
燃費悪化やエンジンへの負担増加に繋がる前に、原因を理解し、適切な対処をすることが大切です。
この記事では、アクセルを踏んでないのに回転数が上がる原因を探り、その解決策を具体的に解説していきます。
記事のポイント
スロットルバルブなどの汚れや固着、センサーの誤作動などの異常が疑われる
インジェクターなどの燃料供給系の問題も考えられる
ECUの故障が原因で、回転数が不安定になるケースもある
トランスミッションに起因する可能性もある
目 次
アクセルを踏んでいないのに回転数が上がるのはなぜ?

通常、アクセル操作で回転数は変わりますが、踏んでいないのに回転数が上がる場合、スロットルバルブなどの汚れや固着、センサーの誤作動など、エンジン周りの異常が疑われます。
エンジン始動直後の暖機運転時に、回転数が高くなるファーストアイドルという正常な動作もありますが、異常が続く場合は早めの点検が必要です。
エンジン回転数が勝手に上がる原因は何ですか?
アクセルを踏んでいないのにエンジン回転数が上がってしまうのは、ドライバーにとって不安な現象です。
放置するとエンジンへの負担が増加し、深刻な故障に繋がる可能性もあります。
この現象の原因は様々ですが、主なものを以下に挙げて解説します。
- アイドル回転数の調整不良
【アイドルスクリューの調整ミス】
アイドリング時の回転数を調整するスクリューの設定が適切でない場合、回転数が上がりすぎる、もしくは下がりすぎるといった症状が現れます。
キャブレター車に多く見られます。
【アイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)の不具合】
電子制御式燃料噴射装置を搭載した車両では、ISCバルブがアイドル回転数を制御しています。
このバルブが汚れたり、故障すると、回転数が不安定になることがあります。 - 吸気系の問題
【エアバイパスバルブ/ポートの不具合】
冷間時のアイドルアップを制御するエアバイパスバルブやポートに不具合があると、回転数が上がり続けることがあります。
【バキュームホースの亀裂/抜け】
エンジン内の負圧を利用する様々な部品に繋がるバキュームホースに亀裂や抜けがあると、空気が余分に入り込み、回転数が上昇する可能性があります。
【スロットルバルブの汚れ/固着】
スロットルバルブが汚れたり、固着すると、バルブが完全に閉じなくなり、回転数が上がることがあります。
【吸気マニホールドガスケットの破損】
吸気マニホールドとエンジンブロックの間のガスケットが破損すると、そこから空気が余分に入り込み、回転数が上昇する可能性があります。 - 燃料供給系の問題
【インジェクターの漏れ】
インジェクターが燃料を過剰に噴射している場合、回転数が上がります。
【燃料圧レギュレーターの不具合】
燃料圧レギュレーターが正常に動作していないと、燃料圧力が高くなりすぎて、回転数が上がる可能性があります。
【キャブレター車の場合】
フロートレベルの異常、ニードルバルブの詰まりなどが考えられます。 - 冷却水温センサーの不具合
冷却水温センサーがECUに誤った信号を送ると、エンジンが冷えていると判断され、アイドルアップ状態が継続することがあります。 - その他
【ECUの不具合】
エンジンコントロールユニット(ECU)の故障が原因で、回転数が不安定になるケースもあります。
【オルタネーターの不具合】
オルタネーターが過剰な電圧を発生させている場合、ISCバルブの動作に影響を与え、回転数が上昇することがあります。
エンジン回転数の勝手な上昇はエンジンや周辺装置の異常を示すため、早急な対処が求められます。
定期的なメンテナンスと適切な整備が重要です。
ハンチング現象とは何ですか?
