快適なドライブ中に突然、アクセルを踏むとガクンと車が揺れたり、異音がしたりする経験はありませんか?
この不快なショックは、単なる乗り心地の問題にとどまらず、車の様々な部分の不調を知らせる重要なサインかもしれません。
その原因はエンジン、トランスミッション、駆動系など多岐にわたり、放置すると深刻な故障や事故に繋がる可能性も潜んでいます。
このページでは、アクセル操作時に発生するショックの様々な原因と、その対処法について解説していきます。
早期発見と適切な対処によって、安全で快適なカーライフを守りましょう。
記事のポイント
燃料系統、点火系統、変速機に問題がある可能性が高い
制御系統の問題、エンジン内部のカーボン蓄積でも発生する
エンジンマウント、タイヤなどの足回りの問題も考えられる
単なる運転時の不快感と片付けるのでなく、早期の点検と修理を
目 次
アクセルを踏むとガクンとなる症状は?

アクセルを踏んだときに車がガクンとなる症状は、主にエンジンやトランスミッション、そして足回りの不具合が原因で起こります。
車が低速でガックンとするのはなぜですか?
低速走行時、アクセルを踏むとガクンとショックがある、いわゆるガックン現象。
これは多くのドライバーが経験する症状であり、放置すると大きなトラブルに繋がる可能性もあります。
原因は様々ですが、主なものをいくつかご紹介します。
- エンジン回転数とギアのミスマッチ(カーノック・低速ノッキング)
運転速度に対してエンジン回転数が低すぎる場合。
特にマニュアル車で高いギアのまま発進したり、低速での右左折時にエンジンがうまく回転数を合わせられず、車体がガクガク揺れるカーノックと呼ばれる症状が発生します。
これはエンジンの動力伝達が滑らかでないために起きる振動で、エンジンマウントやミッションマウントの劣化もこの症状に拍車をかけます。 - EGRバルブの不具合
排気ガス再循環装置(EGRバルブ)が汚れていたり故障していると、燃焼効率が落ちて低速時のエンジンの調子が悪くなり、アクセルを踏んだときに一瞬ガクッとなることがあります。 - 点火系統の異常(スパークプラグの消耗など)
スパークプラグが摩耗したりイグニッションコイルの調子が悪いと、燃焼が不完全になりエンジンが不調を起こします。
これにより、加速時に振動やショックが生じることがあります。金属音やガタガタとした振動として感じられることが多いです。 - 燃料系統の問題やカーボンの堆積
燃料噴射の不具合や燃焼室内のカーボン堆積があると、燃料と空気の混合が適切に行われず燃焼が安定しません。
その結果、低速走行時にエンジンが息継ぎのような症状やガクつきを起こします。 - CVT(無段変速機)やソフトウェアの問題
特にCVT搭載車では、低速時のギア制御がうまくいかないことで振動やガクつきが発生します。
CVTのフルード交換不足や車両コンピューターのソフトウェア更新不足も原因として挙げられています。
CVTが発進時にガクンとなる原因は?
この現象は、様々な原因が考えられますが、大きく分けて「CVT内部の機械的な問題」「CVTフルードの問題」「制御系の問題」の3つに分類できます。
- CVT内部の機械的な問題
・金属ベルトやプーリーの摩耗/劣化
CVTは金属ベルトとプーリーの組み合わせで変速比を変化させています。
これらの部品が摩耗したり劣化すると、スムーズな変速ができなくなり、発進時にガックンというショックが発生することがあります。
特に、過走行のお車ではこれらの部品の劣化が進んでおり、発生しやすい傾向にあります。
・バルブボディの不具合
バルブボディはCVT内の油圧を制御する重要な部品です。
バルブボディ内部のバルブが詰まったり、動作不良を起こすと、適切な油圧制御ができなくなり、発進時のショックにつながることがあります。 - CVTフルードの問題
・CVTフルードの劣化/不足
CVTフルードはCVTの潤滑や冷却、油圧制御など、非常に重要な役割を担っています。
CVTフルードが劣化したり不足すると、CVTの性能が低下し、発進時のショックだけでなく、様々な不具合を引き起こす可能性があります。
CVTフルードは定期的な交換が必要です。
ご使用状況によっては、メーカー推奨よりも早めの交換が必要な場合もあります。
・CVTフルードの適合性の問題
適切なCVTフルードを使用していない場合、CVTの動作に悪影響を及ぼし、発進時のショックなどの問題が発生する可能性があります。
必ずメーカー指定のCVTフルードを使用してください。 - 制御系の問題
・CVTコンピューターの不具合
CVTの動作を制御するコンピュータープログラムに異常があったり、センサーからの情報が正しく入力されていないと、CVTの制御が不安定になり、発進時のショックにつながる可能性があります。
・センサーの不具合
車速センサーや回転センサーなど、CVTの制御に関わるセンサーが故障していると、コンピューターが正確な情報を得ることができず、誤った制御を行うことで発進時のショックが発生することがあります。
アクセルを踏むとノッキングするのはなぜですか?
