「最近、走行中に車からポコポコ音がきこえるようになった……」
ふだん聞きなれないふしぎな音が足まわりやエンジンルームからきこえてくると、どこか致命的な故障がおきているのではないかと不安になりますよね。
じつは、この「ポコポコ」という音は、車が発する初期のSOSサインであることがおおいのです。
音の発生源によっては、走行安定性の低下や燃費の悪化、さらには事故につながるリスクもひそんでいます。
この記事では、車の走行中に発生するポコポコ音の正体を解説します。あなたの愛車をまもるために、なにがおきているのかをいっしょに確認していきましょう。
記事のポイント
走行中のポコポコ音は、足回りや冷却系の異常をしらせるサイン
ショックアブソーバーの寿命やガスぬけが原因の可能性が高い
ブレーキ時の異音は、ただちに点検が必要
「まだ走れる」は危険!放置すると修理費も高額に
タイヤの変形や空気混入も原因、バースト防止に早期確認
目 次
走行中の車からポコポコ音がする原因

走行中にふと耳に飛び込んでくる「ポコポコ」というきみょうな音。
金属がぶつかる「ガシャン」というはでな音や、ベルトがなく「キーッ」というたかい音とはちがい、どこかひかえめでぬけたような音だけに、「これくらいなら大丈夫かな?」と見すごしてしまいがちです。
しかし、じつはこの音の正体は、車の足回りや吸排気系、あるいは冷却系統にひそむ初期トラブルの典型的なサインかもしれません。
車の後ろからポコポコ音がする
車の後方から「ポコポコ」や「トントン」という音がきこえるばあい、まず疑うべきはショックアブソーバーのオイルもれやガスぬけです。
ショックアブソーバーは路面からの衝撃を吸収する部品ですが、内部の密閉性がそこなわれると、段差をのりこえたさいに減衰力がはたらかず、内部のピストンが不自然なうごきをして異音を発生させます。
また、意外と見おとしがちなのがラゲッジスペース(荷室)内の荷物やスペアタイヤの固定のゆるみです。パンク修理キットやジャッキが固定枠からはずれ、走行中の微細な振動ではねているケースも多々あります。まずは荷物を全部おろして走ってみて、それでも音が消えないばあいは足回りのブッシュ(ゴム製の緩衝材)の劣化がかんがえられます。
さらに、マフラーをつっているマフラーハンガー(ゴムリング)が劣化してのびたり亀裂がはいったりすると、走行中の振動でマフラー本体が車体底部に干渉し、「ポコポコ」とかるい打音をだすことがあります。うしろからの音は乗員にはひびきやすいため、はやめの診断が必要です。
アクセル踏むとポコポコ音がする
アクセルをふみこんださいに「ポコポコ」という音がし、加速にあわせてリズムがはやくなるばあいは、エンジンマウントの劣化、あるいは吸気系のトラブルをうたがいます。エンジンマウントはエンジンを車体に固定し、振動を吸収するゴム製の部品です。これが劣化して硬化したり亀裂がはいったりすると、アクセルON時のエンジンのゆれをおさえきれず、不自然な振動音となって車内につたわります。
また、吸気系、とくにエアクリーナーボックスやインテークパイプに亀裂や固定のゆるみがあるばあい、空気をすいこむさいに共鳴音が発生し、「ポコポコ」ときこえることがあります。これは混合気のバランスをくずし、燃費悪化やエンジン出力の低下をまねく原因にもなります。
さらに、エンジン内部の燃焼状態が不安定なばあい(失火気味など)も、排気音にまじって変則的な音がきこえることがあります。エンジンルームからの異音は、大きなリスクにつながるまえに整備する必要があります。加速時の異音は「力の伝達」に不具合がでているサインですので、テスター診断をふくめた精密点検をおすすめします。
車のアイドリング時にポコポコ音がする