ハンチング現象とは、エンジン回転数がアクセル操作とは無関係に、周期的に上下に変動する現象です。
まるでエンジンが息継ぎをしているように、回転数が上がったり下がったりを繰り返します。
この不安定な回転変動は、アイドリング時だけでなく、走行中にも発生する可能性があり、スムーズな運転を妨げるだけでなく、エンジンにも負担をかけます。
ハンチング現象の原因は多岐に渡り、複雑に絡み合っている場合もあります。主な原因は以下の通りです。
- 吸気系の問題
【バキュームホースの亀裂/抜け】
エンジン内の負圧を利用する様々な部品に繋がるバキュームホースに亀裂や抜けがあると、ハンチングの原因となります。
負圧が安定しなくなることで、燃料供給や点火時期が乱れるためです。
【スロットルバルブ/ISCバルブの汚れ/固着】
スロットルバルブやアイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)が汚れたり、固着すると、空気の流量が不安定になり、ハンチングが発生しやすくなります。
【エアクリーナーの詰まり】
エアフィルターが詰まっていると、エンジンに必要な空気量が不足し、ハンチングを起こすことがあります。 - 燃料供給系の問題
【インジェクターの詰まり/汚れ】
インジェクターが詰まったり汚れていると、適切な量の燃料が噴射されなくなり、ハンチングの原因となります。
【燃料ポンプの不具合】
燃料ポンプが正常に作動しないと、燃料供給が不安定になり、ハンチングが発生する可能性があります。
【燃料圧レギュレーターの不具合】
燃料圧レギュレーターが適切な燃料圧力を維持できないと、混合気が不安定になり、ハンチングが起こります。
【キャブレター車の場合】
フロートレベルの異常、ジェット類の詰まり、ニードルバルブの摩耗などが考えられます。 - 点火系の問題
【点火プラグの劣化/不良】
点火プラグが劣化していると、適切な点火が行われず、ハンチングの原因となります。
【イグニッションコイルの不具合】
イグニッションコイルが正常に機能していないと、点火プラグへの適切な電圧供給ができなくなり、ハンチングが発生する可能性があります。
【プラグコードの劣化/断線】
プラグコードが劣化していたり断線していると、点火プラグに電気がきちんと届かず、ハンチングが起こることがあります。 - センサー系の問題
【O2センサーの不具合】
O2センサーが正確な排気ガス中の酸素濃度を検知できないと、ECUが適切な燃料噴射量を制御できず、ハンチングが発生することがあります。
【冷却水温センサー/吸気温センサーの不具合】
これらのセンサーがECUに誤った信号を送ると、適切な燃料供給や点火時期が設定されず、ハンチングが起こる可能性があります。 - ECUの不具合
ECUが故障していると、エンジン制御が不安定になり、ハンチングの原因となることがあります。
ハンチングはエンジンの燃焼効率や性能低下、最悪の場合エンジン損傷につながる恐れがあるため、早期の点検・整備が必要です。
エンジン回転数が勝手に上がる現象の対処法は?
エンジン回転数が、アクセルを踏んでいないのに勝手に上がる現象に遭遇した場合、迅速かつ適切に対応することが重要です。
この現象はさまざまな原因によって引き起こされるため、以下の対処法を参考にしながら問題を特定し、解決を試みましょう。
- エアリークのチェックと修理
インテークマニホールド、ホース、ガスケットなど、エアリークの可能性がある部分を点検します。
亀裂や劣化が見られる場合は、それらを修理または交換して、外部からの空気の混入を防ぎましょう。 - アイドルエアコントロールバルブ(IACV)の清掃と点検
IACVが汚れていたり故障している場合は、カーボンの蓄積を清掃します。
それでも改善しない場合は、部品の交換が必要になるかもしれません。 - スロットルボディの清掃
スロットルボディにカーボンが溜まると、開閉が正常に行えなくなります。
定期的な清掃でこれを防ぎ、正常な動作を確保しましょう。 - センサー類の検査と交換
スロットルポジションセンサー(TPS)、マップセンサー、酸素センサーなどの異常がないか診断ツールを使用して確認します。
不具合がある場合は、適切に交換します。 - 燃料システムの点検
燃料噴射システムのインジェクターが正常に動作しているか確認します。
詰まりがある場合はクリーニングを行い、それでも解決しない場合は交換が必要です。 - ECUの診断とリセット
ECU(エンジンコントロールユニット)のエラーコードを確認し、必要に応じてリセットや再プログラミングを行います。
これらの手順を通じて、エンジン回転数が勝手に上がる現象を改善できる場合がありますが、複雑な問題や専門的な修理が必要な場合もあります。
アクセルを踏んでいないのに回転数が上がるのはなぜ?│様々な原因

アクセルを踏んでいないにもかかわらずエンジン回転数だけが上がる現象は、ドライバーにとって不安要素となることが多いです。
このような問題は、エンジン制御やトランスミッションに関連するいくつかの原因に起因する可能性もあります。
アイドリング時の回転数が高い原因はなに?
アイドリング時の回転数が通常より高い状態になる原因は、主に以下のようなものがあります。
- アイドルスピードコントロールバルブ(ISCV)の不調
アイドリング時にエンジンに必要な最低限の空気量を調整する、ISCVが汚れや故障で正常に動作しない場合、空気の流入量が増えすぎて回転数が高くなることがあります。
このバルブの不具合はハンチング(回転数の不安定化)にもつながります。 - スロットルボディの汚れや異常
スロットルバルブ周辺にカーボンや汚れが付着すると、バルブの動きが鈍るだけでなく閉じきらないこともあり、その結果として過剰な空気が吸入され高回転の原因となります。 - 点火時期や空燃比のズレ
点火時期が適正でない場合や、燃料と空気の混合比(空燃比)が崩れると、アイドリングの回転数が高くなったり不安定になることがあります。
点火のタイミングや、燃料供給の調整が必要です。 - エンジン始動直後の冷間作動
冷間時はエンジンを暖めるために、自動的にアイドリング回転数が高めに設定される車種が多く、このため始動直後に回転数が高くなることがあります。
ただし、水温が上がれば正常値に落ち着きます。
これらの原因によりアイドリング時の回転数が必要以上に高くなることがあり、放置すると燃費の悪化やエンジンへの負担増加につながります。
早めに原因の特定と対策を行うことが重要です。
CVT車でエンジン回転数が勝手に上がる原因は?