異音や振動(ノッキング)が発生する主な原因は、異常燃焼や部品の不具合が関係しています。
【具体的な要因】
- 点火系統の異常
スパークプラグやイグニッションコイルの劣化により、点火タイミングが乱れると燃焼が不安定になります。
特に低回転でアクセルを踏んだ際、未燃焼ガスが異常発火しプレイグニッションが発生。
これがノッキングの原因になります。
症状が続く場合は、部品の交換が必要です。 - 燃焼室内のカーボン堆積
燃焼室にカーボンが蓄積すると、高温時に自然発火が発生。
これがノッキングの異音や振動として伝わります。
定期的なエンジン洗浄やカーボン除去剤の使用が有効です。 - 不適切な燃料の使用
オクタン価の低いガソリンやセタン価の低い軽油(ディーゼル車の場合)を使用すると、燃焼速度が速まり異常燃焼が起きやすくなります。
ディーゼル車では、ガラガラというディーゼルノックが発生し、シリンダー内圧の急上昇で振動が生じます。 - ノックセンサーの故障
ノッキングを検知し点火タイミングを調整するノックセンサーが不調だと、異常燃焼を抑制できません。
センサーが破損するとエンジンの吹き上がりが悪化し、ノッキングが顕著になります。 - エンジンオイル関連のトラブル
オイル下がり(エンジンオイルが燃焼室に混入する現象)により異常燃焼が発生。
さらに、オイルの粘度低下や劣化でエンジン内の冷却性能が落ち、高熱状態がノッキングを誘発します。
【対処法】
▶ 定期点検
・ スパークプラグやイグニッションコイルを2万~4万kmごとに点検
・ 燃焼室のカーボン堆積は5万kmを目安に洗浄
▶ 燃料選択
・ ガソリン車は指定オクタン価の燃料を、ディーゼル車はセタン価の高い軽油を使用
▶ 部品交換
・ ノックセンサーの不調時は早期交換
・ エンジンオイルは3,000~5,000kmごとに交換
ノッキングを放置するとピストンやクランクシャフトが損傷するリスクがあります。
異音や振動を感じたら、早めに整備工場で診断を受けることが重要です。
アクセルを踏むとガクンとなる症状は?│考えられる原因

アクセルを踏んでいるにもかかわらず、車が止まりそうになる、あるいは失速するような感覚がある。
エンジンの点火系の故障や、トランスミッションの不具合が原因で起こることがあります。
車のアクセル踏むと前後に揺れる原因は?
