10年落ちの車を所有している皆さんにとって、次回の車検は頭を悩ませる大きな問題かもしれません。
年数が経過した車は、どうしても部品の劣化や修理箇所が増え、車検にかかる費用が高額になることが一般的です。
本記事では、10年落ちの車の車検費用について詳しく解説し、適切なメンテナンスと賢い費用対策を探るお手伝いをします。
安心して愛車を維持するために、ぜひご一読ください。
記事のポイント
部品の劣化や修理箇所が増え、車検にかかる費用が高額になる
10万キロを超えたからといって、年一回の車検になるわけではない
タイミングベルト、タイヤ、エアコン回りのチェックなどは要点検
軽自動車は、ボディや下回りのサビのチェックもやっておきたい
目 次
10年落ちの車の車検費用について

10年落ちの車の車検は、新車やまだ経過年数の浅い車に比べて、経年劣化による影響が大きいため、一般的に費用がかさむ傾向にあります。
車検は10年経つと高額になりますか?
結論から言うと、10年落ちの車は車検費用が高くなる可能性があります。
ただし、一概に10年だから高いとは言えません。
費用増加の主な要因は、車両の劣化に伴う部品交換や整備が必要になるためです。
新車から10年経過すると、様々な部品が劣化し、交換時期を迎えます。
例えば、タイミングベルトやウォーターポンプ、ブレーキパッド、ディスクローターなど、走行距離や使用状況によりますが、これらの部品は10年を目安に交換が必要になることが多いです。
これらの部品交換は車検とは別料金ですが、車検時にまとめて行うことで工賃を節約できる場合もあります。
もし交換を先延ばしにすると、車検に通らないばかりか、走行中に思わぬトラブルを引き起こす可能性がありますので、整備士と相談の上、適切な時期に交換することが重要です。
10年落ちの車の車検費用を、具体的に見てみましょう。
▶ 法定費用
重量税、自賠責保険、印紙代などの法定費用は、車両の重量や排気量によって決まります。
また、新車登録から13年目を超えた場合には、自動車重量税などが増加します。
これにより、車検に伴う総合的な出費が2年前のものと比較して大幅に増加することになります。
▶ 検査費用
車検場での検査手数料や、整備工場に依頼する場合の代行手数料などが含まれます。
▶ 整備費用
これが10年落ちの車で最も費用が変動する部分です。
上記で述べた部品交換のほか、エンジンオイル、ブレーキオイル、冷却水などの油脂類の交換、タイヤの摩耗状況、バッテリーの劣化などもチェックされ、交換が必要であれば費用が発生します。
つまり、10年落ちの車は、部品の劣化具合によって車検費用が大きく左右されます。
日頃から適切なメンテナンスを行い、部品の寿命を延ばすことで、車検費用を抑えることが可能です。
また、複数の整備工場で見積もりを比較することも賢い選択です。
10万キロ超えたら年車検はどうなるの?
10万キロを超えたからといって、急に年一回の車検になるわけではありません。
乗用車の場合、初回車検が3年後、以降は2年ごとです。
これは走行距離に関わらず変わりません。
ただし、10万キロを超えると、車検時により細かい点検項目が追加され、整備費用が増加する可能性があります。
10万キロ=年車検という誤解は、貨物車やバス、タクシーなど、特定の車両に適用される検査と混同していることが原因と考えられます。
これらの車両は走行距離や使用頻度が高いため、安全確保のためにより厳しい検査基準が設けられており、1年ごとの検査が義務付けられています。
しかし、一般的な自家用乗用車には該当しませんのでご安心ください。
では、10万キロを超えた乗用車の車検では何が変わるのでしょうか?