停車中、アイドリングのさいにきこえる「ポコポコ」という音。これは冷却系統への空気の混入(エアかみ)が代表的な原因の一つです。冷却水(LLC)の量が減少していたり、ウォーターポンプの不具合で気泡がまじると、ヒーターコア付近から「ポコポコ」「チョロチョロ」といった水がながれるような、あるいは空気がはじけるような音がきこえることがあります。
冷却系に空気がはいっているということは、どこからかもれている可能性がたかく、オーバーヒートの前兆かもしれません。エンジンの熱管理は車の心臓部をまもるかなめです。冷却水の残量はリザーバータンクでかんたんに確認できますので、すぐにチェックしてください。
また、キャニスター(燃料蒸発ガス排出抑止装置)の作動音が「ポコポコ」ときこえるばあいもあります。これはガソリンタンクから発生するガスを吸着・処理する部品で、パージバルブがうごくさいに音がすることがありますが、これが異常におおきいばあいはバルブの故障がうたがわれます。アイドリング時の音はしずかな場所で目だつため不安になりますが、水温計の針や警告灯に注意をはらい、異常があればすぐにエンジンをとめてください。
車のブレーキ踏んだときのポコポコ音は?

ブレーキをふんだときに「ポコポコ」「ググッ」という音がでるばあい、まず確認したいのはブレーキキャリパーのスライドピンの固着やグリス切れです。ブレーキは油圧でパッドをおしつけますが、キャリパー自体のうごきがスムーズでないと、ふみこむたびにひっかかるような挙動をみせ、それが音となってあらわれます。
また、ブレーキローターのゆがみや偏摩耗も原因になります。ローターが波打つように摩耗していると、ブレーキパッドが均一にあたらず、回転にあわせて「ポコポコ」としたキックバック(振動)をともなう異音を発生させます。これはブレーキのききそのものに直結するためきけんな状態です。
さらに、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)の誤作動やセンサーの不具合でも、ペダルに振動とともに音がつたわることがあります。ブレーキは「重要保安部品」です。すこしでも違和感、あるいはペダルをふんだときの感触がいつもとちがう(スポンジをはさんでいるような感触など)ばあいは、自走をさけ、レッカー搬送を検討するレベルの警戒が必要です。
車が振動してポコポコ音がするのは?

走行中に車体が小刻みに振動し、「ポコポコ」という音がともなうばあい、もっとも可能性がたかいのはタイヤのトラブルです。タイヤの表面に「フラットスポット(急ブレーキなどで一部だけ摩耗した部分)」ができていたり、内部のワイヤーが切れて表面がこぶのようにもりあがる「セパレーション」がおきていると、回転にあわせて独特の振動と音が発生します。
とくにセパレーションは、そのまま走行をつづけるとバースト(破裂)をひきおこす危険な状態です。タイヤの空気圧が極端に低い状態で走行をつづけたさいにもおこりやすいため、まずはタイヤの表面に異常なふくらみがないか、目視で確認してください。
また、ドライブシャフトのジョイント部の摩耗もかんがえられます。とくにハンドルを切った状態で加速するときに音がおおきくなるばあいは、ジョイントをまもる「ブーツ」がやぶれ、なかのグリスがとびちって潤滑不良をおこしているサインです。ブーツの破れは車検不適合となります。車体の振動はドライバーの疲労を早めるだけでなく、他の部品の寿命もちぢめてしまうため、原因の特定をいそぎましょう。
走行中の車からポコポコ音がする原因│放置はNG?足回りの問題など