CVT車の場合、アクセルを踏んでいないのにエンジン回転数が勝手に上がる場合、CVTの特性を理解した上で、原因を探ることが重要です。
- CVT特有の原因
【CVTの油圧制御系の異常】
CVTは、油圧によって変速比を制御しています。
油圧制御系に異常があると、適切な変速比が維持できず、回転数が不安定になることがあります。
具体的には、バルブボディの故障、油圧センサーの不具合、CVTフルードの劣化などが考えられます。
【CVTベルト/プーリーの摩耗/損傷】
CVTベルトやプーリーが摩耗したり損傷していると、滑りが発生し、回転数が上がることがあります。 - CVT車にも共通する原因
【アイドル回転数の調整不良】
ISCバルブの不具合や汚れ、スロットルポジションセンサーの故障などにより、アイドル回転数が正しく制御されず、回転数が上がることがあります。
【吸気系の問題】
バキュームホースの亀裂や抜け、スロットルバルブの汚れや固着、吸気マニホールドガスケットの破損などにより、余分な空気が入り込み回転数が上昇する可能性があります。
【燃料供給系の問題】
インジェクターの漏れ、燃料圧レギュレーターの不具合、燃料ポンプの故障などにより、燃料供給が過剰になり回転数が上がる可能性があります。
【冷却水温センサーの不具合】
冷却水温センサーがECUに誤った信号を送ると、エンジンが冷えていると判断され、アイドルアップ状態が継続し回転数が高くなることがあります。
【電気系統の問題】
オルタネーターの不具合により過剰な電圧が発生し、回転数が上昇する可能性があります。
【ECUの不具合】
ECUの故障が原因で、回転数が不安定になるケースもあります。
CVT車は、その構造上、回転数が変動しやすい特性があります。
原因特定は、専門的な知識と設備が必要です。
CVTに精通した整備工場に相談し、適切な診断と修理を受けることをお勧めします。
オートマ車でエンジン回転数だけ上がる原因は?
オートマ車でアクセルを踏んでいないのにエンジン回転数だけが上がる場合、主に以下のような原因が考えられます。
- トルクコンバータの問題
オートマ車はトルクコンバータを使用して、エンジンとトランスミッションを接続しています。
このコンバータが故障すると、効率的にエンジンの回転を車輪に伝えられず、回転数だけが上がることがあります。
特にクラッチが滑る場合、エンジンの動力が適切に伝わらないため、回転数が異常に上昇することがあります。 - トランスミッションフルードの状態
トランスミッションフルードが不足している、または劣化していると、ギアの変速が不安定になり、回転数が不自然に上がることがあります。
定期的なフルードのチェックと交換が必要です。 - トランスミッションの電子制御の問題
最近のオートマ車は、電子制御ユニット(ECU)やトランスミッションコントロールモジュール(TCM)によって制御されています。
これらの電子部品に問題があると、エンジン回転数とギアの同期が取れず、回転数だけが上がる現象を引き起こす可能性があります。 - スロットルポジションセンサー(TPS)の不具合
エンジンのスロットルバルブの開度を検出するTPSが故障すると、ECUに誤った信号を送り込み、エンジンの回転数が異常に上がることがあります。 - チェックエンジンライトが点灯している場合
エンジン警告灯が点灯している場合、センサーや電子制御に問題がある可能性が高いです。
ECUが保護モードに入って回転数が上がることがあるため、速やかに診断が求められます。
このような症状を経験した場合は、放置せずに専門的な診断を受けることが重要です。
総括│アクセルを踏んでいないのに回転数が上がるのはなぜ?
アクセルを踏んでいないのにエンジン回転数が上がる現象は、ドライバーにとって不安なだけでなく、エンジンへの負担も増大させます。
また、様々なトラブルの引き金となる可能性があります。
その原因は、アイドル回転数の調整不良、吸気系の問題、燃料供給系の問題、センサーの不具合、ECUの故障など多岐に渡ります。
CVT車やAT車では、それぞれ特有の原因も存在し、さらに複雑な状況になることもあります。
ご自身でできる範囲の確認としては、アクセルペダルの戻り具合やフロアマットの干渉、バキュームホースの状態などをチェックすることです。
しかし、根本的な解決のためには、専門的な知識と設備が必要となります。
専門整備士による診断で根本原因を特定し、適切な修理を行うことが安心・安全な運転につながります。