重要なのは、走行距離が増えるほど、車の各部品の劣化が進むということです。
10万キロを超えると、エンジン、トランスミッション、サスペンション、ブレーキシステムなど、主要部品の摩耗や劣化が顕著になる可能性が高くなります。
そのため、車検時の点検項目もより詳細になり、交換が必要な部品が増えることで、結果的に車検費用が高くなる傾向があります。
例えば、以下のような部品は10万キロ前後で交換が必要になるケースが増えます。
▶ タイミングベルト
エンジンの重要な部品で、切れるとエンジンが停止する可能性があります。
▶ ウォーターポンプ
冷却水を送るポンプで、故障するとオーバーヒートの原因になります。
▶ サスペンション関連部品 (ショックアブソーバー、ブッシュなど)
乗り心地や操縦安定性に影響し、劣化すると異音や振動が発生することがあります。
▶ ブレーキ関連部品 (ブレーキパッド、ディスクローターなど)
制動性能に直結する重要な部品で、定期的な点検と交換が必要です。
これらの部品は車検とは別料金となりますが、車検時にまとめて交換することで工賃を節約できる場合もあります。
10万キロを超えた車は、車検前に整備工場でしっかりと点検してもらい、必要な整備内容と費用を見積もってもらうことが大切です。
10年過ぎたら車検は何年ごとですか?
10年落ちの車だからといって、車検の周期が変わることはありません。
自家用乗用車の場合、新車登録から初回車検までは3年、2回目以降は2年ごとです。
これは10年を超えても変わりません。
ただし、10年を超えると車の各部品の劣化が進むため、2年ごとの車検に加えて、1年ごとの法定点検を受けることが推奨されます。
法定点検は、日常点検では発見しにくい不具合や故障を早期に発見し、安全な走行を維持するために重要な役割を果たします。
点検項目には、ブレーキ、エンジン、ライト、タイヤなど、走行に直接関わる重要な部分が含まれています。
10年落ちの車の車検費用について│交換部品

10年を超えた車では、部品の経年劣化が進むため、車検の際に交換しなければならない部品が増えます。
これが車検費用を高くする一因です。
車検が10年目の交換部品は?
10年目の車検を迎えるころには、車両の各部品の摩耗が避けられず、多くの消耗品や部品の交換が必要になることが一般的です。
以下は、10年目の車検で特に注意が必要で、交換が推奨される部品のリストです。
- タイミングベルト(チェーン式は不要)
10年または走行距離が100,000キロを超えると、タイミングベルトの交換が必要になります。
これを怠ると、ベルトが切れてエンジンに重大なダメージを与える可能性があります。 - ブレーキパッドとディスクローター
長年の使用でブレーキパッドとディスクローターは摩耗します。
安全のためにも、劣化している場合はこれらを交換する必要があります。 - サスペンション部品
ショックアブソーバーやサスペンションブッシュは、乗り心地や操縦安定性に影響します。
10年経過した車両では、これらの部品が劣化している場合が多いため、交換が求められることがあります。 - バッテリー
10年目の段階でバッテリーは寿命を迎えている可能性が高いです。
エンジン始動不良を避けるためにも、点検と必要に応じた交換が推奨されます。 - 各種フィルター
エアフィルター、オイルフィルター、燃料フィルターなどは、定期的な交換が必要です。
これらのフィルターが詰まると、燃費が悪化したりエンジン性能が低下することがあります。 - エキゾースト系統
マフラーや排気管などにサビや腐食が生じている可能性があります。
排気漏れを防ぐためにも、状態をチェックし、必要に応じて交換します。 - 冷却系統
ラジエーターやホースは時間とともに劣化し、漏れが発生することがあります。
冷却水の漏れがないかチェックし、不良箇所が見つかれば交換が必要です。 - ラバー製部品
ラジエーターホースやベルト類、ブッシュなどラバー製の部品は経年劣化しやすいです。
これらの部品も点検対象となり、ひび割れや硬化が見られれば交換します。 - タイヤとホイール
10年過ぎるとタイヤのゴムが硬くなり、トレッドも摩耗します。
乗り心地や安全性に影響を及ぼすため、溝の深さやトレッド面の亀裂、摩耗状態をよくチェックし、必要に応じて交換します。 - エアコン回り
コンプレッサーの劣化やホースからのガス漏れなど、エアコン関連のトラブルも10年落ちの自動車でよく見られます。
エアコン回りの修理は、ガスを回収したり、ダッシュボードを外したりする必要があるため、高額になります。
早めのチェックで、大きな問題になる前に対策しましょう。
これらの部品は、10年目の車検で特に注目すべき点です。
定期的なメンテナンスと部品の早期交換により、安全面と走行性能の向上が図れます。
また、長期的な視点で考慮することで、結果的にコストの抑制に繋がるでしょう。
軽自動車の車検で10年以上の車の注意点は?