走行中の「ポコポコ音」を「ただの音だから」と放置するのは危険です。
なぜなら、この音が発生している箇所のおおくは、車の「走る・曲がる・止まる」という基本性能をささえる重要保安部品に直結しているからです。
特に足回りから聞こえるポコポコ音は、サスペンションやタイヤの異常を示唆していることが多いです。
これを無視して走行をつづけてしまうと、事故をまねいたり、修理費用が数十万円単位のアッセンブリー交換(部品丸ごとの交換)に発展してしまうケースもあります。
車のポコポコ音は放置してもいいですか?
ポコポコ音は放置してはいけません。
自動車は数万点の部品で構成された精密機械です。新車のときにはしなかった音がするということは、なんらかの部品が本来の役割をはたせていない、あるいは寿命をむかえている証拠です。
「まだ走れるから大丈夫」という自己判断が、もっともたかくつく修理代をまねきます。たとえば、足回りのちいさな異音を放置した結果、関連する高価なアーム類やベアリングまで破損し、修理費が数倍にふくれあがるケースはめずらしくありません。また、冷却系の異音を無視してオーバーヒートさせれば、エンジン交換という「重病」におちいり、廃車を検討せざるをえなくなることもあります。
さらに重要なのは、道路交通法における整備不良の責任です。故障が原因で事故をおこしたばあい、ドライバーの責任が問われます。異音は車からの「はやめに直して」というラブレターだと思ってください。
車が走行中足回りからカタカタ音がする

「ポコポコ」よりもすこしかたい「カタカタ」「コトコト」という音が足回りからきこえるばあい、これはスタビライザーリンクのブッシュ劣化が典型的な原因です。スタビライザーは車の横揺れをおさえる棒状の部品ですが、それをつなぐリンク部分のゴムがつぶれたり、ボールジョイントにガタがでると、路面のちいさなデコボコでも敏感に反応して音をだします。
また、ストラットアッパーマウント(車体とサスペンションの接合部)の劣化も有力なこうほです。ここにはおおきな荷重がかかるため、ゴムが経年劣化でやせてすきまができると、段差で車体が上下するたびに金属同士が干渉するような「コトコト」音がひびきます。
これらの音は、最初はちいさくてもじょじょにおおきくなり、最後にはハンドリングの違和感としてあらわれます。走行安定性がそこなわれると、緊急時の回避行動がとれなくなるおそれがあるため、異音が明確にきこえるようになったら交換時期だと判断してください。
サスペンションがへたった症状は?

サスペンションが「へたる」とは、おもにスプリングのヘタリやショックアブソーバーの減衰力低下をさします。代表的な症状をあげますので、ご自身の車とてらしあわせてみてください。
- ゆれのおさまりが悪くなる:
段差をこえたあと、フワフワしたゆれがいつまでもつづく。 - コーナリング時のロール(傾き)がふえる:
カーブで車体が外側におおきく傾き、ふんばりがきかなくなる。 - ブレーキング時のノーズダイブ:
ブレーキをかけたときに、車の前部が極端にしずみこむ。 - 車高がさがる:
スプリングがへたると、新車時よりも車高が数センチさがることがあります。 - 異音(ポコポコ、コトコト):
内部のオイルやガスがぬけると、作動時に異音が発生します。
サスペンションは、タイヤを路面におしつける重要な役割をになっています。へたった状態で走りつづけると、タイヤの偏摩耗をはやめるだけでなく、ブレーキ距離がのびるというデータもあります。一般的に5万kmから8万ていどが交換のめやすといわれますが、乗りかたや環境によっておおきくかわります。
もし「最近、乗りごこちがふねのようにフワフワするな」と感じたら、それは足回りのリフレッシュ時期かもしれません。
走行中の車からポコポコ音が!│総括
これまで、車の走行中に発生するポコポコ音の原因について、発生箇所やシーンべつにくわしく解説してきました。
この音の正体は、ショックアブソーバーの寿命や冷却系のエアかみ、タイヤの異常など多岐にわたりますが、共通していえるのは「自然になおることはない」ということです。
むしろ、ほうっておくことでほかの正常な部品までいためてしまい、結果的に高額な修理費用が必要になってしまうケースにつながります。
愛車とながく安全につきあっていくためには、異音という「ちいさな変化」を見のがさないことがなによりたいせつです。もしいま、あなたの車で走行中にポコポコ音がつづいているのなら、それはプロによる健康診断をうけるよい機会かもしれません。