車のアクセルを踏むと前後に揺れる、つまり突発的なショックや振動を感じる場合、いくつかの原因が考えられます。
- エンジンマウントの劣化
エンジンマウントが劣化すると、エンジンの振動が車体に直接伝わりやすくなります。
その結果、アクセル操作時に車体が前後に揺れることがあります。
エンジンマウントは定期的に点検し、必要に応じて交換することが推奨されます。 - 燃料供給の不具合
燃料フィルターが詰まっていたり、燃料ポンプに問題があると、エンジンへの燃料供給が不安定になります。
この不安定な供給が原因で、アクセルを踏んだ際の加速にムラが生じ、前後に揺れる動きが感じられることがあります。 - トランスミッションの問題
オートマチックトランスミッションやCVTの変速機構に問題がある場合、スムーズな動力伝達が妨げられることがあります。
特に、変速ショックやギアのスリップが原因で、揺れを感じることがあります。 - クラッチの不具合(マニュアル車の場合)
クラッチディスクやクラッチカバーが摩耗していると、動力が途切れたり、過剰に伝達されることで、車体が前後に揺れることがあります。
クラッチ機構の点検や調整が必要です。 - タイヤのバランスやサスペンションの問題
タイヤが不均一に摩耗していたり、ホイールのバランスが崩れていると、衝撃が車体に伝わりやすくなります。
また、サスペンションシステムの劣化も原因として考えられます。
アクセル踏むと止まりそうになる原因は?
アクセルを踏んだ際に車が一瞬止まりそうになる、または加速が不安定になる。
このような症状にはさまざまな原因が考えられますので、以下に主要な原因を示します。
- エンジンの燃焼不良
燃料と空気の混合比が適切でないと、エンジンの燃焼が不完全になり、パワーが不足します。
これは、点火プラグ、燃料噴射装置、またはエアフィルターの問題による可能性があります。
これらの部品が汚れていたり、劣化している場合、スムーズな加速が妨げられ、車が止まりそうになることがあります。 - 燃料系統の問題
燃料ポンプや燃料フィルターの詰まり、ポンプの性能低下があると、エンジンに十分な燃料が供給されず、動力が不安定になる場合があります。
特に加速時には燃料の供給が追いつかず、エンジンが一瞬止まりそうになることがあります。 - エンジン制御システムの誤作動
エンジン制御ユニット(ECU)が誤作動すると、エンジンへの指示が適切に行われなくなり、加速時に不具合が生じる可能性があります。
ECUのセンサー類に問題がある場合も、同様の症状が出ることがあります。 - エアフローセンサーの不具合
エアフローセンサーが適切に機能しないと、エンジンは正確な空気の流れを検知できず、燃焼が不安定になることがあります。
これにより、加速時にエンジンが一瞬止まりそうになることがあります。 - 吸気系統の問題
吸気マニホールドに問題があると、エンジンに十分な空気が供給されずに燃焼が不十分になります。これが加速時の不具合につながります。
このような問題に直面した場合は、早急に専門の自動車整備工場での診断をお勧めします。
総括│アクセルを踏むとガクンとなる症状は?
このページでは、アクセルを踏むとガクンとなる症状という、よくある車のトラブルについて、その原因と対処法を解説しました。
この症状は、単なる運転時の不快感だけでなく、放置すると重大な故障や事故に繋がる可能性があるため、早期の点検と修理が重要です。
ショックの原因は多岐にわたり、エンジン、トランスミッション、駆動系、燃料系、点火系、吸気系、排気系、タイヤ・ホイールなど、様々な箇所に潜んでいる可能性があります。
具体的な例として、エンジンマウントの劣化、ATやCVTの不具合、ドライブシャフトの破損、燃料ポンプの故障、スパークプラグの劣化、ホイールバランスの不良などが挙げられます。
それぞれの原因によって、発生するショックのタイミングや状況、併発する症状も異なります。
例えば、発進時や変速時にショックが大きい場合はトランスミッション系のトラブル、特定の速度域で振動を伴う場合はホイールバランスの不良、アクセルを踏んでも加速しない場合は燃料系や点火系のトラブルといったように、症状をよく観察することで原因を絞り込むことができます。
しかし、原因の特定は専門知識と設備が必要となるため、ご自身で判断せず、少しでも異常を感じたら速やかに整備工場で点検を受けることをお勧めします。
また、定期的な点検とメンテナンスは、トラブルの早期発見・早期修理に繋がり、結果的に大きな故障や高額な修理費用を未然に防ぐことにも繋がりますので、日頃から愛車の状態に気を配り、適切なケアを心掛けてください。