軽自動車は普通車に比べて車体が軽く、部品もコンパクトに作られているため、経年劣化の影響を受けやすい傾向があります。
- エンジンと動力系統
10年以上使用された軽自動車では、エンジンのパフォーマンスや燃費が低下することがあります。
特に、スパークプラグやイグニッションコイルのチェックと交換が重要です。 - 車体やボディの劣化
軽自動車は軽量化を重視し、車体が薄いため、錆や腐食が発生しやすい傾向があります。
特に、下回りのサビやボディの腐食には注意が必要です。
融雪剤を使用する地域では、下回りやフレームの錆が進行しているケースが見られます。
錆がひどい場合は、車検に通らない可能性もあるため、日頃から防錆処理を行うなど、錆対策を心がけることが重要です。
車検が20年目の費用はどれくらい?
20年目の車検費用は、車両の状態や交換部品によって大きく変動します。
一概に○○万円と断言することはできませんが、10年落ちの車と比べると、部品の劣化が進んでいるため、費用がかさむ傾向にあります。
【車検費用の目安】
一般的な車検費用は、車種や車両の状態によって大きく異なりますが、以下のような目安になります。
▶ 軽自動車 : 6万円から12万円
▶ 普通自動車 : 7万円から20万円(車両重量によって異なる)
▶ 大型車 : 30万円以上
【車検の内容】
- 消耗部品の交換
20年経過した車両では、多くの消耗部品が寿命を迎える可能性があります。
タイミングベルトの2回めの交換やウォーターポンプ、各種フィルター、ベアリング、エンジンマウントなどが代表的な例です。
これらの部品の交換が必要な場合、費用が加算されます。 - エンジンとトランスミッションのメンテナンス
長年使用されたエンジンやトランスミッションには、経年劣化が進んでいることが多いです。
オイル漏れや不調が出る可能性があるため、オーバーホールや専門的な調整が必要になることもあります。
これらが車検費用を大きく押し上げる要因となります。 - シャシーとサスペンション
サスペンションやシャシーも20年の間に劣化が進み、乗り心地や安全性に影響を与えることがあります。
ショックアブソーバーやブッシュ、ボールジョイントの摩耗は交換を要する場合があります。 - 電装系統と安全装備
ライトやウインカー、センサーなどの電装系が正常に動作しているかも確認が必要です。
特に、センサー類やコンピュータ関連の不具合があると、部品交換が必要になり費用が増加します。 - サビと腐食
車体や下回りのサビや腐食は、20年経過した車によく見られる問題です。
これに対処するための錆取りや補修、防錆塗装が必要となることがあります。
20年落ちの車は、部品の供給が終了している場合もあります。
そのため、純正部品が入手困難な場合は、リビルト品(再生部品)や中古部品を利用する選択肢も検討しましょう。
総括│10年落ちの車の車検費用について
10年落ちの車の車検費用は、新車時や5年落ちの車と比べると、どうしても高くなる傾向にあります。
これは、走行距離や経年劣化により、交換が必要な部品が増えることが主な原因です。
タイミングベルト、ウォーターポンプ、ブレーキ関連部品、サスペンション関連部品など、10年、10万キロを目安に交換時期を迎える部品が多く存在します。
しかし、10年落ちだからといって必ず高額になるわけではありません。
日頃から適切なメンテナンスを行うことで、部品の寿命を延ばし、車検費用を抑えることが可能です。
また、車検費用は整備工場によって異なるため、複数の工場で見積もりを比較することも重要です。
見積もり内容をしっかり確認し、不明な点は整備士に質問することで、安心して車検を受けることができます。